自衛隊の法的地位を直視しない「自衛隊明記改憲論」は欺瞞である
2019.03.23
志葉玲
軍事法廷のない自衛隊が、現地で事件・事故を起こせば外交問題に!?
1991年のペルシャ湾への掃海艇派遣依頼、カンボジア、イラク、南スー
「現代の戦争では、軍人が敵対勢力に拘束された場合でも、拷問・虐待・殺害をされないよう国際人道法で捕虜としての人道的待遇が保障されます。ところが日本では、安保法制の国会審議で当時の岸田文雄外務大臣は辻元清美議員の質問に対して『自衛隊は捕虜になれない』と答弁しているのです。これを認めてしまうと、憲法問題になるからでしょう。
しかし、国際人道法を適用せず、捕虜になれないということは、最悪の場合は死刑となる恐れもあります。国際人権法の視点からすれば自衛隊は軍隊そのものであり、自衛隊員も捕虜としてその待遇が保障されると観るべきでしょう」
PKO派遣しても、迷惑がられる可能性も
自衛隊に現場で対応させるのには、もう限界がある
南スーダンの首都ジュバで起きた大規模戦闘。このとき、自衛隊は幸い巻き込まれずに済んだが……
岩本教授は「PKO活動に自衛隊を派遣するなら、相応の法整備、制度作りが必要」と語る。 「例えば海難審判所のように、最高裁のもとに自衛隊の事件・事故を扱う専門機関を設けることも可能でしょうし、軍法のような、自衛隊の活動に対応した刑法の整備が必要でしょう。PKO派遣を推進する政府与党も、護憲派の野党も無責任です。改憲も含めたPKO派遣のための法整備・制度設計をするか、あるいは批判も覚悟で一切海外派遣しないか。そうした論議もなく、派遣される自衛隊に現場で対応させるには、もう限界でしょう」
取材・文/志葉 玲 写真/産経新聞社 時事通信社
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アメリカでさえ、一国での防衛は難しくなったとも言われる現在、憲法の想定が現状に合わず対処に問題が出てきたら、憲法の解釈を歪めるのではなく、世界中の国がそうであるように、憲法の方を変えるのが本筋でしょう。
しかし洗脳の解けない国民はいつまで経っても常に「なぜ今急ぐのか?」と現状維持を望みます。
戦後70年もあったのに変えようとすればいつも「なぜ今急ぐのか?」と言って改正を阻止し続けている間に手遅れになってしまった今現在においても「なぜ今急ぐのか?」の一点張りの拒否です。
第9条(1項) 《戦争の放棄》
日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
第9条2項 《戦力の不保持》
前項の目的を達するため、陸海空軍のその他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
憲法を素直に読めば自衛隊は違憲に決まっています。
それを改憲が許されないから憲法の「解釈」で苦しい対応をしている政府を責めるのが国民としての正しい選択でしょうか?
いざというときは「超法規的にやれ!」というのが正しい態度でしょうか?
日本が丸腰であること(負けること)を望むようなサヨクの人は論外ですが、そうでない人はせめて万一の場合に自衛隊員が「死刑」になることがないように・・・ということくらいは考えるべきではないでしょうか?
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【産経・FNN合同世論調査】改憲自体は賛成、自民案国会提出は「反対」
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が13、14両日行った合同世論調査によると、自民党が24日召集予定の臨時国会に憲法改正案の提出を目指すことについて「反対」(48.3%)が「賛成」(42.9%)をわずかに上回った。憲法改正自体は賛成が反対を上回っており、改憲に賛成でも議論は慎重に進めるべきだという相反するような結果になった。