さて、最終試験の「模擬がんサロン」はいよいよ我が班の発表の番。
ファシリテーターの僕から全てが始まるので、にわかに緊張して来ます!
まずは設定の説明から。
「ここは看護師のいる病院内に開設されたがんサロン。参加者の自己紹介を終えて、正にこれから話が始まるところです。我が班は、参加者の背景や事情に関してほぼノンフィクションで参ります。」
僕が口火を切り、我が班の発表が始まりました。
最初はテーマに設定したAさんの事例から。
「兄が2ヶ月前に手術をしたのですが、先日の検査で転移が見つかってしまいました。それからというもの引きこもりがちになり、治療にも消極的で、何より笑わなくなりました。何か力になりたいのですが、どうしたらいいか分かりません。」
この事例を軸に、それぞれの参加者が自分の経験を元に話を続けます…。
かわさん>「僕らがん患者にとって再発や転移は一番恐れるところです。そうなってしまったらそのショックは大変大きいもので、落ち込むのも無理はないですよね。でも一方では、精神的に前向きにいることががん治療には大切なことでもありますが…?」
Bさん>「実は私も術後3年にして再発を告げられました。でも年老いた母を在宅介護しており、入院はもちろん抗がん剤など副作用に耐えながら介護する自信がなく、治療に対して消極的になってしまいます。どうしたらいいか分からない状態です。私にはよく分かりますが、再発や転移を告げられることはとてもショックなこと。きっとお兄さんは気持ちが整理出来ずにいるのだと思います。Aさんは妹として今はたとえ何も出来なくても、気持ちが整理出来て前向きになれる時まで、声をかけたり美味しいものを作ってあげたりして欲しいなと思います。」
その話を聞いていた看護師のCさんが続けます。
Cさん>「医療従事者として言わせて下さい。まずBさん、今は介護も様々です。ケースに応じて色んなサポートの形があります。まずはケースワーカーに事情を説明して、Bさん宅に合った介護のサービスを一緒に考え利用して下さい。決して介護のために自分のがん治療を放棄したりしないで下さい。そしてAさん、今は地域医療を中心に、昔ながらの[往診]を復活させる動きがあります。お兄さんの場合、引きこもって病院にも行けない精神状態ならば、そのことをまずは主治医に打ち明けて下さい。何か方法を講じて下さるはずです。1度医療機関の相談窓口に相談してみるのもいいでしょう。私たちは、患者の皆さんひとりひとりに合わせた医療を展開すべく日々頑張っています。まずはひとりで悩まないで、誰かに話すことから始めて下さい。諦めないで下さい…。」
また長くなってしまいました。
この後は最終回にて…。
