座禅修行をするため、知らない土地の降りた事のない駅で迎えの車を待つオレ。


時刻は迎えの車が来る予定の19時40分より1時間経過の20時40分


携帯の電池が2個になっている。


携帯電話は外部の情報をえられる唯一のもの。


使えなくなったら大変だ。


ここで無駄に電池を使う事は出来ないが、宿坊から連絡が来るとしたら携帯しかない。


ここは電源を落とさずに、こちらからの電話は公衆電話から掛けよう。


駅の改札を出てすぐのところに公衆電話があった。


よかったぜ。都内だったら公衆電話を探すことすら大変だったはず。まだ運は完全に無くなったわけじゃないな。


公衆電話BOXに入ってとにかく宿坊先に電話をかけまくった。


コールは鳴る。でも出ない・・・。


掛け続けて10分が経過。


公衆電話のコールに出る事はなく、ポケットの携帯電話も着信しない。


こいつは本当にまいったな。


いったん駅の改札前のベンチに腰かけるとさっきの駅員さんが声をかけてきた。


「この駅には宿泊できる場所がないから、近くに駅にあるホテルとかに聞いてみたんだけど、どこもいっぱいだって。」


なんていい駅員さんなんだ!!!

困ってるオレを見て、最悪迎えが来なかった時を考えて調べてくれてたなんて・・・。


まだ21時前だけど、田舎の駅。電車はほとんどなくもう都内に出る事も出来ないし、出られる駅には宿泊できる場所はない。


『調べていただいてありがとうございます。そうですか、じゃぁ迎えを待つしかないですね。』


「そうだね。」


もう逃げ道もないのか。


電話するしかオレにできる事はない。


あらためて公衆電話から宿坊先に電話をかける。


やっぱりコールはするが電話には出ない。


すでに時計は21時を指している。


この駅で一泊する覚悟をしないといけないな。


でも最後まであきらめるな、電話をかけ続けるんだ、それしかオレにできる事はない。


虚しく電話のコールを聞き続ける時間を過ごして21時12分、携帯電話のバイブが唸った


見てみると宿坊先からだ!!!


『もしもし、馬場です。』


「ああ、馬場さん。迎えに行く予定でったんですけど車の前に車が停まってて車が出せないんですよ。」


え!?なに言ってんだ??


『はぁ~あの駅でもう1時間30分以上待ってるんですけど。』


「はい。」


『この間、ずっと電話をかけても出られないんでね、ずっと駅で待ってるんですよ。』


「電話を何度もかけたんですけど、出られないんでね。」


そんなことは携帯の着信着歴を見ればわかるよ。


『はい、19時24分に3回着信がありましたね。1分間に3回かけてその後1時間以上放置して、掛け直しての出られないし。どうなってるんですか?』


「ですから、車の前に車があって出せないんですよ。」


『1時間以上電話をかけて来ないし、連絡がつかないっておかしいでしょ。』


「馬場さん、歩いてくるって言ってましたよね。」


『そうですね。』


「じゃぁ歩いて来てくださいよ。」


今さら何を言ってんだ???


『もともと歩いて行く予定で、駅に着いたら道を教えてくれるって話で、駅に着いて電話したら迎えに来ていただけるって話ですよね。しかも駅員さんに聞いたら街灯とか無いから歩いて行くのは無理だった聞いたんですけど。』


「懐中電灯があれば来れますよ。」


『持ってないですね。』


普通、懐中電灯を常備してる奴なんているか!?必要なら事前に言えよ!!!


「じゃぁ今日は無理ですね。」


『え!?何言ってんですか??』


「それじゃぁ来れないですから今日は無理です。」


ブチッ!!!(キレた音ね)


『てめぇ~なにいってんだ!!こちとら迎えに来るって言うから1時間半以上駅で待ってんだよ。
他に泊る場所も無いところで放置ってどうゆうことだよ!!!』


「プーープーープーー・・・・。」


なはぁ!!!


電話を切られた・・・・。


あはっはっはっ。


本当に行き場が無くなっちまった(笑)


こんな事ってあるか?(笑)


おもしれぇ~これが31歳最後に日だ(笑)


あっはっはっ。


続く。