武藤金義 さん

武藤 金義(むとう かねよし)
 異名:空の宮本武蔵

1916年8月18日生まれ、
1945年7月24日、28歳没。

愛知県海部郡大治村(現・大治町)生まれの大日本帝国海軍軍人(戦闘機搭乗員)。
 戦死による特進で最終階級は中尉。

支那事変太平洋戦争 における撃墜王。

1935年6月1日、呉海兵団に入団、吹雪型駆逐艦(特I型)「浦波」 に乗艦。

1937年10月、
  第十三航空隊 に配属。
 上海に進出し 支那事変 に参加。

1937年12月4日、初戦果。
 南京上空で 中華民国国軍 のエースパイロット 楽以琴(がく いきん、ユエ・イーキン) が搭乗する I-16 単葉戦闘機1機を撃墜。

1937年12月12日、 第十二航空隊 に異動。

南京、南昌、漢口攻撃などで活躍を続け、
武藤は中華民国軍機を合計5機撃墜し支那事変における撃墜王となった。

1938年10月、内地に帰還。

大分空、鈴鹿空、元山航空隊などで教員生活を送る。

1941年
 9月、 第三航空隊 に配属。
 12月8日、 太平洋戦争 開戦時は 横山保 大尉の2番機としてフィリピン クラークフィールド飛行場 攻撃に参加。

1942年4月、 元山海軍航空隊 (同年11月 第二五二航空隊 に改名)に配属。

三森一正中尉によれば、他の列機が離れても武藤だけはピタリと側にいて
「何があっても離れないのでご安心を」と言う武藤は側にいるだけで心強かったという。

宮崎勇 は、武藤を小柄ながらも明朗快活で誰からも親しまれる人と評し、
「武藤さんはよく冗談を言っては周囲を笑わせた。それも自分がしんどければしんどいほど、つとめて明るく振るまい、みんなの士気を高めるようにした。そんなふうだったから、誰もが親しみをこめて金さんとか金ちゃんとか呼んでいた」
と回想している。

ソロモン航空戦 などに参加。

1943年10月21日、妻・喜代子と結婚。
 武藤が多忙であったため結婚写真は別々に取ったものを張り合わせたものであった。
 喜代子によれば一人娘ができた際はこれで子孫が絶えないととても喜んでいたという。

1944年11月、横須賀海軍航空隊 の教官を務める。

1944年6月、横空派遣部隊として八幡空襲部隊に参加し、硫黄島に進出。
 6月24日、米海軍第58任務部隊の グラマンF6F戦闘機 などの迎撃に当たり、
 同日、山口定夫大尉の二番機として攻撃機隊の援護に参加。
 7月3日、4日、米艦上機部隊の迎撃に参加。
 空襲の被害で航空機を失い派遣部隊は内地に帰還。

1945年2月17日、厚木基地上空に飛来したグラマン編隊の内12機にオレンジ塗装の 紫電改 単機で挑み2機の撃墜を報告。
 敵を集団から一機ずつ誘い出して撃墜する様は宮本武蔵 (小説)の 一乗寺下り松の決闘 を思わせる戦いぶりであり、
 その時から海軍内で 「空の宮本武蔵」 の異名で知られるようになった。

同僚の山崎卓が落下傘降下した横浜市磯子区杉田で地元民に米兵と間違われて竹槍で殺された時、
武藤は杉田を銃撃してやろうかと憤慨した。

1945年6月、第三四三海軍航空隊 (343空)戦闘301飛行隊(通称新撰組)に異動する。
 着任した武藤は、 源田実 司令に対して「私が来たからには隊長は死なせませんよ」と約束した。

1945年7月24日、武藤を含む21機で10倍以上の米機動部隊艦載機を迎撃するため大村から出撃し、
未帰還、戦死。
28歳没。
 豊後水道上空の交戦で武藤は敵編隊に攻撃を加え、隊長 菅野直 大尉を襲う機体にも攻撃した。
 激戦の中、武藤は源田司令との約束を守りきったが、
 この戦闘で武藤は未帰還となった。
 武藤の詳細は不明であったが、
 この日の戦闘で343空は、武藤、 鴛淵孝 隊長など6名が未帰還となった。
 この戦闘は御嘉賞の御言葉を賜わり表彰されるものとなった。
 戦死による特進で中尉に昇進。
 太平洋戦争における撃墜数は30機。

1978年11月、愛媛県南宇和郡城辺町(現・南宇和郡愛南町)久良湾の海底で発見された紫電改は、
1945年7月24日の戦闘301飛行隊の未帰還機と思われ、
武藤金義の機体である可能性も高い。
この紫電改は、愛南町南レク馬瀬山公園の「紫電改展示館」に保存・展示された。

akitaka narimatu さんが 2016/05/25 に公開
紫電改! 南リク 紫電改展示館

https://youtu.be/mGbhRabeJUU



ちゃんねる雪風 さんが 2019/02/01 に公開
「武藤金義」空の宮本武蔵・・・F6Fヘルキャット12機に単機で挑み2機撃墜「エース・パイロット」

https://youtu.be/UV5n2hCU2go



ありがとうございました。



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