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新宗教の信者数は30年間で4割減、創価学会をも襲う「構造不況」

週刊ダイヤモンド編集部 

JIJI、AFP=時事

 

『週刊ダイヤモンド』10月13日号の第1特集は「新宗教の寿命」です。今特集では、現代の新宗教界を象徴する3教団、創価学会と立正佼成会、そして真如苑に加え、存亡の危機にある主要教団のビジネス(布教)戦略を明らかにし、そのカネと権力、政治のタブーに迫ります。その特集から、宗教界全体が直面する“構造不況”とも呼べる状況を解説した記事を、ダイヤモンド・オンラインで特別公開します。

 

 創価学会の実権は、原田稔会長や谷川佳樹主任副会長ら「四人組」と呼ばれる執行部が握っている。執行部は例年、池田大作名誉会長の誕生日の1月2日に、池田氏が療養中とされる東京・信濃町の学会施設に“池田詣で”を行うのが慣例だ。

 

 ところが今年、かつてない異変が起きた。「執行部の面会が初めて池田家側から拒否された」(池田家に近い関係者)というのだ。

 

 目下、その解釈をめぐって、二つの見方が信者たちに流れている。

 一つは、2010年5月の本部幹部会出席を最後に表舞台から姿を消した池田氏が、執行部と面会できないほど体調が悪化した、という見方である。

 

 そして、もう一つが、池田家と執行部の間に“亀裂”が生じ始めた、というものだ。執行部は近年、創価大学派閥など池田家に近いと目されていた側近などを次々と“粛清”する一方、学会の憲法に相当する「創価学会会憲」を昨年制定し、組織運営から教義に至る全権を原田会長に集中させるなど、“池田外し”ともいえる動きを加速させている。それを不快に感じている当の池田氏側が面会を拒否したというのである。

 

 「今の執行部は池田先生をあまりにないがしろにしている」──。

 

 そう悔し涙をにじませるのは、池田氏直属の親衛隊「転輪会(てんりんかい)」所属の古参信者だ。詳細は本誌記事に譲るが、池田氏本人と日常的に接してきた転輪会メンバーがメディアに口を開くのは極めてまれだ。

衆院選に続き
沖縄県知事選も大敗北の公明党

 こうした池田外しの背景にあるのは、卒寿(90歳)を迎えた希代の“カリスマ”池田氏の喪失に向けた組織固めだ。9月8日、機関紙「聖教新聞」で四半世紀にわたり連載された池田氏の小説『新・人間革命』が完結を迎えたことは、「時代の終わりが近い」ことを信者たちにあらためて実感させた。

 

 新宗教最大の教勢を誇る学会の足元では今、高度経済成長期に入会した会員のボリューム層が高齢化し、その自然減や世代間における信仰の断絶といった、構造的問題が顕在化している。

 

 その最たる例が、学会を母体とする公明党の苦境に表れている。昨年10月の衆議院議員選挙では比例得票数で700万票を割り込み、6議席を失う惨敗となった。さらに、およそ5000人といわれる学会活動家を本土から送り込むという、党を挙げての“総力戦”となった9月30日の沖縄県知事選挙でも敗北を喫した。

 

 衆院選敗北から1年。学会では目下、来夏の参議院議員選挙を視野に信者の引き締めを図るべく、執行部に異を唱える一般信者にまで“首切り”の嵐が吹き始めている。執行部を批判した会員を除名するだけではなく、地区幹部の役職解任や「査問」という名の“脅し”をかけられる一般信者が全国で急増しているというのだ。これらは身内に寛容とされる学会において、前代未聞の変化だ。