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           ダバオ通信  ヤン爺のラストライフ・ダバオ 
              Last Life Shift In Davao Philippine 


            フィリピン社会に戸惑う ダバオ隠居物語
                  「団塊 百年の孤独 老いの抗い」  
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夜明け 
空に ひとり とり残された 月
「暁月(ぎょうげつ)」

だん だん 明るく なってきた 空
ぽつんと 白く輝き 美しき幻想
やがて 消えていく 残月の寂しさ

替わり い出る 朝日を 浴びる
太陽に 向かい
「爆発だ!」と 叫ぶ

心の そうじ日和に なった な

生きるのは
生の本能 だけでは ない
熱く 己を愛し 心を 拡張する
愛の神の 衝動 

だが その裏には
すべてを 拒否し
冷たく 黒々とした 虚無に 
還って いこうとする 
死を 擬人化した神 が
強力な 相反する態度を
同時に示して 働いて いる

『死の本能』が 全人間の底で
強烈に 引っ張る から こそ
生命の歓喜が 燃え あがり 爆発する

生き ながら
虚空と 一体と なる
自分の 良き 老い ながらえ

今 この瞬間 瞬間
『死』を 足の下に ふみしめる
陰気な メソメソした気分 では ない

明朗に 前に とび出して いく
危険に 向かって 突っ込んで いく

生のエネルギー  攻めの養生
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鮮やかな 明けそめる空
夜の空 赤い血 赤い車
色彩美に 引かれる

「そう ですか」

日本で 高齢と なれば
家も 借りられ ない

 

なんという 差別

何気なく ガラケー 調子悪いから
「そろそろ スマホに 換えよう かな」

「無理です」
という人が いて ムキに なった

誰でも 使っている ものが
自分に 使えない はずは ない
反対されると 俄然
反発する 天邪鬼

なぜ 年齢で くくって しまうの か
人は それぞれ 違うのだ

善も 悪も 年齢差別をも 超え
受け入れる 逃げ場に 向かった
高齢だから 自由で ありたい

「人を 好きになること」
「好きな人を 守ること」
異国ダバオでの やること なすこと
 
『あ! こういう終わり方が あるのか』
ここで 粋に 死にてえ〜 なぁ〜
人生の 勘どころって ヤツ

表情が どん どん 変わっていく
自分の変化が すごく よく分かる
あとは 体力
◇◆◇ ─────────────────────
ひとりで 行動する 気楽
気儘時間を 好んで 遊ぶ

ひとり で 
居酒屋「南星屋」の 
暖簾を くぐるように なった

頭の中で
『何て プレッシャーを かけてくる
   店主 なんだ』と つぶやきながら

酒を楽しむ 余裕なんて まだ ない

店の隅 ひとり席に着く  
どうにも 尻が 落ち着かない
なんとも 様に ならない 一人酒
時間を 持て余して しまう

店の中で ひとり苦い顔 
謎の酒呑み老人も 見かけた

ひとり酒 通い続けて いれば
周りを 見る 余裕も 出てくる
その場に ひとり いる 時間
面白がれる 大人に 熟成される

人に 理解して もらおうと いう より
自分を 楽しませたい 気分が 強い

人生「個」が 単位で あるなら
人間関係も 整理される

 「え なんだい アタシかい?」
◇◆◇ ─────────────────────
朝や 昼に比べて
ゆったりできる「夕方」

シャワーを 浴びた 後
乾いた衣服に サッパリ着替え

爽やかな 風が吹く テラスで涼む
何もかも 忘れ のんびり
肩の力を ゆるめる

ワインを 持ち出す
一口 含んで 風に顔を 向ける
しみじみ「ウマい」にやり 

金も 物も 僅か あれば
人は 生活できる ものだ
しみじみ 感じ入って いる

勝手に同居する 生き物
じっと 動かぬまま 待って
素早く走り みごと補食
ヤモリ しばらく 見ていた

不確定で 不安定な 人生 
何が 起きるか 分からない

たまった もんじゃ ない

無事で あった 一日 
いちばん 安心の時間 夕方
夕暮れに 夢追い人 が
脚を伸ばして のんびりするのさ

自分を 
相手に してくれる人が いても
土壇場に 追い詰め られれば 
切り抜けるのは 自分自身

付き合う女が 窮地を 
救ってくれる わけじゃ ない
ひとり だ という 
覚悟が 備わって いない と
とても 耐えられ ない
ピンチもチャンスも
自分ひとり 受け止める

