科学者が警鐘! 赤道の収縮で、2018年は大地震が倍増か | にゃんころりんのらくがき

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2017.11.21

 

【緊急警告】2018年はM7超大地震が「今年の3倍」発生することが判明! 米科学者「地球の自転が遅くなっているのが影響。過去データも」の画像1
画像は「Daily Mail」より引用

 今年(2017年)もメキシコ地震、中国・九寨溝地震、イラン・イラク地震、チベット自治区での地震などM7クラスの地震があちこちで発生したが、来年はさらに多くの地震が世界各地を襲うと科学者らが警鐘を鳴らしている。英紙「Daily Mail」(20日付)が報じている。

 

 米コロラド大学のロジャー・ビルハム氏らによると、今年は現在までに6つの深刻な地震が発生したものの、「比較的イージーな年だった」とのこと。それというのも、2018年は今年の3倍、20ものM7超地震が発生する見込みだというのだ。

【緊急警告】2018年はM7超大地震が「今年の3倍」発生することが判明! 米科学者「地球の自転が遅くなっているのが影響。過去データも」の画像2
画像は「Thinkstock」より引用

 ビルハム氏らによると、地震活動の活発化は自転の減速と強い相関関係があるという。どういうことだろうか? ご存知のように地球は完全な球体ではない。自転によりそれまで回転方向に引っ張られた楕円形をしている。つまり自転が遅くなればなるほど、回転方向に引っ張る力が弱まり、赤道半径が短くなっていく。ところが、たとえ地球そのものの形が変化しても、地下に埋まっている構造プレートのサイズは変わらない。このミスマッチが地震を誘発するというわけだ。

 

「地球の自転と地震活動の相関関係は強いため、来年は強い地震が多数発生することでしょう」(ビルハム氏)

【緊急警告】2018年はM7超大地震が「今年の3倍」発生することが判明! 米科学者「地球の自転が遅くなっているのが影響。過去データも」の画像3画像は「Thinkstock」より引用

 

 

 来年は月の潮汐力の関係で地球の自転がわずかに遅くなると予測されている。遅延は、1日に100万分の1秒程とのことだが、ビルハム氏らによると、それだけのわずかな違いでも地震活動には大きな影響力を持つという。もちろん、潮汐摩擦(潮汐によって海水が移動する際、海底との間に生じる摩擦力)による自転の減速は珍しいことではないが、減速速度は一定ではない。

 

 また、ビルハム氏らが20世紀においてM7超地震の発生が25~30%増加した5つの時期を特定したところ、この時期は自転の減速と軌を一にしていたというのだ。特に赤道に近いカリブプレートでは、1990年以来起こったM7超の地震の80%が、自転の最大減速から5年以内に起こっており、来年から5年間は30ほどの強い地震が起こる恐れがあるという。

【緊急警告】2018年はM7超大地震が「今年の3倍」発生することが判明! 米科学者「地球の自転が遅くなっているのが影響。過去データも」の画像4画像は「Daily Mail」より引用

 

 一方、自転と地震活動の相関関係に懐疑的な地質学者もおり、彼らによると、確かに地震活動が特に活発な時期は過去100年間にあったが、他の要因がより強く関係している可能性があると指摘している。

 

とはいえ、いつか地震の完璧な発生原因を突き止められるとしても、現状ではビルハム氏らの研究が魅力的に映る。最大の地震は赤道に近い熱帯地域で起こる可能性が高いとのことだが、かといって日本が安全ということではない。赤道に近い九州地方での大地震の発生を懸念する声はすでに日本の科学界の中でもある。来年は今年以上に警戒しておいた方が無難だろう。いざという時のために、今から防災用品をしっかり備えておきたい。
(編集部)

参考:「Daily Mail」、ほか

 

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科学者が警鐘! 赤道の収縮で、2018年は大地震が倍増か

Hilary Brueck

 

Jan. 28, 2018, 03:00 PM

 

  • 地質学者たちは2018年、大きな地震が2017年の約2倍発生すると予測している。
  • なぜなら、地球の自転速度がやや低下し、赤道を微妙に収縮させているからだという。
  • 赤道が収縮することで、構造プレートが押し合いになるため、地震が頻発しやすくなる。

