市役所のイルミネーションのアーチが、暗闇の中に浮かびます。
そのアーチを潜りながら、今迄にくぐったイルミネーションののアーチの様々を思い出していました。
神戸のルミナリエが最も心に残っています。
数を重ねていますが、第1回のルミナリエに神戸を訪れた時、ずっと続く電飾の灯りの下で、その下を歩む多くの人たちの声も雑踏も何も聞こえなくて、ひたすら鎮魂と復興に向けての祈りに満ちていたような雰囲気が忘れられません。
その年は年が明ければ、3人の友人とツアーでの小旅行を計画していたのですが、日々報じられる大参事に、心が痛み旅行どころではなくなっていました。
3人で相談して小さな旅をキャンセルして、その旅費を災害の支援に変え、年末には友人と二人で神戸のルミナリエのアーチの下を歩いていました。
以来、5年ばかり続けて年末には神戸のルミナリエに行っていました。
その日には、点灯までの時間に北野の異人館街を訪ねたり,ベイエリヤに足を運んだり、中華街で食を愉しんだり、行くたび神戸の何か違うところをよく歩いたものでした。
その友人も今では、施設に入所して出会うこともなくなってしまいました。



もうすっかり遠い遠い昔話のような元気だったころのことを、よみがえらせて、懐かしいというより、
過ぎ去った日々が、哀しいほど鮮明に思い出すのが、イルミネーションのアーチです。
スケールの違いがあろうとなかろうと、暗闇の中の灯りが、思い出辿りのキーのようなものです。