「日常」の 尊さ
「不可侵で あるべき日常」
「得体の知れない 非日常」に
侵食されて いる

なめらかな日常に 忍び込む
疫病という 日常を崩す おぞましさ
人を 踏みにじる力に 怒る

辛抱 辛坊と 言われたら つらい
いつまで と 期限が 区切られ れば
辛抱も 耐えてみせる

あしき もの 病気や 感染症
無くなれば いい けれど
完全に 消えない ことも ある

それと どう 付き合う
体の中に 病気が あったら
取り除こうと するものでは なく
調和して いく・・ 

自分なりに 大調和
意識すると 体が 変わる

人間本来の 思慮する力
他人を 思いやる 優しさ
人間を 信じる 強さ
希望の種は それらの内に ある

かわいそう だよう・・ 

優しさの魂
フィリピン人が 持つ 力
小さな 社会の中で
相手に対する 思いやり
優しさを 育む 経験
何も 説明の いらない こと

自分など 恥じ入る ばかりの
優しさの 行動 自然に見せる 
フィリピンの娘

薄暮 灰青色の空 
肌を なでる 涼し気な 東風
何とも 言葉で言えぬ 快感
風たちの 夕方 
今日が まもなく 無事 暮れる

星空の 下では 
大自然に 一人 放り出された 自覚

カゼイロノハナ 未来への対話
◇◆◇ ─────────────────────
自然に とって 人間は もはや
いない方が いい 存在に なった

そう なの?

 