2018年に入って、世界各地で地震が相次いでいる。

これまでで最も大きな地震は1月23日の早朝(現地時間)、アラスカ湾の沖合約174マイル(約280キロメートル)の海底で発生した。地震の規模はマグニチュード7.9だった。

 

そのわずか3時間前には、インドネシアのビヌアンゲウン(Binuangeun)の海岸から25マイル(約40キロメートル)と離れない場所で、マグニチュード6.0の地震が発生。この地域は「環太平洋火山帯」と呼ばれる、地震と火山噴火の多発地帯だ。

 

この2回だけではない。今年は大きな地震が続いている。1月23日現在、マグニチュード7.0以上の地震はアラスカを含め、すでに3回発生している。これほど大きな地震は、2017年には7回しか起きていない。

科学者たちは、地球の自転速度の低下が、近年、世界で地震が増加している一因ではないかと言う。

あなたは気づいていないかもしれないが、今、地球は少しのんびりしている。2011年以降、通常より数千分の1秒遅いペースで自転しているのだ。

 

地球の自転周期は絶えず変化している。海流や大気の変化だけでなく、地殻の下のマントルやさらにその内部にある核の影響を受けるためだ。地質学者のロジャー・ビルハム(Roger Bilham)氏とレベッカ・ベンディック(Rebecca Bendick)氏によると、自転速度の低下により、2018年は少なくともマグニチュード7.0以上の地震が2017年の2倍以上発生する可能性がある。

構造プレートの押し合い

コロラド大学で地震の研究をしているビルハム氏はBusiness Insiderに対し、自転速度が数年にわたって遅れると、その間に地球の内部が収縮すると語った。それに合わせて赤道も縮むのだが、構造プレートはそうはいかない。

 

収縮した赤道に合わせてスリムになるのではなく、互いに押し合うのだ。

イラクの被災地

崩壊した建物の中をのぞき込む男性と子ども。イラクのダーバンディカンでは2017年11月、マグニチュード7.3の大地震が起きた。Ako Rasheed - Reuters

 

 

わたしたちがこれを地上で感じるまでには、時間がかかる。だが、高周波地震の発生が少ない状態で5年が経つと、このプレートの押し合いの影響が、世界中で感じられるようになると、ビルハム氏は言う。同氏は、2018年から2021年の今後4年にわたって、毎年平均20回の大地震が発生すると見ている。

 

自転速度が低下するこの現象は、活動中でない地震を誘発するものではないが、一部でさらなる張力と圧力を加え、特に地震多発地帯で、地震を頻発させるとビルハム氏は言う。

より多くの地震に備える

モンタナ大学で地質災害を研究するベンディック氏は2017年、ビルハム氏とともに、地震が頻発する可能性が高いことを警告するレポートを書いた。だが、彼らの最新の研究結果は審査中だ。

 

同氏は、地球の自転が常にあらゆる理由で変化することを覚えておくことが重要だと言う —— 嵐や積雪、海流のパターン、全てが影響を及ぼす可能性がある。

 

だが、過去117年の地震の記録は、我々が現在経験しているような特殊な10年単位での自転速度の低下に、プレートの動きが左右されやすいことを示唆していると、ベンディック氏は言う。これは恐らく、「リソスフェア(地表から上部マントルの低速度層のはじまる深さまでの比較的硬い層。岩石圏やプレートと呼ばれることも)やマントル、核の相互作用」のためだろう、と同氏はBusiness Insiderにメールで語った。

 

自転の減速がもたらす影響を最も強く感じられるのは、インドネシアのような赤道付近の場所だろうと、研究者たちは考えている。インドネシアでは少なくとも4つの異なる構造プレートが交差しており、23日に発生した地震の震源地も、赤道から500マイル(約800キロメートル)以内にある。

 

アメリカでは、マグニチュード5.0以上の地震のうち、75%がアラスカで発生している。

研究者らは、地震多発地帯の都市計画の担当者や政治家が彼らの警告を聞き入れ、早急に建物の耐震補強や緊急対策の改訂を行ってもらいたいと話している。また、家族や友人など愛する人たちと災害の備えについて話すよう、人々にアドバイスしている。

 

ベンディック氏は言う。「簡単にできる備えをしない理由はない」

[原文:We could see twice as many big earthquakes this year, scientists warn — because the equator has shrunk

(翻訳:Ito Yasuko/編集:山口佳美)