アメリカから恫喝された黒田日銀の狼狽 | にゃんころりんのらくがき

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今回の急落が深刻である理由=藤井まり子

日銀の追加緩和見送りを受けて日本株式市場は急落。単なる見送りではなく、黒田日銀は「次回の追加の金融緩和策」さえも示唆しませんでした。事態はもうちょっと深刻です。(『藤井まり子の資産形成プレミアム・レポート』藤井まり子)

意気揚々とWSJのインタビューに応えていた黒田氏はどこへ?

日銀“逆バズーカ”で急速な円高・株安が進行

4月28日、日銀は「追加の金融緩和」を見送りました。これを受けて、日本株式市場は急落。日経平均にして624.44円、マイナス3.61%の急落です。

黒田日銀が次回6月の追加の金融緩和に含みを持たせての「4月の追加の金融緩和」を見送ったのであれば、これほどの急落にはならなかったのですが、そうではないのです。

【特集・黒田ショック】 急速な円高株安、連休明け1万6000円割れも

黒田日銀は「次回の追加の金融緩和策」さえも示唆しませんでした。事態はもうちょっと深刻です。

シカゴ日経平均先物円建 15分足(SBI証券提供)

米ドル/円 15分足(SBI証券提供)

支離滅裂だった黒田総裁会見

28日の記者会見で始終憔悴しきっていた黒田日銀。

記者会見中(生放送で私はじっくり眺めていました)、黒田日銀総裁は始終、憔悴しきった様子で、しおれきっていました。これほど「覇気のない黒田日銀」の記者会見を眺めたのは初めてです。

発言内容もひどく支離滅裂。黒田氏はもともと「一貫性のない人」ですが、これほど発言内容が支離滅裂な黒田氏を眺めたのも初めてです。

つい10日ほど前に、意気揚々とWSJのインタビューに応えていた黒田氏とは、とてもじゃないけど同一人物には見えませんでした。それほど、黒田日銀は憔悴しきっていました。

黒田さん、前日27日に、アメリカから圧力を受けてしまったんだ…誰の目にも明らかでした。

「アメリカ国内の景気回復が思わしくないから、すなわち、アメリカ経済に減速懸念が出てきたから、すなわち、アメリカは引き続き『対円でもドル安』を必要としているから、日銀は28日の『追加の金融緩和』を見送るように」と、急きょアメリカ政策当局から強い圧力を受けたらしいことは、火を見るよりも明らかでした。

黒田日銀の記者会見を生放送で放映していた日経CNBCも、28日は、いつもと放送の仕方が違っていました。

いつもならば記者会見と同時並行で、井上哲也氏(NRI研究員)の詳細な解説が入るのですが、今回だけは違っていた。井上哲也氏の解説もありませんでした。専門家が解説しようにも、言っていることが支離滅裂なので解説しようがないです。専門家の解説は控えるようにと、前もって日銀から日経CNBCへ申し入れがあったのかもしれませんね。

アメリカの減速懸念

折しも、前日の27日には、アメリカ・イエレンFOMCが金融政策を発表しています(今回は声明文だけでイエレンFRBの記者会見はなし)

この27日のイエレンFOMCの声明文によれば、

国際金融情勢には落ち着きがみられるものの、アメリカ国内の経済が減速し始めている。各種の統計からは、アメリカ経済が二度目の利上げ着手に耐えられるような状態ではない。

「6月の利上げ」は遠のきました。アメリカ経済の減速懸念が急浮上しているのです。

「緩やかな成長」→「経済活動は減速したとみられる」

すなわち、今回27日のFOMC声明文は、大いに注目すべき箇所で、いくつかの変更がなされています。国内経済情勢について、「緩やかな成長」が継続としていた箇所が、「経済活動は減速したとみられる(slowed)」と下方修正された点が注目されます。

アメリカでは、4月28日に発表される第1四半期のGDPが冴えない数字になることが予想されています。FOMCも、直近のアメリカ経済の成長率のスローダウンをとても懸念しているようです。

「家計支出の拡大」についても、「(より)緩やかになった(hasmoderated)」と変更されています。アメリカの家計は実質所得は増えているのですが、ここのところ支出が減っています。

インフレに関しても、前回の「最近、インフレ率が上昇した」との表現がしっかり削除されています。FOMCも、直近のインフレ率低下を懸念しているようなのです。

「アメリカ経済の減速懸念」を、27日のイエレンFOMCの声明文が保証したことになります。株式市場は調整する可能性が高いです。

海外リスクについての警戒感は後退

ただし、今回のFOMCは、国際金融情勢についてはこれまでの警戒感をいくばくか後退させています。

前回3月FOMCの「世界の金融経済情勢が引続きリスクを提起する(pose risks)」という表現は削除されて、「世界の金融経済情勢を詳細に(closely)モニターする」との表現に置き換えているのです。

こうした変化の背後には、

  • 乱高下は激しいものの、「原油価格の底入れ」が明確になったことで、中東などの産出国の経済・金融に対する「過度な懸念」が後退したこと
  • 中国の「債務バブル再燃」「インフラ投資再開」について、国際社会が広く認識するようになったこと

などなど、「年初の国際金融市場の不安定性」が解消し始めた点が挙げられるでしょう。

この春夏は、新興国減速懸念は遠のいたものの、先進国経済の減速懸念が急浮上してきたのです。「伊勢志摩サミット」の成功が待たれるところです。
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米、監視対象に日本初指定=為替介入をけん制

時事通信 4月30日(土)5時34分配信

 【ワシントン時事】米財務省は29日、主要貿易相手国の為替政策を分析した半期為替報告を公表した。

 多額の対米貿易黒字などを抱える日本や中国、韓国、ドイツ、台湾を為替政策の「監視リスト」に初めて指定。円の対ドル相場については「秩序立っている」として、日本の安易な市場介入をけん制した。

 外国為替市場では円高・ドル安が急速に進行し、29日の海外市場では約1年半ぶりに1ドル=106円台前半を付けた。米政府が日本の為替介入に否定的な見解を示したことで、今後は円高がさらに進む可能性がある。

 監視リスト指定は2月に成立した貿易円滑化・貿易執行法に基づく措置。自国通貨安を誘導する介入を繰り返す国などを監視する。米政府の指摘に従わなければ、制裁を科す可能性がある。日本は中韓独とともに、対米貿易黒字と経常黒字額の大きさが問題視され、指定された。 
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>「アメリカ国内の景気回復が思わしくないから、
>アメリカ経済に減速懸念が出てきたから、
>アメリカは引き続き『対円でも
ドル安』を必要としているから、
>日銀は28日の『追加の金融緩和』を見送るように
と、
急きょアメリカ政策当局から強い圧力を受けたらしいことは、火を見るよりも明らか


アメリカの身勝手さにはいつも辟易とさせられます。
自分たちは
好きなだけ緩和しておいて、しかも基軸通貨の恩恵を享受している分際で、
たかが120円で嫌がらせとは、ちと器が小さ過ぎやしませんか?ってんだ。


そもそもアメリカの景気改善は誤魔化しではないのかと疑ってはいました。
そうやって国際金融資本はもうひと儲け企んでいるんじゃないかと。
そして行き着く先には手の施しようもない大暴落が待っている。

どうやらアメリカの寿命も強欲資本主義と共に尽きる最終コーナーに来たようです。

「後は日本が引き受けますから心置きなく内乱なり分裂なりしながら萎んでいってください」と、いつでもキッチリ言えるように日本もしっかり準備しておかなければなりませんね。