第68期名人戦A級順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の最終9回戦の5局が2日、東京・将棋会館で行われ、三浦弘行八段(36)が郷田真隆九段(38)を破って今期の成績を7勝2敗とし、羽生善治名人(39)への挑戦権を獲得した。三浦の名人挑戦は初めて。七番勝負の第1局は4月8、9日、東京都文京区の椿山荘で行われる。

 三浦は群馬県出身で、92年にプロ入り。95年の棋聖戦で羽生に挑んで3連敗したが、96年に再挑戦。当時、7タイトルをすべて持っていた羽生を3勝2敗で破り、「7冠の一角を崩した新鋭棋士」と注目された。97年に棋聖を失冠。タイトル戦への登場はそれ以来、13年ぶりとなる。

 東京からかなり離れた群馬県高崎市に住み、「研究は1日10時間」という“将棋一筋”の姿勢から、「平成の(宮本)武蔵」と呼ばれたことも。棋聖獲得1期の他に、新人王戦とNHK杯で各1回優勝。A級には連続9期在籍している。

 ◇井上が降級

 一方、井上慶太八段(46)が3勝6敗となり、B級1組への降級が決まった。A級通算3期の井上は2度目の降級。もう1人の降級者は佐藤康光九段(40)で、8回戦で決定していた。【山村英樹】

 ▽三浦八段の話 A級では大逆転の将棋が多かった。でも、2日制の七番勝負で逆転は望めないでしょうから、悪い将棋にならないように心掛けます。

(左が勝ち)

高橋九段 88手 谷川九段

(6勝3敗)(5勝4敗)

佐藤九段 85手 丸山九段

(2勝7敗)(5勝4敗)

森内九段 89手 藤井九段

(5勝4敗)(3勝6敗)

木村八段 150手 井上八段

(5勝4敗)(3勝6敗)

三浦八段 142手 郷田九段

(7勝2敗)(4勝5敗)

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