平成30年第3回日野市議会定例会での一般質問の内容です。

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「今夏の記録的猛暑を踏まえた今後の対策について

 

夏場の体育館は、35℃以上アセアセ

空調設備の設置が大きな課題となっています。



※「今夏の記録的猛暑を踏まえた今後の対策について①」からの続き

●馬場けんじ

 次に、ここからは暑さの中での学校現場においての質問に移ります。順次4点について取り上げていきたいと思います。

 列島各地で猛烈な暑さが続く中、学校現場においても、児童や生徒が熱中症と見られる症状を訴え、病院に搬送される事例が相次いでいます。
 7月には、愛知県豊田市で、校外学習に参加した小学1年生の男子児童が教室に戻った後に意識を失って救急搬送され、重度の熱中症である熱射病で亡くなられました。子どもは体温の調整機能が発達しておらず、熱中症になりやすいと言われています。今回のような痛ましい事故を二度と起こさないために、炎天下での屋外活動は原則中止にするなど、賢明な判断が必要となっています。
 こうしたことを踏まえ、質問をさせていただきます。
 まず、1点目として、以前、峯岸議員も取り上げられていますが、子どもたちが持参している水筒の活用について伺います。
 この猛暑の中、かなり汗をかきながら通学する子どもたちの姿も見かけました。そのような状況で登下校中に水筒の水を飲むことは、熱中症予防のためにも必要不可欠であるかと思います。ただ、水筒の活用について、通学途中の小学生に直接聞いたところ、通学途中に飲んではいけないと言われているという子どもがいました。
 また、子どもたちといろいろ話をしていますと、飲んでいいのかいけないのか迷っているケースもあるとも感じました。
 また、学校によって、また、学校の先生によって解釈が違うケースがあるとも感じました。

 この猛暑の中で、水分の補給は必要不可欠であると思います。子どもたちが持参している水筒を、登下校の際などに安全に飲むことができるように、改めて通知をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。御所見をお伺いしたいと思います。


●教育部長(山下義之君)

 今年度は6月から非常に厳しい暑さの日が続いております。日野市では、全小・中学校の普通教室に冷房が設置され、教室では一定の涼しさを保った中で教育活動が行われているところでございますが、校庭や体育館での活動の際には、温度や湿度、子どもたちの状況を把握しながら、活動を中止したり、内容を変更したりしながら教育活動を実施をしております。

 登下校中の暑さ対策も含めまして、全小・中学校では、水筒の持参を認めております。今後も校長会と協議をしながら、子どもたちや保護者に必要に応じて水筒を持参をしてよいことがきちんと伝わるように工夫し、御家庭の協力も得ながら、水分補給をする際には、立ちどまって安全を確認して飲むなどの指導を行った上で、子どもたちが必要なときにみずから判断し、水分補給をし、自分を守る、そうした力を身につけさせていきたいと考えているところでございます。
 以上でございます。

 

●馬場けんじ
 ありがとうございました。
 全小・中学校で水筒の持参を認めているということであります。子どもたちが安全に水分補給をできるような周知を改めてお願いしたいというふうに思います。

 先ほど、愛知県豊田市の痛ましい事故について取り上げましたが、このような事故は全国のどこの学校でも起こり得ます。運動を行う部活動や屋外での学校行事のあり方、水分、塩分の補給環境など、熱中症を予防する体制について、子どもの命を守るさらなる取り組みを求めておきたいというふうに思います。
 それでは、次に2点目として、通学途中の児童・生徒の荷物を軽くする取り組みについて伺います。
 この間、この猛暑の中でかなりたくさんの荷物を持ちながら、汗をかきながら、登校している子どもたちの姿も見かけました。
 現在、小・中学校では、教える量の増加で教科書がかなり厚くなっております。教材もふえています。実際に、習字道具や絵の具セット、鍵盤ハーモニカなど、授業が同じ日に重なると、かなりの荷物になります。そうした荷物を持ち、1キロ以上歩いて登校する児童・生徒もいるという現状です。ランドセルなどの荷物は重量が増し、腰痛となる子どもたちも出始めるなど、対策を急ぐ声が上がっています。
 愛媛県松山市教育委員会では、ことしの4月に市内の小・中学校に対し、児童・生徒の荷物を軽くするために、毎日持ち帰る必要のない学習用具を室内に置いたり、登校時に荷物が集中しないようにするなど、各学校に要請。各学校でも習字道具や絵の具セット、鍵盤ハーモニカなどを学校に置いて帰ることを決めたり、持ち帰る荷物が集中しないように図工と体育の授業を分ける時間割の工夫などの対策を実施しています。
 今後、日野市においても工夫が必要であるかと思います。今後の取り組みについて伺っておきたいと思います。


