初日公演を観劇後2日経って、色々モヤモヤしたのでここで書いてスッキリしたいと思います。
純粋にミュージカルファンとしての感想です。苦手な方はご注意ください。

 

 

 

 

 

あまりの衝撃度にSNS等で大盛り上がりしているルパン。

 

 

古川雄大さんのかっこよさが存分に生かされてて、帝劇初単独主演の古川雄大さんを全力でお祝いするための作品。
イメージとしては、トップスター古川雄大のお披露目公演に東宝と小池先生がタッグを組んで作ったよ!って感じ。

 

 

 

 

ただ個人的には小池先生も宝塚も得意ではない、むしろ苦手な私にはこの作品肌に合わなくて…。

 

 

ざっとあげるだけでも…
①好きな要素を詰め込んだだけで、設定もストーリーも軽薄な感じがして没入しづらい。
②ストーリー展開があまりにも読め過ぎて、ワクワク感がない。なのにもたついてる。
③カリオストロ伯爵夫人含む女性キャラクターの描き方が前時代的すぎてZ世代の私にはストレス。
④振り付けも動線も人が多くてガヤガヤし過ぎてた。
⑤楽曲もメイン曲こそ耳に残りますが後は…。
⑥箸休め的な3枚目キャラの活かし方が弱すぎる。

 

 

 

ほぼ同額のチケット代だったムーランルージュを思うと、

版権料がかからないオリジナル作品なのにこのクオリティだとちょっとね…。

決してチケット代に文句言いたいわけではなく、純粋に疑問が残ります。
(どこに予算割かれてるのでしょう?ゴンドラ?)

 


ま、別に。
このくらいのクオリティの低さは他にもあるのでまぁいいんです。(この感覚もどうかと思いますが)

 

 

 

 

 

 

ただここまでモヤモヤしてるのは、初日の小池先生の挨拶。

カリオストロ伯爵夫人役の柚希礼音さんを帝国劇場に立たせたかったという発言。

なぁーんだ。やっぱり内輪ノリじゃないか。

柚希礼音さんのカリオストロ伯爵夫人はとっても素敵だったので余計に、すごく残念な気持ちになりました。
結局、小池先生が予算たっぷり使って、お気に入りを集めて、やりたいこと詰め込んだってことだよねって。


あくまで憶測ですが、どんな作品を作っても、トップスターに合っていれば、トップスターが人気であればチケットが売れてしまう宝塚で演出家を続けていらっしゃる小池先生にとって、良作を作ることはそこまで大事ではないのか?と思いました。
自分がやりたいものを人気者を集めて作れば、勝手にファンがついてきて、みんなハッピーって感覚なのかと。


 

ミュージカルブームと言われているものの、まだまだ一般的に観劇文化は根付いてない中。
商業して成り立たせるには、チケットを売ることが最優先なのは致し方ないことだと思います。



それでも、新作ミュージカルとして、一つの作品として、あのチケット代を持ってすれば、、、。

ファンへのプレゼントではなくて、もっと練り込まれた脚本、工夫された演出が作れたことは確実だったはず。

 

 

 

 


だからこそこのクオリティで終わらせてしまったところに残念でなりません。
ましてや日本のミュージカル界の巨匠とも言われる方が。

 

日本のみならず世界中で起きているミュージカルブームの中、世界各国で様々な新作ミュージカルや新演出の登場でミュージカル文化の発展が著しい中で、国内で一番栄誉とされる劇場での完売の公演が作品本体の質は隅に置かれ、推し文化に支えられ、内輪ノリがすぎるこの公演である日本のミュージカル界の現状に改めてガッカリしちゃいました。

 

 

 

 

まとめると古川雄大さんとファンの方のための公演としては最高傑作だけど。
ミュージカル作品としての評価は駄作。

キャスト、スタッフの皆さんは与えられた役目を完璧にこなされていたので余計に勿体無い。

 

 

 


最後に、客席一体となって次々出てくるトンデモ演出にポカンとする時間は後にも先にもできない貴重な経験だと思うし、色々諦めてそのとんでも無さをエンタメとして楽しむ分には面白かったです。

ミュージカルの感想として、色々諦めさせるのを前提にするのがいいのかどうかは置いておいて。