母が再び家の段差を超えられなくなった。
私はすごいショックで信じられなかった。
その日、母が段差を超えるまでかなり時間がかかった。
今思うと母にかわいそうなことをしてしまった。
段差を克服したはずだから超えられるはず、と待ってしまったのだ。
母はどれほど疲れただろう…バカな私…
私は急に昭和の古い歌を思い出した。
しあわせは歩いてこない だから歩いてゆくんだね
一日一歩三日で三歩 三歩進んで二歩さがる
「三百六十五歩のマーチ」だったかな…
子供の頃は何で二歩さがるんだ?と笑ったが今聞くと
とても深い歌詞だ。
せっかく進んだのにさがってしまうことってあるよね…
認知症じゃない人だって高齢じゃない人だってそういうことってある。
母だって逆戻りしたって別にいいのだ。
私は早速、玄関前の廊下にキャスター付の椅子を一つ置いた。
そこは時々母が超えられなくなる段差のあるドアの前。
この前みたいに超えられなくなっても椅子に座って段差をまたいで
立ち上がれば段差は自然に超えている。
今度は廊下に椅子を置いてあるからただちにレスキューできる。
このキャスター付きの椅子すごくかわいい。
使わないときは鉢植えの花でも飾ろうかな。
のんびり行こうね。

