
いつの頃からか、行李が黒い革のトランクに変わっていたが、オジサンの持ってくる中身は同じだった。
オジサンが来ると3人の弟たちと、わくわくしながら、オジサンの広げる品物を見守った。
ほんとは、そんな品物には興味がなかったのだが・・・
母は茶の間から薬箱を持ってくる。
オジサンは、中身を点検しながら、使った分を入れたしたり、残りの薬を新しく取り替えたりしている。
その間中オジサンは、私たちに、あちこちで見てきた面白い話をしてくれるのだった。
薬箱の整理がついた時、
「はい。おまっとうさん(お待ちどうさま)、今日のお土産だよ」
と、紙風船を4人の子供たちに手渡してくれる。
これが、楽しみだったのだ。
ふ~~っと、息を吹き込んで膨らますと掌の上に風船が出来上がる。
「おおきに!」と言うなりてんでにそこを離れて、風船つきに興じる。
そんな、幼い日の思い出いっぱいの置き薬やさんの資料の展示を、ここで見たのはヘルペスでダウンする前だった。
季節に関係がないのでと思い、パソコンの中に仕舞ったままだった。
