【米国】9,000km/hで飛行する砲弾で弾道ミサイルを迎撃するシステム開発へ | にゃんころりんのらくがき

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弾道ミサイルを迎撃する防空システムとしてPAC-3THAADなどがありますが、これらはミサイルにより行われています。一方、アメリカは新しい防衛システムとして極超音速で放たれる砲弾で迎撃するという構想を発表しています。

 

アメリカの民間シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)によると戦力構築戦略室(SCO)は新たな防衛システムとして9000km/hで発射される『超高速発射弾(HVP)』というタイプの砲弾をテストするとしています。
 

CSISによるとこのシステムは高価で高性能なミサイルに取って代わるものではないものの安価で機動性があり新しい防衛システムの一つとして追加することができるとしています。コストは約300万ドル(約3億3000万円)とのこと。


HVPプログラムマネージャによると従来の
THAAD等のミサイル防衛は「脆弱で柔軟性がなく高価である」と説明しており、こちらは砲弾を使用することと既に配備されている装備を改修することで運用することが可能だとしています。



HVPは機動性を必要としない船舶や地上ターゲットを目標に開発されました。具体的には2016年2月に試作品による初試験を行い、2017年8月の時点で実戦配備に近づいていると報じられています。2016年時点では精密誘導された砲弾は160kmの距離をわずか72秒で着弾。砲弾の最高速度は8,000km/hに達したとされています。

▼HVP(上から5インチ砲、155mm榴弾砲、レールガン用)
HVP

詳細は不明なのですが、この砲弾は艦艇であれば一般的な5インチタイプの艦砲から放つことができ、陸上であれば既に配備されている155mm榴弾砲を扱える兵器を改修することで安価に防衛手段を構築することができるとしています。

これまでのミサイル防衛は高価なミサイルを数発発射しほぼ1回で迎撃するよう開発されています。一方、HVPによる防空システムは
命中率は低くても安価な砲弾を複数発射することで迎撃する確立を高めているとのことです。