「独自のスタイルを持つことは、タイトル獲得以上の価値がある。」

08-09 UEFA Champions Leagueを生え抜き11人とともに 戦い圧倒的な攻撃的サッカーを貫いて優勝したバルセロナ。そのカンテラ(下部組織)は、ヨハン・クライフがその監督就任時にその礎を築いた。

彼が植えつけたポリシーは、「最年少から最年長のチームまで、すべてトップチームと同じサッカーをすること。」

(サッカーマガジンより)


さて、我らがガンバはどうか・・・。


西野監督がバルセロナのサッカーに心酔しているのは有名な話。ショートパスをつないで攻撃的なスタイルは、まさにバルサのそれだ。もちろんゴールに結びつくレベルの差はまだ大きいが、Jリーグの中でもっとも「スタイル」という言葉がはまり、毎シーズンそれを続けているのもガンバであることは間違いないように思う。


バルセロナも常に優勝しているわけではないが、そのスタイルを捨てない。ロマーリオ、ストイチコフ、グアルディオラを擁したドリームチーム、若きロナウドが驚愕のプレーを見せていたチーム、リバウド+オランダ人で固めたチーム、ロナウジーニョが輝いたチーム、どれもこれも「バルサっぽい」。

でも波はあった。波があったもバルサのスタイルという確固たるものがあれば、迷わず進むことができる。そのスタイルは下部組織から脈々と引き継がれるDNAであり、また時間をかけて体に染み込んでいくものなんでしょう。


ガンバの今シーズンの優勝はほぼ無くなったが、ここで目先の勝利のためにスタイルを変えてはいけない・・・・のでしょうね。クラブはこれから先もずっと進んでいくのだから。

でも、サポとしてはですね、遠藤・明神・橋本・二川が天の配剤で同一チームで同じ時期にピークを迎えつつあるこのときを逃すと、しばらくは我慢の日々を過ごさなければならないと、思っているわけです。

そのピークがまさに今シーズンだったのでは、と。


今シーズンは今年で終わり。しかしクラブは永続的でなければならない。もちろん日本を代表するビッグクラブとして。そのためには、ガンバのスタイルを継承する若手を育てる責任がクラブに、そして西野監督にはあるはず。

名古屋遠征には宇佐美も参加しているようです。

スタイルを変えず、同時に、勝利を求め、若手を育成する。これをすべて両立できてこそ、真の名監督ですぞ、西野さん!!



ところで、ガンバユースは今シーズンは不調のようだが、西の競合であることは間違いないし、多くの名手を生み出してきた。サッカーマガジンによると、Jクラブの中で、下部組織から最も多くのプロ選手(現役に限る)を輩出しているのは、ガンバ大阪東京ヴェルディだそうだ。その数実に38人!ガンバではそのうち28人がトップチームに昇格した。日本代表を最も多くの選手を送り込んでいるのもガンバとのこと。素晴らしい!!

ガンバに所属しているのは、橋本、二川、寺田、安田、倉田、下平、宇佐美、他計13人。

他のチームでがんばっている選手もすごい。宮本(神戸)、大黒(東京V)、新井場(鹿島)、児玉(清水)、井川(川崎)、家長(大分)、稲本(レンヌ)・・・。今をときめく本田(VVVフェンロ)もガンバユースだもんねえ。


ユース出身選手だけでもすごいチームができまっせ。

4-2-3-1で組んでみました。


        大黒

 宇佐美   二川   本田

     橋本   稲本

新井場  井川  宮本  児玉

        木村


(SUB)木下・安田・下平・丹羽・倉田・家長・寺田


ちょっとディフェンスがつらいけど、これけっこういけると思わへん? Jリーグでもけっこういい戦いできるような気がします。

サブもけっこう豪華。でもガンバに所属している選手がたくさんいるのは、僕自身が彼らをイマイチ信用してないってことのあらわれ?まあ、新井場のところは最近の下平ならOK(安田はダメよ)だし、寺田は宇佐美に負けないようにがんばって欲しい。家長だって順調に行けば(ちゃんと走れば)本田と争う選手だろう。大塚もいるし。

FWが足りまへん。これが特徴です。日本の特徴でもあるけど。

ガンバの攻撃的なスタイルはこの仮想チームでも十分やれそう。つまり西野監督のスタイルではなく、ガンバのスタイルとして浸透していると考えてもいいのかもしれない。

しかしそのスタイルはゴールと言う結果があってはじめて意味を持つ。ところがガンバの場合、その達磨に最後の目玉を入れるのは常にブラジル人ストライカー。Jリーグがスタートしてからも代表のFWの軸は常に高校サッカー部出身。中山、城、高原、柳沢、玉田、岡崎・・・。


ユースの目標⇒トップチームに送り込む選手の育成⇒技術がない選手はふるい落とされる⇒技術がある選手は中盤に集まりがち


高校サッカーの目標⇒選手権やインターハイに出場しそこで勝つこと⇒選手は限られているため多少技術的に難があってもその選手の特徴を引き出す⇒点を取ることだけがうまい選手でもOK⇒いいFWが生まれる


多少強引な理論ですが、あたらずとも遠からずか。


う~む、これは日本サッカーの問題で、ガンバのスタイルの話からかなりずれてしまいました。





クライフのお言葉、再掲。

「独自のスタイルを持つことは、タイトル獲得以上の価値がある。」

西野監督の川崎戦後のインタビュー、再掲。

「違うスタイルで求めようとは思っていない。今のやり方をやり抜きたいと思っています。」


名文句となるか。それは今シーズン残りの試合にかかっている。


フォルツァ、ガンバ!!