みたらい渓谷 新緑の中このトンネルの手前の岩場には、白雲木かエゴノキか、という見分けがつかないままに、その花を見によく来ていた。またトンネルの向こうにも、車をこちらに置いたまま、探検気分で歩いたことも度々あった。「みたらい渓谷」の表示の通りその辺りの岩を縫って流れている谷川が、あの紅葉で有名な「みたらい渓谷」だと思い込んでいた。ところが、ところが、「御手洗渓谷」の範囲はそんなものでないことが、この階段を登り、向こうの橋を渡るにつれ、次々に視界に入ってくる渓谷の美しさに感動の場面が展開していった。いくつもの吊橋を渡り、渓谷に沿った散策道の果てるところまで登った。紅葉の頃は、渓谷の彩が華やかに違いないが、新緑の今は、自然の生命の躍動を生み出しているかのようで、静寂だけど希望の光を、全身に浴びているような森の中だった。 フリブール~グリュイエール