木枯らし一号が吹いた日北西の強い風が、家を揺するように吹く。電線が唸り声を上げている。低い雲が速いスピードで奥吉野の山の方に向かって移動している。真っ赤になった南京櫨の葉っぱが必死に木にしがみ付いている。この強い風に明日まで持つだろうか。「いつ咲くのだろうか」と心待ちにしていた、吉祥草が金木犀のこの下で開花している。低い位置なので風の直撃がない。まだ蕾も沢山見つけた。「いいことがあると良いよね。」雲の流れの隙間から時々太陽が顔を出す。障子がさーっと明るくなる。暖かそう。でも次の瞬間には、映っていた影と共に陽射しがなくなる。木枯らし一号の吹いた日は、この繰り返しだ。