埋没法における瞼板法と挙筋法の危険性についても理解しておく必要があると思います。
瞼板法→瞼板で糸を固定する
挙筋法→筋肉で糸を固定する(瞼板よりも上に位置している)
一定の技術水準をクリアしている形成外科専門医の一つの見解をまとめていきたいと思います。
★取れにくさ
糸を筋肉で瞬きのたびに引っ張られる挙筋法は瞼板法よりも取れやすいのは容易に考えられる。糸が経年的に緩んでしまうので、修正ありきと考えておいた方が良いです。
★デザイン
幅広二重を作るなら留める位置が高い挙筋法、自然な幅であれば瞼板法が向いています。
幅狭い奥二重を作るなら挙筋法ではできないですし、9ミリとか幅広い二重を作るなら瞼板法では難しいケースも多いです。
★瞼板法の危険性
糸を結ぶ際に強く結びすぎれば瞼板が変形します。
瞼板が変形すれば、眼球と瞼板が密着しないので、瞼のごろごろ感につながったり、眼球が傷ついてしまうリスクがあります。
★挙筋法の危険性
糸が眼瞼挙筋腱膜とミュラー筋を貫通するのですが、このミュラー筋をいじることが最大のリスクと考えられます。切らない眼瞼下垂手術のタッキングでもミュラー筋をいじることがあるのですが眼瞼痙攣になったり眼瞼下垂症になったりあまり良いことがないです。
早期であれば、埋没糸の抜糸で改善できることもあるかとは思いますが、眼瞼痙攣については厄介で、抜糸しても治らない症例が多いので、執刀医では修正で傷にお手上げ状態になってしまい、たらい回しにされることも懸念されます。
また、最近症例が多い自然癒着法についても、複雑に糸が絡まっていて瘢痕がたくさんついてしまうので、修正は厄介で別料金になることが考えられます。