●教育部長(山下義之君)

 教科書のA4判化や1冊の分量の増加などにより、子どもたちの登下校時の荷物が重くなる傾向にございます。
 こうした状況への対応といたしまして、学校に置いていっていいものを決め、荷物を減らす工夫をしている学校もございます。
 学校での置き場所を工夫したり、家庭の協力も得て、必要のないものは家に置いておくなどの工夫もしていく必要があると考えております。
 また、松山市における小学校の時間割の工夫も参考になるものと考えております。
 今後、校長会とも協議をしながら、登下校の際の荷物の重さについて検討をしていきたいと考えております。
 以上でございます。

 

●馬場けんじ
 ありがとうございました。
 ちょうど一昨日に各地の学校の新学期が始まる中で、文部科学省は、子どもたちのランドセルなどが重過ぎるという意見を踏まえて、宿題で使わない教科書などは教室に置いて帰ることを認めるよう、全国の教育委員会に通知する方針であるという、そういう報道もありました。
 厳しい暑さの中で子どもたちの通学の負担を軽減していく上でも、今後、しっかりと検討していただきたいと思います。
 次に、3点目として、ことし6月に全小・中学校に配付され、体育館に設置されている熱中症指標計の活用状況なども踏まえた体育館の暑さの状況、また、授業や部活動の状況についてお聞きしたいと思います。


●教育部長(山下義之君)

 これまで小・中学校の体育館には温度計が設置をされておりましたが、ことしは5月の連休時期に暑い日が続いたこともあり、熱中症の危険度が一目でわかる熱中症指標計を6月に全校配付し、体育館に設置をしております。
 厳しい暑さが続く中で、体育館での授業の際には、この熱中症指標計を活用するとともに、子どもたちの状況を把握しながら、活動を中止したり、内容を変更したりしながら、教育活動を実施しているところでございます。
 部活動におきましても、厳しい暑さが続く中、30分に1回休憩をとる、状況によっては休憩までの間隔をさらに短くする、練習時間の短縮、あるいは活動の中止など、安全に配慮した活動を行ってまいりました。
 また、バレーボールの大会などでは、どちらかのチームが13点に達した際に、通常のタイムアウトに加え、給水タイムを設定するなどの対応を行っているところでございます。
 そのほか、各部の大会におきましても、安全を最優先した運営が行われたとの報告を受けているところでございます。
 以上でございます。

 

●馬場けんじ

 ありがとうございました。
 体育館に設置された熱中症指標計については、有効的に活用されているかと思います。この熱中症指標計については、今後、学校のみならず、他の主要公共施設でありますとか、また、駅などへの設置ということもあわせて、今後広く検討していただきたいというふうに思います。
 体育館の状況について御答弁いただいた中で、今後の対策について質問をさせていただきます。
 私もこの間、学校の体育館に行き、熱中症指標計を見させていただくとともに、実際に暑さがどのような状況なのかとか調査をさせていただきました。
 朝から窓をあけている状態でありましたが、日中の体育館の室温は35度、36度以上となっており、その場にいるだけで本当に汗が噴き出し、かなりの暑さであることを体で感じました。
 また、同様に、学校におきましては、各小・中学校の給食調理室についても、特に調理中などはかなり室温が上昇いたします。子どもたちの食を扱う給食調理室の職場環境改善なども、今後、考えていかなければいけないというふうに思います。
 4点目として、今夏の猛暑を踏まえ、災害時等に避難場所ともなる小・中学校の体育館、そして給食調理室への今後の空調整備設置についてお伺いしたいというふうに思います。


