座禅修行をするべく旅に出たオレ。
色々とあったものの無事に?座禅修行を終えたのだった。
修行が終わるサムエの男がオレに寄ってきて
「馬場さん、この後はいくらでも自由にこの場所を使ってもらっていいんでゆっくりしていってくださいね。」
とわざわざ言いに来た。
寺に戻ると朝食タイム。
昨日の夜に飲んだ時Cさんが
「ここの精進料理は本当においしいんですよ。」
って言ってたな。
ここは期待しよう。
台所で御膳に乗せられた物をもらって、自分の宿泊した部屋でいただく。
どうです?
ご飯はで朝にはやさしいおかゆ。
Bさんが言うようにおいしいじゃないか!?
あっという間に食べ終わってしまった!!
一番に食べ終わり、お茶をすすって食べ終わったお膳を台所に持っていくと奥で御寺の身内の方々がみんなで食事をしている。
んん!?
この中に弟がいるんじゃないか!!??
しかし覗いていたら不審に思うはず・・・ここはチラっと覗かなければ。
息を殺して覗いてみると・・・サムエの男やおばあちゃん、来た時に迎えてくれたサムエの男の奥さんなどしか見当たらない。
いない・・・いないぞ!?
おっと、長いは無用だ。ここはいったん去ろう。
そこからは本当に自由行動。
縁側で横になって日向ぼっこうをしながらうたた寝をしたり、座禅場に行って座禅を組んでみたり。
その座禅を組んでるところを写メを撮ろうとしたら携帯の電池が切れて何度も電話をかけさせられた事を思い出し、イライラしたりしながら過ごした。
そんな事は知らずにサムエの男はオレに会うごとに
「馬場さん、ゆっくりしていってくださいね。」
って言ってくる。
逆に居心地悪いわ!!
そんなふうに過ごしていると泊まっていたお客さんが1組、また1組と帰って行く。
このまま居ても座禅以外やることないし・・・居心地もよくないし・・・。
なにより昨日、駅で車を待っていた時に
【○○神社直行バス行き】
とデカデカと書かれた看板があって駅員さんに聞いてみたら
「まぁ~昔は行ったけど、今は行かないな。」
『行ってみる価値ありますかね?』
「行ってみてもいいんじゃない。」
なんてやりとりがあって神社に行こうと思っていたのだ。
ここにいても、もう学ぶ事はない。
(イライラしちゃうから)
同じ部屋に泊まっていた男2人組みが出発するって言うとサムエの男が駅まで車を出してくれるって言ってる。
ここは便乗して駅まで乗せてもらって神社に行くか。
じゃぁ、精算しなくちゃいけないな・・・。
なんて交渉する?
目的の座禅修行は出来たし(全然集中出来なかったが)夕飯にはお酒もご馳走になった。朝食もいただいた。
これで『お金は払えません!』
は、さすがに言えないな。
じゃぁ『5000円しか払えません!』
って言う???
でも、ここが好きだって人がたくさんいるところで交渉しだしたら空気は悪くなるな。
オレが我慢して丸くおさまるなら・・・。
実はオレの精神修行はここで我慢できるかどうかなんじゃないか!?
え~い、ままよ!!!
『すいません、オレも帰ります。お会計お願いします。』
「馬場さん、帰られますか。じゃぁ7800円になります・・・。」
くっ・・・ここは我慢だ!!!
抑えろ、オレ!!!!
っと一瞬間が空くと
「・・・ですか、今回はご迷惑をおかけしたんで6500円で。」
向こうから値引きしてきた!?
でも微妙な値引きだ(笑)
『あ、いいんですか?ありがとうございます。』
いちをね、謙虚に言っておかなくちゃね。
と、財布の中を見てみたら500円が無い。
『じゃぁ7000円で。』
7000円を受け取ったサムエの男が一瞬考え込んで
『6000円でいいです。』
と、オレに1000円札を返してきた。
なんだいなんだい、結局7800円の宿泊代はサムエの男が自分から6000円へと値下げをして終了した。
人間、噛み付くだけじゃなく、【じっと待つ】も必要なんだな。
十分学ばせていただきました。
さて、帰るか。
っと、駅員さんにもらっていた地図を見てみると今いる寺から駅までの距離と目指す神社までの距離が地図上ではほとんど変わらない。
サムエの男に聞くと
『山道はうねってるけどまっすぐ歩いていければ3時間くらいで着きますよ。』
だって。
時間はたくさんあるんだ、これは自力で行くべきでしょ!?
『すいません、やっぱり車で駅まで行かないで歩いて神社に行こうと思うんで、山道の行き方を教えてもらえないですか?』
ってサムエの男に聞くと
「この山道を登って行くと、ここでいったん車道に出るんで、出たら少し左に行くとまた山道がガードレールの切れ間に出てくるんで、そこをまた登って・・・。」
って、教えてくれている声を聞いてると・・・
んん??このしゃべり方・・・昨日の電話の声と・・・同じ???
さんざん座禅修行の説明なんかや話しかけくる時の声、話し方の時は何も思わなかったが、地図を見ながら考え、説明する声、話し方はいままでと違った話し方になり、昨日の迎えに行けないと言った時の話し方と記憶が重なったのだ。
いや、オレの思い違いかも知れない・・・。
しかし弟の姿は来てから帰るまで一度も見ることはなかった。
弟は本当にいたのか???
神社への行き方を最後まで教えてもらい、神社に向かって31歳最後の旅は終了したのだった。
真実は・・・いまだにわからない。
・・・完。