退職者の会の、人権学習会講演の会場は、橿原市で行われた。5階の会場ロビーの大きなガラス窓を通して、紅葉した畝傍山がすぐ目の前にある。この角度からの畝傍山は一番形がよい。
何処から見ても姿の美しいのは耳成山だと、ふとその美しい山容が目に浮かぶ。
講師先生が「人権週間の意義」について先ず話し始められた時、「人権文化の花を咲かそう」と開口一番仰ると同時に、何もなかった手の中から、この写真の机の上の右端にある赤い花がサット出現して、拍手と笑いが会場に広がった。
これで学習するほうの硬さもほぐれ、講演内容に集中していった。
生活の中にある人権問題をいくつか話されたが、高齢者問題の現状について、次のような詩を朗読された。私にとって初めての詩ではなくてブログでも感動したことのあった詩なので、この日の一番感動的なこととして、次に記しておくことにした。
老いた親から子どもたちへー5月11日(月)のNHK総合テレビジョン「生活ホットモーニング」で、昨年秋発表され話題になっている、“年老いた親から子供への手紙”の歌が紹介されました。
原詩はポルトガル語ですが、作詞者不明でスペイン語から角智識氏が訳し、補足詞と作曲はシンガソングライターの樋口了一です。
手紙―親愛なる子供達へ
年老いた私が ある日
今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私の事を
理解して欲しい
私が服の上に食べ物をこぼしても
靴紐を結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように
見守って欲しい
貴方と話す時
同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末をどうか
さえぎらずにうなずいて欲しい。
あなたにせがまれて繰り返し読んだ
絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも
私の心を平和にしてくれた
悲しい事ではないんだ
消え去っていくように見える私の心へと
励ましのまなざしを向けて欲しい
楽しいひと時に
私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのを嫌がる時には
思い出して欲しい
あなたを追いまわし何度も着替えさせたり
様々な理由をつけて
嫌がる貴方とお風呂に入った
懐かしい日の事を
悲しい事ではないんだ
旅立ちの前の準備をしている私に
祝福の祈りを捧げて欲しいい
いずれ歯も弱り
飲み込む事さえ出来なくなるかもしれない
足も衰えて立ち上がる事すら
出来なくなったなら
あなたが か弱い足で立ち上がろうと
私に助けを求めたように
よろめく私に
どうか貴方の手を握らせて欲しい
私の姿を見て悲しんだり
自分が無力だと思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力がないのを
知るのは辛い事だけど
私を理解して支えてくれる心だけを
持っていて欲しい
きっとそれだけで それだけで
私には勇気が湧いてくるのです
貴方の人生の始まりに
私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに
少しだけ付き添って欲しい
貴方が生まれてくれたことで
私が受けた多くの喜びと
貴方に対する変わらぬ愛をもって
笑顔で答えたい
私の子供達へ
愛する子供達へ
そのほか心の琴線に触れる講演内容はもっとあったのだが、この詩の感動をじっくり味わいたくて今回はこれのみにしておきたい。
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