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米国は通貨で韓国に「お仕置き」する

1997年「通貨危機」のデジャブ

鈴置 高史

鈴置 高史

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2018年9月17日(月)

1997年12月、通貨危機に見舞われた韓国・ソウルで、株価ボード前に座り込んで疲れた表情を見せる投資家の男性(写真:ロイター/アフロ)

 

真田 幸光(さなだ・ゆきみつ)
愛知淑徳大学ビジネス学部・研究科教授/1957年東京生まれ。慶応義塾大学法学部卒。81年、東京銀行入行。韓国・延世大学留学を経てソウル、香港に勤務。97年にドレスナー銀行、98年に愛知淑徳大学に移った。97年のアジア通貨危機当時はソウルと東京で活躍。2008年の韓国の通貨危機の際には、97年危機の経験と欧米金融界に豊富な人脈を生かし「米国のスワップだけでウォン売りは止まらない」といち早く見切った。

 

前回から読む)

 愛知淑徳大学の真田幸光教授に朝鮮半島の行方を聞いた。「米国は韓国を通貨でお仕置きする可能性が出てきた」と真田教授は読む。司会は日経ビジネスの常陸佐矢佳・副編集長。

 

■イランの核が最優先                   

――トランプ(Donald Trump)政権は北朝鮮の非核化への関心を失った、と見る人がいます。

真田:関心を失った、というよりも優先順位を落とした、というべきでしょう。

 

 現在、米政府の最大の関心事は中国とイラン。そしてそのイランについては、トランプ政権に強い影響力を持つイスラエルが「とにかくイランの核開発をやめさせて欲しい」と強力に米政府に訴えているからです。そこでトランプ政権はイランを全力で叩きに出ています。

 

 ドイツ駐在の米国大使が、はっきり言えば大使ごときがフォルクスワーゲンなどドイツの主要企業のトップを集めて「イランと取引を再開するんじゃないぞ」と脅しました。

 

 ドイツ企業はもちろん、多くの世界企業が再び乗り出そうとしていたイランでのビジネスをあわててやめました。

 

 ドルの威力です。基軸通貨であるドルを使った決済を米政府に妨害されたら、グローバル企業はやっていけません。前回お話しした「中国へのいたぶり」も、根はここにあります。

 

 もし人民元が基軸通貨に育っていたら、ドルを使っての脅しは効きません。「ドルを決済に使わせない」と言われた世界の企業は「じゃあ、人民元を使います」と言い返せばよくなるのです。

 

 基軸通貨にならないよう、米国は今のうちに人民元を叩く必要があります。米中が覇権争いを始めた以上、当然の話です。両雄は――ドルと人民元は並び立たないのです。

■秀吉の「中国大返し」                                       

――話を戻すと、米国は北朝鮮よりもイランの核を先に処理するということですね。

真田:その通りです。そこで米国は軍事的に圧迫していた北朝鮮といったん和睦したのです。秀吉の「中国大返し」です。

 

 備中高松城を水攻めにしていた秀吉は本能寺の変を知るや、城に籠る毛利方と和睦。直ちに京都にとって返して明智光秀を倒しました。

 

 米国は北朝鮮への水攻め――合同演習など軍事的な圧迫は解きました。ただ、兵を引いている間に北朝鮮が悪さをしかねない。

 

 「動くな」と牽制しておく必要があります。中国に対し通貨戦争を仕掛けている理由の1つには、北朝鮮への牽制があると私は見ています。

 

 中国を圧迫しておけば、北朝鮮への露骨な経済援助はできない。すると北朝鮮は、核やミサイル実験を容易には実施できません。

 

鈴置: 8月29日にトランプ大統領がツイッターで「北朝鮮が非核化しないのは、米国と対立する中国が後ろで糸を引いているからだ」と語りました。中朝に対し「国連制裁に違反して取引などするなよ」と牽制したわけです(「北朝鮮の核武装を望む韓国」参照)。

 