耳を すまして 空を 聴く

人間が いなくなった 地球は
どういう ことに なるの 

人間は 自然に とって
有害な存在に なって しまった
いよいよ 自然が
人間を 滅ぼしに きたのか と
ちょっと 怖さを 感じていた

「自然保護」なんて いう
その言葉自体 もの凄く
思い上がって いる 傲慢
おまえは 何様なん だって

世界で 最も 人口の多い
キリスト教の 中では
人間が 自然界を 支配している

それに 対し 仏教では 
人間は 自然界の 一部に 過ぎず
自然と共生 共存する

傲慢さに 絶望しながら
それでも 人間を 信じている

迫り来る絶望 
怒りを「光」に 変えて 行動する

自然に 保護されるのは 人間
人間は 分を わきまえて
地球に守られ 生きて いたい

人間が 手に入れた 快適さとか 便利さ
ある程度 手放さない と いけない 
だけど そんな こと 人間に できる かな

ウイルス 台風 地震 火山爆発 
集中豪雨 天変地異で しか
文明の減速は あり得ない の か
それには 民の 悲しみが いつも 伴う

気候変動の問題
「50年先の 話ですよね」
と いった 反応

食料自給率 3割の日本
致命的な影響を 受ける
食料枯渇は 命に 直結する

『この国の 希望の かたち』
新日本文明の 可能性

地に 足が ついて いない
人間に 一番大切なのは 食糧
それを ないがしろに している

昔 田んぼだった ところ が
荒れ地の 原っぱに なって いる
田んぼや 畑を 放置して おいて
食糧は 何でも 海外から
お金で 買えば いい と いう

地に 足を踏ん張った 暮らし
人間が 生きていく 土台作り
これから どう するんだ 

未来に 向かって
みんなが 気持ちを 上げていく ため
しっかりした 国の土台作りが 必要

豊かさが 持続する 

仕組みに 目を 向けて 働く

潜在的に 知っていた もの
整理して みると
自分の心根と つながる

食べ物を 考えることは
自然と人間を 考えること
お天道様の創る 秩序の中に
それが ある

自然のリズムに 寄り添う
人間の心が 整って いく

知らぬ うち 人間たちは 
原点から 離れて しまった
人間の自立は 原点に 戻る
食が 人間を 自立させてきた

日本が 
日本という 歴史を 作り上げて きた
歴史を 尊重し 敬意を 払い
日本の価値を 大切にし
そして そこから 生まれた
日本の文化を 守り 育てる

日本の 豊かさを 守り
繁栄させ つずける

昔の 日本システムを 応用した 台湾
もっとも コロナ被害の 少ない国

余剰の快適さ 押し付けの便利さ 
人口が 過剰密集した 大都会が
どん どん エスカレート したら
人間 思慮を失い せっかちに なる 
イラ イラし 怒りっぽく なった 
狂人のよう 攻撃的に なって いる
その末路 安易な 殺人を 引き起す 

田植えして 草取って 稲刈りして
やっと 食える
そんな 面倒くさい こと より
手っ取り早く 金稼いで
外国から 米 輸入すれば いい
その 発想が 今では ない か

徹頭徹尾 百姓として 
米の国として 生き続ける には

人口減少は 怖るに 足らない
農業 漁業 畜産 林業の 救済優先

グローバル化 都市集中
地方の疲弊 環境破壊 気候変動 
近代物質文明は 限界に きてる

農業 漁業 林業 畜産
この分野の 再生こそ
日本復活への 道

縄文以来の 
日本の特性を 活かし
人口適正化 地方分散
農水産業の再生
人間らしい 国の在り方

日本の古代は
「独自の文明」で 豊だった

日本以外の 四大文明は
インダス メソポタミア 
黄河 エジプト

これら 文明は
共通して 砂漠となり 滅んだ
木々の乱伐は 保水力を 弱めた
土壌が 失われた

「滅ばな かった」日本の文明
縄文時代に 溯る 
縄文文明は 自然との調和
共同体が 基礎に あって
争わず 豊かな 文明 だった

自然と共生する 暮らし

縄文人は 生活道具を 整え
食生活は 驚くほど 豊穣だった

ほかの 四大文明は 
自然を 敵視した ため 滅びた

デジタル社会に なって
人間は「人間」という 名前の
生き物だと いう ことを 
置き去りに して しまった

スマホが あっても
ダメなんだと 気付いた人

『退屈が 迎えに来てるよ』

ウイルスが 沈静化する まで 
この時間を 無駄に しない
食と生を 考えた

便利な 機械や 道具が 少なく 
不便で あっても
工夫して 助け合い 争わず 
豊かな 暮らしを つくる

今日も 食べられた
命が あった ありがたさ

人との 交わりが 
まず 第一に こない と・・

お金は 交わる人の ために 使う
そこに お金の 意味が ある

お金を たくさん稼ぐことが 目的
そうなると ちょっと おかしく なる
お金って 人間が 作り出した 道具
お金の ために 人間が 奉仕して
生きるのは おかしい

―― 残された人生 どう されます

いろ いろなことを 決断して
とっぴな ことを やってきた と
思って いた が・・

ひとつの 流れだった 気がする
これから どう生きようか と いうより
どんな ことが この先 待って いても
それを 受け止め どう 変わって いくか

自分が どう 反応できるの か 見てる
◇◆◇ ─────────────────────
裸で ひとり 生まれて きた

人生の過程で たくさんの
「初めまして」が あって
同じ数だけ「さよなら」する

生まれた時と 同じように
裸で ひとり 黄泉に 帰って いく

人間 最初は「ひとりぼっち」
人間は そこから 始まった

誰もが ひとり それを 
認めた先に しか 社会は ない

「ひかりぼっち」
言葉に潜む ニュアンス
だが 寂しい感情 そこには ない

堂々と 貫く「ひとり同盟」に 
加わり ませんか? 

