ストーマ・ソング・ライター心の日曜日♪-20090125070121.jpg
僕がまだ検査入院中だったある日、病院のエレベーターが開いた途端、僕は突然名前を呼ばれて驚いてしまいました。

良く見れば、もう何十年ぶりに会った中高時代の同級生。
その胸には「付き添い家族証」のプレートを付けていました。

地元を離れた場所で突然地元の人に会った驚きと懐かしさから、僕らは少しの間コーヒーでも飲みながら話をする事になったんです。

聞けば彼女、今まさに高2の娘さんが手術中との事!
12時間以上を予定されている大変な難しい手術なんだそうです…。

彼女の娘さんは、3歳位の頃から、もう幾度となく入院や手術を繰り返して来たのですが、それでも素直で明るく人なつっこい女の子。
良く病棟のお年寄りの肩をもんであげたりする優しい子で、今回も「じゃさっさと済ませて来るから!」と笑顔で手を振り手術室へと向かったそうです。

精神的にかなり落ち込んでいた自分と比べて、「強いんだなあ、娘さんもそれを支える家族の皆さんも…」と僕が思わず呟いたら、彼女は静かに話してくれました…。

十年ほど前、小さくして手術をする事になった娘さんが不憫で、彼女は一度だけ娘さんの前で「お前にだけ辛い想いさせてごめんね…」と号泣してしまったそうです。
すると娘さんは、「私のせいでお母さんが泣いてる!私がお母さんを悲しませてる…」と言って泣きながら自分を責めたそうです。
そんな経験をした彼女とご家族は、「どんなに辛い事があっても娘の前では笑顔でいよう。もう二度と娘の前で泣かない!」と誓ったという事でした…。

しかし、「でも本当は、代われるものなら代わってあげたい…」と言った後、彼女の目からは大粒の涙が流れていたのでした…。
もちろん僕も泣いていました。

僕は、目の前にいるこの普通のお母さんが、今どんな人よりも貴いと思いました。
そして、今頑張って手術に堪えている娘さんと、このご家族は何て素晴らしいんだろう!と感動してしまいました。
オーバーな表現ではなく、世界中の賛辞をこのご家族に捧げたい位に…。
そして、病魔に立ち向かうには、笑顔の力なくしては有り得ない事を僕に教えてくれたのでした。

僕は今この文章を書きながらも、思い出すと涙が溢れてしまいます…。

別れ際彼女は、「絶対大丈夫だから○○君も頑張って!病気を治して元気になったら、今度は地元でまたコーヒーでも飲みましょう。」と僕に言ってくれました。
きっと僕なんかより何倍も大変な想いをしているだろうに…。


あれから6ヶ月。
その後、彼女の娘さんがどうなったのかは僕には分かりません。
でも、絶対に手術は成功したと信じて疑いません!
そしてこの町でいつかこのご家族と再会し、コーヒーを飲みながら笑顔で語り合える日が来る事を心待ちにしていたいと思います…。