 ただ今や、北朝鮮の核武装を助けるのは中国よりも韓国。文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮の石炭輸出を幇助した疑いが持たれています。

 

 9月14日に開設の南北連絡事務所のためとの名分を掲げ、北朝鮮に石油を送りもしました。いずれも国連制裁違反です(「北朝鮮の核武装を望む韓国」参照)。

 

■本性を現した文在寅政権               

真田:米国は「石炭」以上に「南北連絡事務所」に神経を尖らせています。この事務所の開設は開城工業団地の再開が目的です。北朝鮮は開城工業団地を起爆剤に工業近代化を進める計画です。

 

 北が韓国のバックアップで経済力を付け始めれば、トランプ政権が示している経済協力というエサが実効性を持たなくなる可能性がある。非核化など、どこかへ行きかねません。

 

鈴置:北朝鮮は日本に「対話の輪から取り残されるぞ」と、しきりに言ってきます。「孤立したくないならカネを出せ」ということです。韓国に続き、日本も資金パイプにしたいのです。

 

 南北関係の改善を名分に対北援助に動く文在寅政権に対し、米国は警告を発しています。しかし文在寅政権は馬耳東風。

 

 9月7日には、文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官がはっきりと「非核化より関係改善が重要」と語りました。韓国では、文在寅政権の本音を語ると見なされている人です。

 

 朝鮮日報の「文正仁『非核化に全てが隷属すれば南北関係も北朝鮮の変化も難しい』」(9月7日、韓国語版)から発言を拾います。

  • 非核化は重要だがそれに全てが隷属すれば、南北関係も上手くいかないし、朝鮮半島の平和体制もならないし、北朝鮮の経済的な変化も難しい。

 さらに以下のようにも述べ、露骨に北朝鮮の肩を持ちました。

  • 非核化と朝米国交正常化は時間的にほぼ同時に進むのかもしれないが、個人的には朝米正常化を思いきって先に実施すべきと考える。

 非核化を進める前に米朝が国交を正常化すれば、北朝鮮は非核化に応じる動機を失います。北はこれまで何度も非核化の約束を破り、米国などの譲歩を食い逃げしてきました。

 

●非核化の約束を5度も破った北朝鮮
▼1度目=韓国との約束▼
・1991年12月31日    南北非核化共同宣言に合意。南北朝鮮は核兵器の製造・保有・使用の禁止,核

                              燃料再処理施設・ウラン濃縮施設の非保有、非核化を検証するための相互査察

                              を約束                                                                                                      
→・1993年3月12日    北朝鮮、核不拡散条約(NPT)からの脱退を宣言                                           

 

▼2度目=米国との約束▼
・1994年10月21日    米朝枠組み合意。北朝鮮は原子炉の稼働と新設を中断し、NPTに残留すると約

                             束。見返りは年間50万トンの重油供給と、軽水炉型原子炉2基の供与              
→・2002年10月4日    ウラニウム濃縮疑惑を追及した米国に対し、北朝鮮は「我々には核開発の資格

                              がある」と発言                                                                                           
→・2003年1月10日    NPTからの脱退を再度宣言                                                                        

 

▼3度目=6カ国協議での約束▼
・2005年9月19日    6カ国協議が初の共同声明。北朝鮮は非核化、NPTと国際原子力機関(IAEA)の

                           保証措置への早期復帰を約束。見返りは米国が朝鮮半島に核を持たず、北朝鮮

                           を攻撃しないとの確認                                                                                  
→・2006年10月9日    北朝鮮、1回目の核実験実施                                                                    

 

▼4度目=6カ国協議での約束▼
・2007年2月13日    6カ国協議、共同声明採択。北朝鮮は60日以内に核施設の停止・封印を実施し  

                            IAEAの査察を受け入れたうえ、施設を無力化すると約束。見返りは重油の供給 

                           や、米国や日本の国交正常化協議開始                                                          
・2008年6月26日    米国、北朝鮮のテロ支援国家の指定解除を決定                                             
・2008年6月27日    北朝鮮、寧辺の原子炉の冷却塔を爆破                                                          
→・2009年4月14日    北朝鮮、核兵器開発の再開と6カ国協議からの離脱を宣言                            
→・2009年5月25日    北朝鮮、2回目の核実験                                                                            