いろんな 考えの 人が いて
同じ月を 見ていることの 持つ力
可能性を 感じ 人間を 信じる

もう 僅かしか ない 己の人生
笑って 死ねる 人生が いい と
ダバオに 居座る

安全じゃ ないけど
安心できる街
人間の においが する
ダバオの街に 心を 動かす

暗闇の空に こうこうと 光る 満月
「望月(ぼうげつ)」とも 言う
日本の古語 万葉集に ある

平安時代 藤原道長の句
「この世をば わが世とぞ思ふ 
   望月の 欠けたることも 
   なしと 思へば」

あやうく 日本で 一生懸命
生きる ところ だった

人間の匂いが しなくなった 東京

毎日が 休日では なく
自由に 使える 日々を 手にしている

 


◇◆◇ ─────────────────────
誰もが「ここでは ない どこか」を
想わず には いられ ない

想い出す だろう・・ 

自分自身が 
初めて旅した 異国 あの場所

初めて 長期出張した あの国
 
赴任した 見知らぬ あの土地

そして そこで 出会った
生きていく 人たち

辛いことも
苦しいことも あるが
それでも 好きだった
あの「街」と「人」の こと

今も 変わらず そこに ある
自分が 離れて しまった
もう 戻る ことの ない
あの「街」の ことを 思う

でも もう どこにも ない
あった かも しれない 己の人生と
なにも かも 変わらずに
そこに あり続ける 街

不確かな 記憶の中に 存在する
過ぎ去って しまった 時間と空間
そして そこに いた 人々を
愛おしく思う 気持ちだけが 残像

自分は 自分の人生を 通じた
「ダバオ」という 街を 
再び 訪れて いた

自分の視点から 見た ダバオ
近所から 勃発した 大統領選挙
その騒動の 意外だった 結末 
貧困 テロ 麻薬 売春が はびこり
軍隊や警察が 始終 行き交う街

ダバオ そこに いた 昔の民 
山族 海族に 分かれて 暮らし
体力のある 男は 
海 山へ 行って 漁猟(漁労・狩猟)
オッパイの出る 女は
子供を 産み 守り 育てる
それぞれ 天賦の能力を 活かした

文明は 自然と調和
共同体が 基礎に あった
米作りも 自然と共生する

豊穣の海 実りの山 畑の 恵み
物々交換して 生活を 補い 
海 山 互いの暮らしを 支えた

争いは 無く 
土器が 多用され
食生活は 想像を超える 豊か

劣勢な 武器しか 持たない
フィリピンの 族たちは 
スペインに 征服され 隷属化した

400年間 統治した 征服者は
キリスト教を 残した だけで
フィリピンを 立ち去った

キリスト教は「自然は 敵だ」と
自然破壊を もたらした

マルコス  アキノ 
そして ドテルテ 現大統領まで
汚職 麻薬 売春 モスレムの反抗
人口過剰 貧困問題は
今 もって 解消されない



 

富裕層 中間層 下層
住む場所が 自然 わかれた
それらが 区分され 交わらない
分散して 暮らす街
◇◆◇ ─────────────────────
ここで 生きる人々
ダバオ川 河川敷の生活 



 

夫が 逃げた 
若き シングルマザー 
二人の子供を 育てる女
時折 笑顔を 見せ ながら 
ルースが 話し始めた

自分の人生への 
怒りとか 悲しみが
性欲に 変わる 瞬間が ある

性交は
「世間の嫌な感情を 忘却」
養生術の ひとつ なの・・

神と接するために 性を 営み
また 時に 神から 離れて
娑婆の英気を 養う ために
性を 営む

ハラハラする 自白

激しい恋で なくても いい
たまに 男に 会う だけで
気が 晴れるの だと・・

これから パーティーに出る ルース
化粧して ドレスに 着替えた
まさに 掃き溜めの鶴 



 

