勉強会のメルマガより


【だから油断が出来ない】

夏目漱石の代表作「こゝろ」に

こんな一節があります。

「平生はみんな善人なんです。

少なくともみんな普通の人間なんです。

それが、いざといふ間際に、

急に悪人に変わるんだから

恐ろしいのです。

だから油断が出来ないんです。」


漱石の作品は、人間の本性を

赤裸々に著したものが多いですね。

多くの人が共感するのも頷けます。

人間はみな、自己中心な心を持っている。

だから「いざ」という時、

隠していたはずの

自分でも忘れていた

ゾっとする本性が出てしまうのでしょう。


「さるべき業縁のもよおせば、

 いかなるふるまいもすべし。」『歎異抄』


「あのようなことだけは絶対にしないと、

 言いきれない親鸞である」との告白です。


縁さえくれば、いかなる振る舞いもする、

巨悪をひそませる潜在的残虐者が

「私」ではないでしょうか。

その本当の私の姿を

うつしてみせる鏡のようなものが仏教なのです。

勉強会では、詳しくお話していますので

関心のある方は

実りの秋に仏教を学ばれては如何でしょうか?

皆さんのご参加をお待ちしております。