 

▼5度目=米国との約束▼
・2012年2月29日    米朝が核凍結で合意。北朝鮮は核とICBMの実験、ウラン濃縮の一時停止、IAEA

                            の査察受け入れを約束。見返りは米国による食糧援助                                    
→・2012年4月13日    北朝鮮、人工衛星打ち上げと称し長距離弾道弾を試射                                 
→・2013年2月12日    北朝鮮、3回目の核実験                                                                            

 

 

■トルコ危機に怯える                                         

――米国はそんな韓国を放置するのでしょうか。

真田:いざとなれば通貨を使って「お仕置き」すると思います。1997年のアジア通貨危機の際、韓国ウォンが売り浴びせられたのも、当時の金泳三(キム・ヨンサム)政権が米国との関係を極度に悪化させていたのが原因と国際金融界は見ています(「米国は日韓スワップを許すか」参照)。

 

 そして今、再び通貨危機の足音が響いてきました。新興国からマネーが逃げています。同時に新興国の国債などの空売りも始まりました。1997年のデジャブです。

 

鈴置:1997年に限りません。これまで韓国に反米政権が登場するたびに、米国は通貨を使って警告を発してきました(「『懲りない韓国』に下す米国の鉄槌は『通貨』」参照)。

 

 今回も米国の「韓国を通貨で脅す」動機は十分です。米国の非核化への努力をこれほど露骨に邪魔し始めたのですから。

 

 米国人牧師の拘束問題で米国と対立したトルコのリラが暴落したのを見て、韓国人はひやりとしました。中央日報は8月16日、「トルコ危機、韓国も安心できない」(日本語版)との社説を載せました。日本語を手直しして引用します。

  • トルコ危機が対岸の火事で終わるとは限らない。過去のアジア通貨危機と米国発金融危機がそうだったように、通貨危機は急速に波及する。トルコ危機は新興国の為替市場の不安に油を注いでいる。
  • 米利上げが本格化すれば、経済が脆弱な新興国から資本が流出する。アルゼンチン・南アフリカ・メキシコ・ブラジル・ロシアが通貨不安定に直面した理由だ。
  • 外貨による負債が多い韓国も安心できない。韓国の国内総生産(GDP)比の外貨負債は41%にのぼる。トルコ(70%)・ハンガリー(64%)・アルゼンチン(54%)ほどではないが、いつでも危険が転移するおそれがある。

 この社説は米韓関係の悪化には触れていませんが、文在寅政権の「北シフト」は激しくなるばかり。普通の韓国人が読めば「米国の報復」に思い至ります。

 

■まだ勘違いする韓国人                 

真田:トルコを見てようやく危機感を持つとは、韓国人の勘違いも甚だしい。米国にとってトルコは極めて重要な国です。中東での軍事力展開にトルコは欠かせない。

 

 トルコも米国との関係を決定的に悪くするハラはない。ただし、中東の雄として格好を付ける必要がある。イランやサウジアラビアなどのライバルから「米国に弱腰」とバカにされないためにも、トランプにファイティングポーズをとらねばなりません。

 

 いずれ米国とトルコは「おとしどころ」を見つけるでしょう。市場もそう見ていますから、リラの暴落も限定的であり、それにはどこかで歯止めがかかると思われます。

 

 さて韓国。トルコと比べ、韓国は米国にとって軍事戦略上、重要な国ではない。はっきり言えば「なくてもいい国」です。そんな国との関係に米国は強い神経を払いません。

 

 そうした視点から、いったんウォンが売られ始めれば、歯止めがかからない可能性があります。韓国人はまだ、自分たちの立場を勘違いしています。

 

