何しろ、目的はガラスの茶室でしたので、
他は何も調べずに行ってしまったのですね、
将軍塚青龍殿(しょうれいでん)。

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知識がある方が、色々と深く理解できて良いものですが、
思いがけない出会いがもたらす感動もまた、いいものでした。

ここになんと、国宝の「青不動」が祀られていたのです。
正確には「青不動明王二童子像」
私たちが目にできるのは精巧な複製ですが、
それでも、思いがけない出来事に、打震えておりました。

正座して、心鎮まる空間に身を任せて、
しばらくぼーっと眺めていると、
ガイドさん(タクシーの運転手さんかもしれません)の声が。

「後ろの炎、鳥に見えるでしょう?」
「7羽の鳳凰が描かれているんですよ」

ほ、ほんとだ!
というか、ここまで聞いて、
「あ、教科書に載っていた…?」
と思い出す。

ガイドさん、
「国宝ですからね~」を何回も繰り返す。
「複製です」は0回。(笑)
いいんです。
複製の奥には、重なるように本物があるそうですから。

青不動の隣りには、大日如来の石像が。
顔は、長年風雨に晒されていたのか、ほとんど形を残していません。
そこでまたガイドさんの声。

「お顔、笑っているように見えますか?怒っているように見えますか?」

これは、聞いたことがあります。
仏様のお顔は、自分の心の写し。
笑って見えるとき、心は穏やかで、
怒って見えるとき、心は荒れている。

私は…

笑って見えました。

感動し、和んだところで、
いよいよガラスの茶室へ。

つづく。