座禅修行をするべく一人旅に出たオレ。


宿坊させてもらう御寺に方に車で迎えに来てもらう話が、待ち合わせ時間より1時間半経過したところで


「迎えに行けない。」「今日泊るのは無理。」


と断られたオレ。知らない土地で途方に暮れているのだった・・・。




そこに電話をしているオレに気づいたんだろうね。駅員さんが駅員室から出てきたから声をかけた。


『電話、つながりました。』


「あ、そうですか?」


『車の前に車が停まってて車を出せないんですって。』


「んん~、変ですね。車を動かしてもれえないんですかね?」


『ねぇ~・・・あの、懐中電灯ってありますか?』


「たぶん、ありますけど。」


『懐中電灯があれば行けるって言われたんですけど貸してもらえないですかね?明日返しに来ますんで。』


もう意地でも行ってやる!そんで一言文句を言ってやりたい!!

「んん~でもね~ホントに真っ暗で危ないからね。」


『難しいですかね?』


「無理だね。」

明るくなってから向かうしかないか・・・。くそっ!

いや、むしろ断った客が朝に来るなんて、どんな顔して迎えるかが楽しみだわ!!


そんな時、ポケットの携帯が再びバイブした。


宿坊先だ!!!


『はい、馬場です。』


「あ、馬場さんですか?前に停まっていた車を動かす事が出来たので今から迎えに行きます。もう20分お待ちください。」


『そうですか、わかりました。』


どうゆう風の吹き回しだ?あれだけ迎えに来ないって言ってたのに・・・。

とりあえず駅員さんに伝えなくては。


『なんか、迎えに来てもらえるそうです。』


「ああ、良かったですね。」


『前に停まってた車を動かせたって。』


「何なんですかね?まぁ~良かった。」


そうゆうと駅員室に帰って行った。


ありがとう駅員さん。あなたが心の支えでした。


心の中でつぶやいた。


今度こそ待てばいい、でも安心しちゃいけない、携帯の電源は入れとこう。


そのまま駅のベンチに座ること20分、ついに迎えの車がやってきた。


車を降りて来たのは坊主頭でメガネをかけ、サムエを着た男だ。


いいか、ここですぐさま食ってかかってはダメだ。

冷静になれ。

今のオレにはこの男について行く以外泊る場所はないんだ。

まずは先方の状況を把握してからだ。

何より迎えに来てくれて人は全然オレとのやり取りを知らない人かも知れない。

オレがやること、それは

【今回の宿代は1円も払えません】

っていつ言うかだ。


車が来た事を駅員さんに告げ、お礼を言って乗り込んだ。


21時40分、予定よりも2時間遅く駅を出発したのだった。


続く・・・。