●教育部長(山下義之君)
 避難所にもなる学校の体育館につきましては、暑さへの対策も考えていかなければならないと考えているところでございます。
 御指摘のとおり、館内の温度を下げるにはエアコンの設置が有効であるものと考えておりますが、学校の体育館は、断熱対策が施されていないことから、その効果が十分には発揮できないものと考えているところでございます。
 エアコンだけではなく、ミストつきの大型扇風機、スポット冷房など、少しでも温度を下げる方法を探っていきたいと考えているところでございます。
 また、給食調理室では日常的に火を使用しているため、夏場の職場環境が厳しいものであることは認識しているところでございます。
 調理室にエアコンを整備するためには、大きな出力の機器をバランスよく設置をする必要がございます。
 しかし、現在の調理室では電源の容量が足りず、また、天井の形態も複雑であるなど、電源工事や天井改修などの検討をせざるを得ず、大規模な改修を伴うことから、夏休みなどの限られた期間で整備することが難しい状況でございます。
 これらを踏まえまして、給食調理室のエアコン整備につきましては、建て替え、または大規模改造の際に設置することを考えているところでございます。
 現在の整備状況でございますが、平山小学校及び日野第一中学校の建て替えの際に整備をしたこちらの2校が整備されているという状況でございます。
 なお、現在は給食調理従事者の健康に配慮いたしまして、扇風機またはスポットクーラー等を全校に配置する対応をとっているところでございます。
 以上でございます。

 

●馬場けんじ

 ありがとうございました。
 私は、先月8月10日、11日と西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町でのボランティア活動に参加をしてきました。改めて一日も早い復興を願うものであります。
 その倉敷市の災害ボランティアセンターは、中国職業能力開発大学校の体育館が活用されていました。広い体育館の中でボランティア活動の前には、さまざまな説明を受けるわけでありますけれども、ちょっとこの体育館は、小・中学校よりも広い体育館でありまして、ちょうど縦型のエアコンが10基ほど設置されていて、災害ボランティアセンターとして機能されていました。
 今夏のような猛暑の中で、もし災害が発生した場合、体育館へのエアコン等の空調設備が本当に必要不可欠であると強く感じました。
 先月8月3日には、都議会公明党としても、東京都の教育長に対し体育館への空調設備設置に対する補助制度創設、また給食調理施設への空調設備の整備などの緊急要望を行っています。
 当然、日野市だけではなくて、広域的な課題となるわけでありますけれども、今後、さまざまな方法を探っていただくことを含め、御検討をいただきたいと思います。
 いずれにしても、学校は、児童・生徒の皆様の安全安心とともに、災害時には地域住民の避難所にもなる重要な施設であります。命と健康を守ることを最優先に着実に前へ進めていただくことを求めておきたいと思います。
 今回、1問目では、記録的猛暑を踏まえた学校関連の質問をさせていただきました。
 ここで教育長より御所見をいただければと思います。


●教育長(米田裕治君)

 馬場賢司議員より、この夏の記録的猛暑を踏まえた今後の対策についての質問をいただきました。ありがとうございます。
 まず、水筒でございます。子どもたちには、いろんな子どもたちがいる、それから、体調も日々違うということで、必要な時期に必要な水分を、周りの交通状況をきちんと判断した安全な状態で、しっかりと必要な分をとるということは当然必要なことであります。このことについては、おとといですかね、校長会でもしっかりと確認をさせていただきましたので、しっかりと進めさせていただきます。
 それから、荷物のお話です。文科省のキーワードは宿題をということでしたけれども、本来は学校が終わって、学校の授業とか、次の日の授業とか、家で勉強することは自分で決める。自分で決めて、自分で考えて、自分で進むというのが本来必要な力でありますので、本来はそういう方向に向いていきたいと思います。
 いずれにして、文科省も宿題を中心にということで通知がこれから来るということですので、そういう状況でしっかりと校長会とも検討していきたいと思います。
 また、あわせて、体育館と、それから給食の調理現場のことでございます。部長答弁のとおりでございます。どちらも、いわゆる断熱的な構造がなければ、根本的な解決にならないということが現状でございます。
 体育館についても、建て替えのときに、そういう断熱構造の中でエアコンを設置していくということが必要かなと思います。
 ただ、そういう状況の中でも部長答弁にもありますように、できることから考えてきたいと思います
 また、給食調理の現場もクーラースポット、まだまだ少ないので、それについても庁内で調整をしていきたいと思います。
 いずれにしても、努力はしていきたいと思いますので、よろしく御指導お願いしたいと思います。

