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ダバオ通信 ヤン爺のラストライフ・ダバオ
Last Life Shift In Davao Philippine

フィリピン社会に戸惑う ダバオ隠居物語
「団塊 百年の孤独 老いの抗い」
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信じられないぐらい人が 集まり
それも 若い人で ごった返している
長蛇の列が できていた
朝9時 ダバオ・タロモ地区の
マビニ小学校が ワクチン接種会場
拙宅から ジープで 15分の距離
ワクチンが 打てるらしい
永年付き添ってくれる 女性から
案内を聞いて 当日出掛けた
はたして 外人でも接種して
貰えるのか 半信半疑
長い行列に うんざりした が
最後尾に向かって 歩いた
みんな日陰に入って 列が続いていた
途中 立ち止まって 小休止していたら
傍にいた婦人が
ワクチンかと聞いてきた
そうだと返事すると
シニアかと訊ねてきた
それなら 優先されるから
校門に戻って 入場しなさい
そう言ってくれた
校門に戻る途中でも
列を整理している警官から
シニアだろ ナニしてるんだ
早く会場に 入りなさい
後押しされた
それにしても
何となく“孤老”の気分
事前予約も してないが
接種受けられる だろうか
校門ゲートまで 戻った
今日付き添ってくれる女性
アナが来ていて 落ち合えた
行列に 遠慮しつつ
シニアだと言って 会場に入った
校庭に張られた
大テントの下には
100人くらいが 椅子に座り
順番が来るのを待っていた
その脇をすり抜け 前に進む
沢山のスタッフが 働き
誘導 整理していて
混乱は みられない
申し込み用紙を渡され
アナが 記入するが
書く手が 止まっていると
スタッフが来て 指導する
自分は 周囲を観察していた
全く問題なく スタッフが
スムーズに 流れるよう
気を配っていたのに 驚く
最初の教室に入る
平服だが 医療従事者か
何人もが 対応している
簡単な問診と 血圧測定を終え
次の教室に移る
若者が10人くらい
PCに個人情報を登録していく
国籍を問われたりは しなかった
そして 次の教室に移る
いよいよ ワクチン接種だ
平服の婦人が 打っている
自分は 何処のワクチンかと
婦人に 質問した
ファイザーですよ と
笑顔で 応えてくれた
左腕が アルコール消毒され
注射針が チクンと肌を射した
そう感じたら 針は抜かれ
終わっていた
映像で 見ていた
長い針が 上腕部にゆっくり差し込まれ
注射器のポンプが ゆっくり押され
ワクチンが 注入される
そのイメージとは 程遠い
チクンと針先を感じたら 終わり
ワクチンカードをもらい
次の教室で 15分待機
幅反応の説明を受ける
頭痛薬を 一錠わたされた
小学校 会場を 出るまで
45分位しか かからなかった
無料で あった 全てに 有り難い
フィリピン人は
シニアになると
いろいろな特権が いただけるので
周りの人たちは みんな
シニアになる日
60歳の誕生日が 近づくと
待ちきれないくらい
エキサイトしている
60歳のお誕生日が 過ぎると
シニア優待カードが 貰える
シニアカードを見せると
レストランの支払いが 2割引
スーパーのレジ 5%引き
銀行 電気・水道の支払いなど
窓口には シニア専用が あり
そこは いつもすいている
長い列を 待たなくてもよくなる
映画が無料で鑑賞できたり
医療費や交通費も 2割引になる
日本のお年寄りにとっては
うらやましい話でしょうね
さて ワクチン接種後
一日が経過し 副反応だが
全く普通 何も起きていない
注射した部分の痛み
疲労 頭痛 筋肉や関節の痛みや
寒気 下痢 発熱等も ない
まれな頻度で
急性のアレルギー反応が 発生
それも なかった
二回目の接種は 21日後
ワクチン接種で 重症化率の引き下げ
それ以上の効果は ないようだ
今の注意深く暮らす状態から
抜け出せそうに ない
ややこしい事 言ってないで
街角やモールで 一本やっとくと
バンバン打てば いいのに
世界が ワクチン接種を 終えたと
WHOが宣言 コロナ騒動は終息
風邪に 格下げされて 普段に戻る
そんな シナリオでは ないか?
自分に とって
一番大事なものは 何か― 考えた
それは「いま ここじぶん」
「今 この瞬間を 生きている自分」
その合計を「一生」と する
「人間は何のために生きてんのかな」
高校生で おいの満男に
問いかけられて 寅さんが 言う
「ああ 生まれてきてよかったなって
思うことが 何べんか あるじゃない
そのために 生きてんじゃねえか
そのうち おまえにも
そういう時が 来るよ」
自分で できることは
自分でやる主義 これまでも
そうして 自分で動いてきた
はたして 今回のワクチン接種
一人で出来たかは あやしい
何も 分からない国で
手助けしてくれる人が 居る
有り難い事だ
買い出しくらいは 自分で
朝飯前!
「飲み会で 女性は課長の隣に」
そんな時代を過ごした老男 ダバオひとり


