避弾経始(ひだんけいし)について | 乗りものオタのブログ

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乗りものオタのブログ-避弾経始の説明画像
とある戦車に取り付けられた装甲の断面図
装甲(赤い部分)の厚さは100mmだが、水平方向に砲弾が命中すると
200mmの装甲を施したのと同じ防御力を発揮するように取り付けられている


分厚い装甲に守られた敵の戦艦や戦車に対して発射された砲弾が目標に着弾し、そのあとどのような仕組みでダメージを与えているか、皆さんは考えたことがあるだろうか
分厚い装甲に守られた目標の場合は、その装甲を突き破り、突き破った後に砲弾が爆発することで、ダメージを与える事が出来る
燃料タンクやたくさんの弾薬が詰まった弾薬庫に引火させて目標を破壊したり、乗組員に被害を与えて戦闘不能にするのだ

もちろん攻撃を受ける側としては、そのような事態をなるべく避けたい
それには、装甲を強化して突き破られないようにするしかない
しかし、装甲を強化することのデメリットとして、重量が増加する
重量が増加してしまっては、サスペンションやトランスミッションなどの足回りを強固にしなくてはならないためコストが膨れ上がってしまい、足回りが重量に耐えられなければ兵器としての実用性や信頼性を損なう
そのデメリットを解消する一つの方法、もしくはより強固な兵器にする設計の手法として避弾経始(ひだんけいし)というものがある


上の写真は、とある戦車に取り付けてある装甲のカットモデルである
100mmと表記されている所から白線が赤い断面に引いてあるが、これは100mmの厚さがあるという意味であ
つまり、砲弾がこの装甲に垂直に当たった場合はその砲弾100mm以上の貫通力があればこの装甲を貫通出来る
しかし、装甲の断面に対して斜め方向にも白線が引いてあるが、大抵のケースでは相手の戦車から放たれた砲弾はこの白線の角度と同じ角度で装甲に当たる。その角度で当たった場合は砲弾に200mmの貫通力がないと貫通できない。なぜなら水平から30度の角度で取り付けてあるためである


直角でない角度で装甲に砲弾が当たると実際の装甲の厚み以上の貫通力が必要になる。この原理のことを「避弾経始」という。

砲弾が水平よりほんの少し下を向いた状態、もしくは水平の状態で装甲に当たることが多いため、垂直に装甲を張っている戦車は避弾経始を発揮しにくいが、装甲を傾斜させる設計にすることで避弾経始を発揮するようになり、実際の装甲厚よりも更に大きな効果を発揮する事が出来る

避弾経始の原理を使った設計をすると、「より薄い装甲でも、ある一定の防御力を保てる」・「以前の設計よりも強固にできる」などの利点があり、実際に避弾経始を活用した兵器が数多く登場している

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