■同盟を失う国からカネは逃げる                         

――韓国人はいつまで勘違いするのでしょうか。

鈴置:ようやく、一部の人々が「見捨てられ」に気が付いたところです(「『米韓同盟消滅』に焦る韓国の保守」参照)。

 

 トランプ政権が北朝鮮の非核化と引き換えに、米韓同盟廃棄を提示するなど「見捨てられ」が可視化したからです。

 

 米韓同盟がなくなるとの認識が広がれば、韓国のマーケットは一気に不安定になるでしょう。米国との同盟を失う国におカネを置いておく人はいません。

 

 経済面でも韓国は他の新興国にはない、通貨危機の要因を抱えています。少子高齢化により、生産年齢人口の比率が2018年頃にピークアウトしました。これから経済のバブル部分が一気にはげるでしょう。

 

 ドル金利があがってもウォン金利を追従させにくい構造でもあります。家計の借金が積み上がっているため、下手に利上げすれば景気の足を引っ張るうえ、不良債権を増やすからです。

 

 これはもちろん金融システム不安を呼びます。それを恐れてウォンの利上げに二の足を踏めば米韓の金利差から、資金逃避が起きかねません。

 

 頼みの綱の外貨準備も4000億ドルと韓国銀行は号していますが、ウォン売りに対抗し投入できる「真水部分」はその30%程度と市場は見なしています。外準のかなりの部分が、利回りはよいもののすぐには売れない怪しい債権に化けていると推測されるからです。

 

■日本とスワップを結ぼう                                    

――文在寅政権は「米国が通貨を使って脅してくる」と分かっているのでしょうか。

鈴置:大統領自身は分かっていると思います。経済は全くの素人です。が、盟友の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権がスタートする直前に米国が韓国の格付けを落とすことで恫喝してきたと回顧録『文在寅の運命』に記しています(「『14年前のムーディーズ』に再び怯える文在寅」参照)。

 

 露骨に北の核武装を幇助すれば、米国に通貨危機を起こされると大統領自身は警戒しているでしょう。親北派が中核を占めるこの政権に対する唯一の歯止めが、通貨危機への恐怖だと思います。

 

――では、韓国はどうするのですか?

鈴置:日本と通貨スワップを結ぶ手があります。すでに韓国の財界はスワップ締結を求めています。韓国政府も「2トラック」と称し暗に要求し始めました。

 

 歴史問題では日本攻撃の手を緩めないが、それ以外では協力しよう――スワップは結べ、という虫のいい要求ですが。

 

■義のない国は助けるな                                     

真田:安倍政権はそんな要求は受け入れないと思います。先ほど鈴置さんは北朝鮮を食い逃げ国家と呼びましたが、これまでの日本に対する仕打ちを見ると韓国も同じです。

 

 日本にスワップを付けてもらったとたん、韓国は掌をかえして日本の足を引っ張ってきました(「5年前、韓国は通貨スワップを『食い逃げ』した」参照)。

 

鈴置:「年表・スワップを付けたら卑日」をご覧下さい。日本からスワップを得た李明博(イ・ミョンバク)政権が、その後一気に「卑日」に転じたことがよく分かります。

 

●年表・スワップ後は「卑日」に邁進した李明博政権

2011年10月19日    欧州金融市場の動揺でウォンが下落したのに対応、日韓通貨スワップ枠を130億

             ドル相当から700億ドル相当に増額(2012年10月末までの時限措置)        
2012年8月10日    李明博大統領、竹島に上陸
2012年8月13日    李大統領、青瓦台での国会議長らとの昼食会で「国際社会における日本の影響力

            は以前のようではない」と発言
2012年8月14日    李大統領、韓国教員養成大学で「日王が韓国を訪問したいのなら、独立運動で犠 

            牲になった人々に心から謝罪すべきだ」と発言                       
2012年8月17日    竹島問題に関連した野田首相の親書を「『竹島』には行ったことがない」として韓国