「セックスは 相手を 知る ことよ
   時間を かけて 互いに 耳を傾け
   語り合う 行為」

彼女の語る 言葉は 神聖

パートナーとの 関係の 中で
セックスは 必要な もの・・
「間違いなく 必要」言い切る

真摯な エロい物語り
下司な 自分は 興味津々
興味どころの 騒ぎでは ない
恥じらいながらの エロ
大好物と いっても いい

SEXの すぐ側に
麻薬のような 快楽が 横たわる
恥じらい と 快楽
私にとって いわば 表裏一体
不可分の関係なのよ

無論 セックスが 
全て では ありませんよ
関係性に ついて 話し合う
とても 重要だと 思ってる

男と女が 二人の関係に ついて
語り合う ことは 大事

「お互いに とって
   いかに 良い パートナーに 
   なれるの か 会話を する」

「セックスだけで なく
   パートナーが することに
   興味を持って あげられる のか
   そのことも 大事な ことだと 
   男に 逃げられた 自戒を込め 思う」

大切な 人との 時間を
大事に 過ごそうと する ルース

憂鬱と 純情が せめぎあった まま
はりついた ような 表情を 見せた
ルースの 生い立ちが はぐくんだ 境遇

 


◇◆◇ ─────────────────────
誰に 見せるでも なく
一人で キッチンに 向かい
たった 一人で 食卓に座り
黙々と 食事を する男

『自炊 何に しようか』
ただ 毎日を 生き長らえる ために
料理を して 食べる

食べる ことは 
生きると いう よりも
死んで しまわない ように 食べる



 

元気に 暮らす には
スクワットして 黒酢飲んでる だけでは
いくら 体が 元気でも
見た目が しょぼくれて いたら 意味ない
◇◆◇ ─────────────────────
住む人たちに とっては
何代も 命を 繋いできた 場所

