脂肪豊胸ができる人とできない人がいる。
痩せ型の体型の方は採取する脂肪量が少ないので、脂肪注入法での豊胸手術は向いていないといわれている。
脂肪注入ができる可能性のある人というのは、
・BRCA1/2 遺伝子変異がないこと
・家族に乳癌歴がないこと
・手術前の検査で乳腺組織内の病変確認で異常がないこと
が対象となります。
できる限り合併症を低くして脂肪移植を行うためには、低圧脂肪吸引と遠心分離のシステムが選択されることが多くあります。ただし、最新の研究では、遠心分離の段階で撮った脂肪が壊れてしまい生着率が低くなってしまうといった報告も出てきています。
脂肪注入の分野はまだまだ治療法が確立していなくて、発展途上の段階にあるのかと思います。
コンデンスリッチ豊胸が良いのか、ピュアグラフト豊胸が良いのか、ライポライフが良いのかなどまだまだ確定的となる結果が出ていませんので、病院ごとにポジショントークになっている可能性が非常に高い分野です。
美容外科学会で報告されている手術後12か月~18か月時点での脂肪移植の定着率は62.4%で、片側平均339ccの総注入量に対し、12か月後の計測で216.2ccが容積増加していたとのデータがあります。
また脂肪吸引のシステムに大きく結果が左右され得るのかなというのが、手動式吸引が79%定着・機械式吸引が61%定着となっている興味深いデータもありました。
脂肪豊胸はシリコンバッグ豊胸以外の選択肢としては有効ですが、やり方を工夫した方がより良い結果になることが分かります。腫瘤・痛みが残る・血種・気胸などの合併症も報告されておりますので、脂肪移植の見識が深いドクターでフォローアップもちゃんとできる病院のもとで 手術を計画されることをお勧めいたします。