            外交部は受け取りを拒否                                    
2013年1月3日    ソウル地裁、靖国神社に放火した中国人を政治犯として釈放。ソウルの日本大使館

           にも火炎瓶を投げ韓国で逮捕されていた                           

 

 そもそも慰安婦合意を韓国政府が反故にしたので、日本政府はスワップ交渉を凍結した経緯があります(「『百害あって一利なし』の日韓スワップ」参照)。

 

真田:普通の国は助けられたら恩義に感じるものですが、韓国は逆です。義のない国です。そんな国を日本は助けてはいけません。

 

 1997年の通貨危機では日本は最後まで韓国を助けた。というのに韓国人は「日本がドルを貸しはがしたから通貨危機に陥った」と言って回る。日本は恩をあだで返されたのです(「『人民元圏で生きる決意』を固めた韓国」参照)。

 

 米国も今の状況下では簡単に日韓スワップは認めないはずです(「米国はいつ『韓国放棄カード』を切るのか」参照)。それを許したら「米国はそんなに怒っていない」と韓国は考え、ますます北の核武装幇助に走るでしょう。

 

 そして、何よりも日本政府は、日本の国益に適うと認められない限りは、韓国に対して、スワップをつけてやる必要はないと思います。

 

ロシアこそが友邦                                            

――結局、北朝鮮の非核化は可能なのでしょうか。

鈴置:「表・北朝鮮の非核化の行方」で言えば当分、シナリオⅢとⅣの間で引き合いが続くと思います。米国はⅢをおとしどころと考えている。しかし北朝鮮は、自前の核の傘を維持するⅣに持って行きたい。

 

真田:最悪の場合――北朝鮮にとってですが、核を手放すと国際金融界は見ています。軍事力で脅されたら、核弾頭も核施設も放棄せざるを得ないからです。

 

 ただその時も核開発に携わった北朝鮮人の技術者は温存する。いざとなれば北朝鮮独自で核開発を再開できるようにしておくわけです。

 

鈴置:潜在的な核保有国ではあり続ける作戦ですね、日本と同様に。でも、とりあえずは核を持たないわけですからその時、北朝鮮は誰の核の傘に入るのでしょう?

 

真田:ロシアです。「表・北朝鮮の非核化の行方」のシナリオⅠでは「中国の核の傘を確保」とありますが、私はロシアだと見ています。北朝鮮は中国を一切、信用していません。中国も北朝鮮を信用していません。

 

●北朝鮮の非核化の行方

シナリオ  北朝鮮は誰の核の傘に入るのか? 韓国はどうする?
中国の核の傘を確保          米韓同盟を維持
米国と同盟・準同盟関係に入る    米韓同盟を維持
半島全体が中立化し、国連や周辺大国がそれを保証
自前の核を持つ 北朝鮮の核の傘に入る

 

 

 

鈴置:中国は金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を温存していました。

 

 いざとなれば、金正恩委員長の「差し替え」にするつもりだった。だから北朝鮮は正男氏を暗殺したのでしょう(「弾道弾と暗殺で一気に進む『北爆時計』の針」参照)。

 

真田:そもそも北朝鮮という国を作ったのはソ連です。初代の金日成(キム・イルソン)主席はソ連軍の将校出身です。いまだにロシアと北朝鮮の軍の関係は深い。

■関係が悪いから会談する                                 

――金正恩委員長は年中、習近平主席と会談しています

真田:関係が悪いから直接会わねばならないのです。一方、プーチン大統領とは電話で話すだけでコミュニケーションがとれる。それほど深い仲なのです。

 

鈴置:9月18日から2泊3日で文在寅大統領が平壌を訪問し、金正恩委員長と会談します。年内に米朝首脳会談が開かれるとの観測も浮かんでいます。

 

真田:これから朝鮮半島情勢が大きく動くかもしれません。予想外の展開もありえます。日本は目を凝らす必要があります。

 

(次回に続く)