「明日の日曜日、お母さん何か予定ある?」
「何も無いよ。」
「突然で悪いけど、高1が、最も田舎らしい写真を撮る課題を学校から持ってきたので、何処かへ撮りに連れて行ってくれる?私も一緒に行くわ」
すぐ頭を掠めたのが、秋に案山子を撮りに行った明日香である。
明日香でも、神社仏閣、史跡や歴史的建造物でないものといえば、日本の原風景そのままの、明日香村稲渕地区の棚田のある場所は、きっと高1の女の子の気に入るに違いないと思った。
キャノンの一眼レフで、白黒フイルム2本撮りきった彼女は、明日学校で焼付けをすると言う。
どんな作品が出来るのか。
祖母、娘、孫三代で、立春の陽射しの春の中をカメラを持って歩いた、思いがけなく楽しい日だった。

