いつからだろう…、


モッズのファッションが品の良い御坊ちゃまみたいなイメージになったのは。

僕は、ある出来事で、メディアではなく、ストリート?でモッズの虜になったことがある。


僕がモッズを知り始めた10代の頃は、

ロックファッションは、パンクとかメタルは、一般的な目で見ても「わかりやすい」ものだったので、
そういったファッションに興味が無くても認知はされていたけど、

モッズは、雑誌などのメディアにもほとんど載っていなかったので、謎過ぎるファッション。

日本のロックバンド、THE MODSがテレビCMで流れていたので(激しい雨が)、当時1980年代は、MODSという「言葉」は大抵それで知ったのではないか。

しかし、ザ モッズは、革ジャンスタイルのイメージが強く、いわゆる「モッズのバンド」ではなく、やはりパンキッシュなブリティッシュロックのバンド。

変わった言葉の響きだな、なんかカッコいいな、とは思ったであろう。

そして、よくわからないけど、どちらのモッズにしても、「不良なジャンル」というイメージが刷り込まれていく。







あるきっかけで、モッズというジャンルを知り始めた(そのきっかけについてはとても長くなるので割愛)頃、友人に連れられ、慣れない東京(当時の東京と田舎の格差といったら!)に、

出来うる限りの服で、全く未完成の野暮ったいモッズ風ファッションで、

レコードや服を買いに行った時(僕にとっては大きなイベントだった)、

タワーレコード(新宿、当たり前だけどまだアナログしか売ってない)でレコードをチェックしてたら、、その人物は現れた。

友人が、レコードを見ていた僕を肘でつつき、「オイ、モッズ、モッズ!」




それはもう衝撃的だった。

アーミーパーカーに、ピチピチの黒いジーンズ、尖った靴、金髪の短髪、黒いキャッツアイ風のサングラス、

そして、白いポロシャツの上に「オレンジ色のVネックセーター」を着ていた。

ソックスもオレンジ。

背が高くて、歩き方は威嚇的。

パッと見の印象は、「怖い!」



しかし、とてつもなくカッコ良かった!

東京だからといって、カッコいいモッズに遭遇することは、当時はまだまだレアな出来事なのだ。

当時の水戸には、アーミーパーカーの中に鮮やかなオレンジ色のVネックセーターを合わせる人なんていなかったし、

短髪の金髪もいなかった。

初めて見るセンス!

ヤベーな、コレ!と思った。



真似したかったが、当時はオレンジのVネックセーターはどこにも売っていなかった…。

もうひとつオマケに、同じ頃の地元で。

ライブイベントで、

肩に引っ掛けたアーミーパーカーに、白いシャツに黒いネクタイ、黒いサングラスで、

壁に寄りかかって、演奏しているパンクバンドをガムをクチャクチャ噛みながら睨み据えていた(恐らくバンドが友人だったのだろう)モッズと思われる人物。

あれは誰だったのだろう。

水戸にそんな人いたら、毎日街へ繰り出していた僕らはすぐに目につくはずなのに!

やはり、話しかけられない、近寄り難い雰囲気だった。


思うに、その人達は、パンクとモッズが両方好きだったんだと思う。

正統派のドレスなモッズでは無いけれども、見事なPUNK&MODだった。

そして、当時の雰囲気で言えば、パンクとモッズは同じような括り、モッズは、「パンク的な物の一種」「パンクの別バージョン」みたいな見方だったと思う。

お互い否定しあうような関係性ではなかった。

モッズというジャンルが、90年代に入って、リバイバル→ファッショントレンドになるにつれ、あの「怖くてカッコいいモッズ」「本当の意味のストリートなモッズ」というイメージはほとんどなくなってしまった。

誤解だらけのモッズ…。

僕自身、オールジャンルのショップで働く以上、モッズだけを極めるわけにも行かなくなって(そのことに関しては、むしろ良かったと思っている)、いろんなファッションを試すようにはなった。

が、10代のモッズ体験は、どう志向が変わろうといつまでもこびりついている。

それは、伏し目がちで俯き加減な痩せた坊ちゃん風ではなく、胸を張り、自信に満ちた、近寄りがたくもカッコいいパンキッシュなモッズだ。

僕自身、その「全く未完成の野暮ったいモッズ風ファッション」で、「自分がいちばん進んでいてカッコいい!という錯覚に酔いしれて、用もないのに街を歩いていたもの(笑)。





そんなわけで、

「差し色のオレンジ」が物凄くカッコ良く感じるのは今でも変わらず。


この着方はモッズでも何でも無いけれど、アーミーグリーンにオレンジを合わせる時、

今でも、

あの、30年前の怖くてカッコいい見知らぬモッズのお兄さんがフィードバックするのでありました。