わが町散策この町に生まれ嫁ぐ日までを過ごした近所にある古道具屋さんだ。店の中を覗くと、子供の頃よく目にしたものが、所狭しと並んでいる。表の看板代わりに並べている木の車輪は、牛だったか、馬だったか忘れたが、荷車に使われ、運搬の一役を担っていた幼い頃によく見かけたものだ。どこの家にもあった、味噌、醤油、漬物樽。用を果たして道具やさんの店先に見かけるのは懐かしい。架け替えられた新しい欄干の蓬莱橋を渡ると、町中を流れる小川に沿った、屋並の裏が、酒屋さんの蔵の向こうまで見えてくる。元は両岸いっぱいまでの川幅であったが、護岸工事で綺麗に整備されている。このように、町中の目立たない部分が美しくなっていくのはここに住む人達にとってありがたいことに違いない。