リキッド店に出入りしていると、もしかしてなんとなく目にする耳にする、謎なワードがあるかもしれない。

そのうちの1つ、

「ノーザンソウル」なる謎のワードについて語ってみよう。

断っておくと、その真髄まで探ると、恐ろしくマニアックな世界、

僕自身、そこまでノーザンソウルマニアでは無く、

知らない人のための基礎知識、そして僕解釈も混ぜて語りたい、ので、

もしも生粋のノーザンヘッズ?の方、コレ見たからって厳しいツッコミは容赦して下さいね^ ^


ノーザンソウルは、簡単に訳せば、「北部のソウル」。


コレが勘違いしやすいとこなんだけど、アメリカの音楽であるソウル、北部といえばアメリカの北部と思いがちだけど、

ノーザンソウルの北部は、英国の北部のことなんです。

60年代に勃興し、英国の北部で流行したソウルって事で、イギリス人は、ノーザンソウルと呼ぶ。

まず、流行と言っても、チャラい流行じゃなくて、並々ならぬ情熱を持った流行で、

とても戒律的、独特の厳しい曲のサウンドセレクト眼を持ったシーンなので、

ロンドンのモッズ達のソウルの好みとは差別化して「ノーザンソウル」と呼んだのかも。

だいたいイギリス人は、元々踊るのが好き、

前時代は、ジャズで踊った。

モッズが登場するとソウルミュージックで踊る。

ここ大事だけど、ソウルミュージックは、そもそもダンスするために作られている音楽。

「聴く」、というのももちろんあるけど、「踊る」の方が大事な音楽。

ロンドンのモッズ達もそうだけど、「ストレスの捌け口」として、週末に夜通し踊る、というのは重要、というより「必要」だった。

まして北部といえば、工業地帯や炭鉱の街たったりで、ロンドンのような華やかな娯楽もなく、

労働者といえば、一旦労働者になったら死ぬまで労働者、

そんな絶望???的な現実から逃避するのには、ドラッグを除けば、「踊る」というのは重要かつ必要なこと。

日本にいて、しかも今の時代の目線で理解するには、かなり想像力の要る事ですね。  





北部のソウル好きの連中は、基本的にモッズとは関係ない。

ファッションも基本的にモッズではない。

とはいえ時代はやはりモッズの時代。

クールさを大切にし、洗練を好むモッズの、特に先端的な連中が、
踊れて新しいサウンドを求めた時、

ジャズはちょっと古臭く、簡単には踊れない。ロックンロールはちょっとヤンチャすぎ、

となると、ソウルミュージックはまさにうってつけ。
ソウルミュージックの中でも、黒人音楽独特の泥臭さからより洗練されたサウンドを持つ、「モータウンレーベル」が特に人気。


このモータウンレーベルが、「アメリカの北部」のサウンドだから尚更ややこしいんですね。

アメリカの南部のソウルは「サザンソウル」と呼ばれるのに、「ノーザンソウル」というとイギリス北部を指すってんだから!

このモータウンサウンドは、聴いてみればわかるけど、白人層にもウケるように、綺麗な音でダンサブルでタイトなビート、エレガントなアレンジで出来ていて、

4人組くらいのロックバンドでは再現出来ないようなダンスミュージック。



モータウン 60's界隈クラブ人気曲

マーサ&ヴァンデラス 
heatwave



テンプテーションズ

GET READY







ハッキリ言って、ビートルズというモンスターアイドルが時代ごと席巻しなければ、モータウンレーベルのサウンドはもっともっとメジャーだったと思う。

そのくらい、新しいダンスミュージックだった。

ジャズより新しい、ロックンロールよりエレガント。おまけにめちゃくちゃ踊れる!ま、モッズが好みますね。




さて英国北部では、

労働者の捌け口として必要なダンスミュージックをかけて踊れるクラブもコレまた街の必需品。

お客はもう、その「モータウン的な格好良さ」のソウルでしか踊らない。

そこでレコードをかけるDJ達は、よりレアなレコード、誰も知らないようなマイナーなレコードで客をヒートされることを要求され、大西洋を超えてアメリカ各地まで出向いてレコードを漁るようになる。

そうして持ち帰ったレアなレコードが、まさに英国北部の限られた場所だけでのヒット曲、キラーチューンとなり、

まさに北部独特の深化した(バンド演奏じゃなくて、レコードセレクトね)ソウルサウンドが、まさにガラパゴス化な感じで彩られていく。

もちろん、シカゴなど他の都市の外せないソウルもあるけど、当時の流行の視点ではやはりモータウン。

恐らく、アメリカ本国よりも強い熱でソウルが受けていたのではないか。

すごいのは、70年代に差し掛かって、本場アメリカの黒人音楽の主流が、ファンク、そしてディスコへ(ビートでいえば、8ビート、2ビート、シャッフルから16ビートへ)と変化して行っても、

頑なに60'sのモータウン的なビートを好まれていたこと。

ファンクやディスコは、じっくりとグルーヴしていくビートだが、

ノーザンの連中は、よりハイエナジーでロッキンな60年代の早いビートでないとダメだったみたい。

グロリアジョーンズ

tainted love





70年代後半には、流石にファンクやディスコに寄っていくんだけど。

どれだけストレスの捌け口なんだろう(笑)

かくして、イギリス北部(田舎?)発信源のソウルのムーブメントが誕生する。

そういう「縦深」なソウルへの熱は、ロンドンのモッズ達にも畏敬の念で見られていたに違いない。

ただでさえソウル狂のモッズ達の、さらに上をいく熱で、ソウルのレコードを漁っていた連中だから。

さて現在、

ノーザンソウルを知ろう、ノーザンソウルのレコードを集めよう、なんて思うと、

膨大な知識とお金が要る(^^;

いろんなジャンルを、なんて言わず、脇目も振らずに60年代のソウルに没頭しなきゃとても追いつかない(笑)

モッズと同じ時代、そしてその後も続く英国の熱狂的なムーブメントのひとつとして捉え、

音楽が好きな人は、良いな、と思う曲だけピックして、

ファッションとしては、60'sカルチャーのアイコニックな存在として捉えるのが良い。

ハマったら追求すれば良い。

僕がそうだし(笑)。

むしろ、ノーザンソウルの前に、60年代のモータウンレーベルの曲を聴いてみて欲しいですね。




実際、「ノーザンソウル」としてピックアップされているソウルは、とてもクールでカッコ良く、ダンサブルでテンション上がるので、

ネットで検索すればどうにか買えちゃう、ノーザンソウルの編集盤のCDくらいは、

UKカルチャー及びファッションが好きな人は、

持っていても邪魔にはならないと思うよ^_^

アナログ7インチシングルレコードなどに手を出し、ハマってしまったら…、

天国という名の地獄が待っている(笑)



ノーザンソウルモチーフのTeeシャツ。

リキッド店