 

●馬場けんじ
 ありがとうございました。
 最後に、市長より御所見をいただければと思います。


●市長(大坪冬彦君)

 馬場賢司議員より、今夏の記録的猛暑を踏まえた今後の対策についてということで、総合的に各分野に関する質問をいただきました。
 熱中症対策ということでございます。
 高齢者については、特に、先ほど健康福祉部長が答弁したとおりでございますけども、やはり、室内で亡くなる方もたくさんいらっしゃるということで、どうしてもエアコンをつけないままで、体のサーモスタットが少し弱くなっていてという方もいらっしゃいますし、また、エアコンについては、電気代の問題という方もいらっしゃるでしょうしということで、どうしていくのかなということは課題かというふうに思います。
 荒川区がエアコン設置費用を助成するということをやるというので、非常に注目して新聞記事を読みましたけども、なかなか日野市はそこまでの財財政力がありません。
 ただ、この猛暑につきましては、6月から8月、戦後一番の暑い夏だったというのは、東日本でございます。先ほど、議員がおっしゃいましたように、災害に匹敵するような暑さということでございますので、荒川区までいきませんけども、踏み込んだ対策というのを今後やっていかないと、大変なことになるのかなというのは感じているところでございます。
 その上で公共施設についての御質問をいただきました。
 本庁舎につきましては、今、免震改修工事を行い、それに伴って同時並行で長寿命化、そして機能アップの改修計画に基づいた改修を行っているところでございます。
 28度設定ということでございます。市長室の私の机の上にも温度計・湿度計を置いてあります。26度台、7度台で、28度を超えることはありませんので、とりあえず機能しているのかなと思います。
 ただ問題は、先ほど、東部会館、生活・保健センターでもありましたように、場所によって、また使い方によっては温度のばらつきがございますので、そこにつきましては、臨機応変な対応をしていかねばならないということになると思います。
 東部会館、それから生活・保健センターは、古いとはいえ、まだ設置してからということでございますので、入れかえるにはまだ早いということでありますから、状況に応じたきめ細かな対応をしていくということをこれからもやっていくべきかなというふうに思っているところでございます。
 学校関係につきましては、先ほど、教育長が答弁したとおりでございます。
 今後、施設の改修等の必要性が出てくる。今、公共施設の総合管理計画に基づいて長期的にどうしていくかということがあって、その中で一番大きなウエートを占めるのが学校の関係の施設でございます。その中の体育館をどうしていくかということで、今回の西日本豪雨災害においては、避難所としての体育館の空調が問題になったということでございます。それがあって、今回御質問いただいておりますので、先ほどの教育関係者の部長の答弁のとおりでございますけども、市長部局としても、その辺につきましては、いろんな形でバックアップをするということを考えていかねばならないなというふうに思っております。
 いずれにしろ、今回の暑さはこれで終わるわけじゃなくて、もちろん、これからことしも9月も続きますし、来年以降、地球温暖化の傾向を考えれば、ますますそういう暑さということが大きな問題になると思っておりますので、今までと違った形で市としても、自治体としても臨んでいくということを考えていかねばならないなというふうに強く感じているところでございますので、御指摘、御指導いただいたことを生かしながら、今後もしっかり暑さ対策を進めていきたいというふうに思っております。
 以上でございます。