鼻中隔延長術=Septal Extension Graft=SEG
は以下のような考え方です。
鼻中隔軟骨に軟骨を移植
↓
鼻中隔の支持性を先端まで延長させる
↓
鼻尖の位置を希望の位置に固定する
鼻中隔延長術が日本で登場する前までは、
・鼻尖形成(スーチャーテクニック)=糸で鼻先を変化させる方法
・オンレーグラフト=鼻先に軟骨を乗せる
・インプラント挿入=L型プロテーゼ
これらの選択肢しかなく、いずれも土台が弱い日本人の鼻については向いていないことがあったわけです。
鼻先に軟骨が弱い患者さんの場合、鼻尖のコントロールが難しく、オンレーグラフトを含む鼻尖形成だけでは正気的な効果・持続が期待でいないことが歴史的にあったわけです。そこで鼻中隔延長術が普及したのです。
鼻柱下降術は鼻中隔延長術ではなくて、ストラット法といわれるものになります。
こちらも鼻中隔に固定源をもたないので持続性が弱く、簡易版の鼻フルとも指摘されています。
使用する軟骨の特徴をまとめます↓
・鼻中隔軟骨
大きさ★☆☆☆☆
厚み★☆☆☆☆
柔らかさ★★★☆☆
デメリット:L字に残される土台が弱くなる、採取できる量が小さい
・耳介軟骨
大きさ★★☆☆☆
厚み★★★★☆(2枚重ねると厚い)
柔らかさ★★★★☆
デメリット:デコボコがあり目立つこともある
・肋軟骨
大きさ★★★★★
厚み★★★☆☆
硬柔らかさ★☆☆☆☆
デメリット:採取が難しい、硬い、ワーピング変形
難しい手術で専門性が高く求められます。鼻中隔延長術を習得していて、さらにベテランの形成外科専門医の下で治療計画を立てることを推奨いたします。