謹慎の場所は…日本遺産の学校 | 平成の仙臺四郎のブログ

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前回「日本100名城」のスタンプを押してもらった「弘道館」

ここは…水戸藩第9代藩主・徳川 斉昭公が藩政改革の一つで開設したという水戸藩校

敷地内には…約60品種およそ800本の梅が植えられていて “梅の名所” としても知られている
「水戸市観光物産協会」HPでは…今月1日時点で開花率は86.3%

本瓦葺きの正門は…藩主が来館する時など特別な時以外は開けられなかったとかで 今でも年に数日しか開けられない
(偶然にもこの日はその数日の一日だったようだ)

「弘道館」は…
水戸藩士やその子弟が15歳で入学できる (入学試験あり)
40歳以上になると登校は自由だが  文武両道を重視するために卒業はない
生徒数はおよそ1,000人で武士の位によって 出席日数が15・12・10・8日登校分けられていたので全員が揃うことななかったとか
学ぶ学問は…儒学や礼儀・歴史・地図・天文・数学・和歌・音楽など
武芸は…剣術や槍・柔術・兵学・鉄砲・馬術・水泳など

入ってすぐの諸役会所  来館者の控えの場所には…力強い大きな文字で“尊攘(尊皇攘夷)” と書かれている
これは開設した水戸藩第9代藩主・徳川 斉昭公の命で藩医で能書家の松 延年が書いたものとか

奥に進んで来ると…「正庁」の中の正席の間
ここは…藩主が臨席して学問の試験の様子や対試場で行われる武芸の試験を見たり 儀式などが執り行われたという

「弘道館」の建学の精神は…
【神儒一致】【忠孝一致】【文武一致】【学問事業一致】【治教一致】の5項目


敷地内には…文館や武館・医学館・天文台・馬場や調練場・砲術場・孔子廟や八卦堂・鹿島神社まであり 総合的な教育施設で敷地面積は約100ha  全国一の規模を誇る藩校だったとか先生も文館に35人  武館38人  医学館10人 他にも“手添え” と呼ばれるいわゆるアシスタント的な人が150人ほどいたとか

まるで細長い部屋のように見えるここは…十間畳廊下
藩主の警護にあたる家臣が控える場所で  長さが10間 およそ18.2mあったので名付けられたとか
先程の「正庁」と「至善堂」を見たり結んでいる

ここが「至善堂」の御座の間
政権を朝廷に返した「大政奉還」のあとに 最後の将軍である慶喜公が ここで4ヶ月ほど謹慎生活を送ったそうで その後静岡に移った

掛け軸の拓本は【大和乃道存  行末毛  富美奈太賀幣  蛸島 要部里家流】
“日本古来の道徳は永久に変わらないことであるから  日本人であるならばこの道を踏み違えることがあってはならない”
という意味

往時の雰囲気を少しでも伝え残すために展示物はほとんど置かれていない
また…NHK大河ドラマ「徳川慶喜」で実際に撮影に使われたという

ちなみに…慶喜は5歳から11歳までここで教育を受けたとかで子どもの時から才気を発揮していて父の斉昭公も期待を寄せていたとか

比較的見逃しだがである畳縁にも“葵の御紋” があしらわれている

そんな「弘道館」は…
「近世日本の教育遺産群~学ぶ心・礼節の本源~」の構成文化財として…2015(平成27)年4月に
日本遺産に登録されている

入館料は¥200  開館時間は9:00~17:08