座禅をする為にでた旅。
長かった宿まで道のりも無事に?辿り着き、夕食、お酒までもいただいて眠りについたオレ。
ガサゴソと動く周りの音に目を開けると、ほとんどの人が起きていて布団をあげている。
もう、座禅の時間なのか?
っと、オレも起き上がり、部屋を出ると仏壇の前にすでに正座をしている人が何人も。
お経をあげる時間なんだな。
部屋に戻って布団を上げていると、お経の声が遠くから近づいてくる聞こえてきた。
慌てて布団をあげて仏壇の前に行くと昨日オレを迎えに来てくれたサムエの男が現れた。
お経をあげる立ち振る舞い、みんなの目線の送りかたから
この人が住職なんだ!
って気がついた。
オレも正座をしてお経をあげる。
まさかサムエの男が住職だったとは・・・迎えに来たのがサムエの男だっただけに勝手に立場が下の方の人だと思い込んでたな。
お経が終わるとサムエの男が
「10分後に座禅の場所に行きますので、トイレなどは今の内にすませてください。」
と、アナウンスしていなくなった。
オレは歯磨きをし、身なりを整えていると出発の時間に。
外へ出るとうっすら明るくなってる。
玄関を出ると10メートル先に階段があり、そこを20段くらい登るとすぐ座禅をする建物があった。
中に入り、廊下の歩く時にの作法、手を合わせて歩き、
座禅修行する部屋へ入る時は一礼してから入り、入ったら一礼する。
部屋の中はかなり広くて横7メートル、縦25メートルぐらいはありそう。
部屋は右と左の壁に腰ぐらいの高さのある台があって、その台の上に座布団が20枚ぐらい並んでいる。
左右両方で40人はいっぺんに座禅修行ができる!!
サムエの男が
「好きなところに座ってください。」
っとアナウンス。
台に上がり、座布団の上で胡坐をかく。
サムエの男が座禅の仕方をアナウンス。
「呼吸は腹式呼吸で、空気をおへその下の方に入れるイメージで行ってください。背筋は頭のてっぺんが一本の糸で釣りあげられているイメージでスッと伸ばします。手は重ね合わせて楽に足の上に置き、目は閉じるのではなくお釈迦様のように薄く眼を開けて2、3歩先の床を見るようにしてください。」
言われた格好になって心を落ちつかせる。
「心を無にして・・・何も考えないようにと思うのではなく、無に。」
「では、私が皆さんの前を歩きますから、叩かれたい方は私が通る時に合掌で合図を送ってください。」
なに!?オレのイメージでは背後をお寺の方が歩いていて、おもむろに肩に木の板を置き、肩を差し出すと叩かれる。
「オレの邪念を見透かされた!?」みたいなのを期待してたのに。
たしかに背中は壁。壁に向かって座禅を組むのはおかしいけども・・・。
さぁ~座禅開始!!
無に・・・無に・・・しかし昨日の迎えに来ないってのはひどすぎるな。
お金を払う気にまったくならない・・・。
いかんいかん!無にならなくては・・・。
でも、昨日お酒を御馳走になっておいて払わないのも・・・
いかんいかん!!無に!!!
まったく集中できない・・・。
あっ、サムエの男が前を通る。
まぁ~とりあえずいいか。
座禅が開始してたぶん10分ぐらいかで5分ぐらいの休憩が入った。
ここで各々リフレッシュしてまた座禅開始。
無に・・・無に・・・。
昨日飲んだメンバーはここの場所が大好きで何回の来てる人もいるだろ。
そんな中「払えません!!!」なんて言ったらどんな空気になるかな・・・。
そんなんオレの知った事かって感じもあるけど・・・。
ぐわぁ~~~
この場所では怒りしか生まれない。
2回目のサムエの男が通り過ぎる。
だいたい昨日ひどい目に合わされたのに叩かれるってもの割に合わないだよな・・・。
いかん、集中力が全くない!!
ここでまた休憩タイム。
5分後、再び座禅開始。
無に・・・無に・・・。
7800円の宿泊代・・・払っても5000円がイイとこだよな。
じゃぁ「すいません、5000円しか払えません!!!」って言ってやるか。
それなら納得できるか???
いや・・・1円も払いたくない!!!
だって、結局は車で迎えに来てはもらったけど、「迎えに行けない、今日は宿泊は無理ですね」って言われて終電もなく、帰るに帰れないし路頭に迷わされた。
あの時の怒りと絶望感。
むしろお金をもらってもいいくらいだよ!!
あっ、サムエの男が通り過ぎる。
そろそろ時間的に座禅自体が終わるんじゃないかって空気だよな。
座禅に来て一回も叩かれないってのはサムイよな。
仕方ない、叩かれるか・・・。
合唱して頭を下げると背中に木の板をトントンっと軽く叩かれたとバシッ。トントン、バシッ!!
左右両方叩かれてた。
思ったより痛いじゃない!?
こうして【無】になるどころか怒りばかりが込み上げて初めての座禅体験は終了したのだった。
続く・・・。