※8月15日付公明新聞より転載

 

核禁条約批准に向けた環境整備、着実に進める

 

本日、77回目の終戦記念日を迎えるに当たり、先の大戦で犠牲となられた内外の全ての方々に謹んで哀悼の意を表し、ご遺族ならびに今なお深い傷痕に苦しむ皆さまに心からのお見舞いを申し上げます。

かけがえのない生命を奪い、大きな損害を与えた戦争に対して深い反省から再出発した戦後の日本は、戦前の軍国主義の過ちを決して繰り返さないとの強い決意のもと一貫して国際平和への貢献を掲げてきました。30年前に踏み出した国連平和維持活動(PKO)への協力など、その努力は世界から認められ、今日、平和国家としての高い信頼を得ています。

近年、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増していますが、日本の安全保障政策は、憲法9条の専守防衛と、日米同盟による防衛協力体制が基本です。2016年施行の平和安全法制は、専守防衛の下で許される「自衛の措置」の限界を明確にし、同時に日米同盟の信頼性を高め、抑止力・対処力を確実に強化しました。また、国是である「非核三原則」の堅持も柱です。

今年2月に起きたロシアによるウクライナ侵略が、間もなく半年になります。公明党はウクライナ侵略の一刻も早い停戦を求めます。さらに、プーチン大統領の核兵器による威嚇発言は、断じて受け入れられません。ロシアは今年1月、米国、英国、フランス、中国の核保有国とともにまとめた核戦争の回避と核不拡散への協力を誓った共同声明を順守すべきです。

北朝鮮によるミサイル発射は、国連の安保理決議違反であり国際社会への深刻な挑戦です。国際社会は結束して、このような暴挙に対応する必要があります。

今年6月には、歴史的な核兵器禁止条約(核禁条約)の第1回締約国会議がオーストリアで開催されました。締約国会議への日本のオブザーバー参加は実現できなかったものの、公明党は同会議へ国会議員を派遣しました。さらに、公明党は締約国会議前日の第4回「核の非人道性会議」で、被爆と原子力災害を経験した日本が果たすべき役割を探る一方、国会議員が集った世界国会議員会議にも加わり、核禁条約批准に向けた動きを加速させるとの声明とりまとめに貢献しました。

公明党は核禁条約を「核兵器を初めて違法として禁止した画期的な国際法規範」として高く評価しています。そして、締約国会議への日本のオブザーバー参加は、核禁条約がめざす核兵器による被害者の支援と環境修復に貢献するための足場ともなります。公明党は、日本がオブザーバー参加を実現し、核兵器不拡散条約(NPT)との補完関係を強化し、核保有国と非保有国の橋渡し役を担うことで、日本の核禁条約批准に向けた環境を着実に整備していきます。


8月1日に始まったNPT運用検討会議に日本の首相として初めて出席した岸田文雄首相は「核兵器のない世界」に向けて極めて大きな一歩を記しました。このNPT運用検討会議に続き、11月23日の「国際賢人会議」の広島開催、さらに来年5月には先進7カ国首脳会議(G7サミット)が、サミット史上初めて被爆地の広島で開催されます。一連の国際会議によって「被爆の実相」を世界の指導者に直接知ってもらうための好機とし、核廃絶への世界的なうねりを日本から起こさなければなりません。公明党は力強くバックアップしていきます。

終戦記念日に当たり、公明党はこれからも粘り強い対話の力を通じて、世界の平和と人類の繁栄に貢献する国づくりにまい進していくことを、重ねてお誓い申し上げます。

2022年8月15日 公明党

 


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