東京から ふらり来た 老いた男
つかのまの 暮らしのため だけに
家を借り ここから 冥土に帰る
他所者で ある と 考え過ぎて いる

孤独ウォッチングを 趣味と する
孤独な女が 孤独な老人の自分を 監視
ある きっかけで 女は 自分を 監禁
ふたりの関係は 複雑に ねじれて いく

笑ってる のか
怒ってる のか
悲しい のか わから ない
この 若い女 捉え所が ない

痛々しい表情を 見せる瞬間
それは それで 美しく 映る
抱き すくめて あげた
醜さも 可愛く 思えてくる

身勝手な 老男の 孤独と 切なさ
ダバオの風景に 淡々と・・溶ける

男と女の関係 ハマれば
そこからは うまく進んで いく
それまでは 腹の 探り合いの時間
複雑な ものは いらなかった 無駄

男と女 
ココロとカラダが 動いて 
付き合えば 長くなる もの
相手が いると は いいものだ

「わたしを 離さないで
   私を 極める なら
   死ぬまで 極めて くれない」 と

ストレートに 応えた
『オレの この先の老いを 
   見たく ない だろ』
見せたくも ない だから 先に 逝く 
あなたを 極める こと 約束しない

ふだんは 気を 付けて
釘を 踏む事は ない 
だけど なにか 気が それた時
釘で 足を 踏み抜いて いた

『あの とき なんで
   ああして しまったん だろう』

そういう つもりは なかっ たのに
よく 考えれば ちょっと
意味深な 態度だった な

全てに 正解は ないし
自分の ことは
自分に しか 解決でき ない

色と食 酒の誘惑に めっぽう弱い
女好きの酒喰らい という 生臭さ
自分に 根付いてしまい 消えない

消極的 だ けれど
相手の気持ちを 読み取り
何を 求めている のか
僅かな ヒントから 察する
『受信力』には 長けて いた

男と女が 好きなことを する
同じ方向を 見る事も しない
それが「なんだか 心地いい」

自分のことを やる ついでに
相手の ことも やっている

時間が 合えば
一緒にいて いい ありよう 

自分の「生」は
自分 一人だけの ものでは ない
その「思考」や「命」は
分散して 保存されて いる こと
女たちに 教えて もらって 知る

年下女が 急に 冷たくなる
そのこと 当たり前に 起きる

恋に 浮かれていた 目が
現実を 見定める

知恵って もんは よ
『あがり』に 行くためだけ じゃ なく
騙されて『ふりだし』に 戻らねえ 
その ためにも 絞るもん なんだよ

無駄な 男らしさ が ない
一瞬にして 女に甘える
大人に甘える 子供にも なれる
スキンシップ ハグやキス
あくまで自然体 老い人の老練技

「お言葉 ですが…」

自分は 横顔の ほうが
もう 少し マシなんです けど
年齢の壁を 越える術を 持ってる

世間の 枠組みから 
ちょっと はみ出した
社会に 適応しにくい 身勝手な老男
地位も 名誉も 権力も 威厳も
金も 資産も なにも ない

あるのは 人への 優しさ
本能的に 持ち続けて きた
使っても 使っても 減らな かった
自分の心を 守れるのも 優しさ

秀でた才能も ない
どこに でも いそうな 
なかなか の クソ ジジイ

ダバオに ひょっこり 現れ
黙念と 居座る 老男
自分が どうなるかを 知ろうと
ダバオの道を 進んで いる

日本社会の 理不尽に やられ
人との絆を 絶って きた

ダバオは 自分を 裏切らない
失望させる ことも なかった

チェツクメイト キング2  応答せよ

こちら ホワイトロック どうぞ 
◇◆◇ ─────────────────────
身勝手ジジイの おいしい生活
私生な 素を さらす

一足飛びで 70まで きてしまった

独身で いて ほしい な だって

どう したんだい

ジジイが 結婚 したら 
ちょっと つまんない

 

女から オチを つけられた

 



初めて会った 女に
知り合いとか には
言わない ような 深い話 
してしまう ことが ある

親しい相手だから こそ
話せない 話したく ない 

うそで しか いえない
ほんとうの こと

話を しながら 女に触れて 
感情が 湧き上がる
その瞬間を 共有し
そこに 生じる共感
老いを 抜け出す 魔法
極私的・偏愛

一緒に 風呂に 入ろう かえ

うれしい・・・

背中を ながして やろう
久しぶり でな

ううん 背中だけ じぁ 
いやですよう

よし よし みんな みんな
洗って やるぞ

あい あい

孫のような 若い女

 

三十と
七十とが
暮れなむる

 

身勝手ジジイの 過激で 退屈な 日々

まったく違う 国で 
生きてきた 男と女でも
年に 隔たりが あろうとも
心や躰を 通わせる
それは 偶然が 生み出す 面白さ

人は 自分の見たいものしか 見ない

物好きな 身勝手ジジイ! だぜ
人が ひやかす

図体の大きい 
なんだか 間の抜けた ような
泥クセえ 女
どこが いいんだか
さっぱり わからねえ



 

人から 何か 言われる ことで
そこに「異物」が 入って くる
取り入れる と 風通しが よくなる

ジジイは 女の前で 安心して いる

風雅な 老後の おいしい生活
なんとも いえない 
腹の底から こみあげて くる
可笑しさ

四十も 年下の女を 相手に
とぼけて いるの だから

互いが いて よかった と 
思えるような 間柄

女を 理解する という ことは
どういう こと か

近くに 住む けれど
自分とは 違う考え方を 持った女 
深く知ろうとする 縦の旅行

女と ジジイが
完全に 理解しあって 混ざり合う 
そんなわけ あるはず ない
わかりあった つもりに
なって いた だけかも しれない

この歳に なって 
まだ 女のことは
ちっとも わからぬ

この女 腹の中で 
なに 考えてるのかと
思う事が あるわえ と ジジイ

女と いうより
人間を見抜く 目を 持ちたい

自分とは まったく 違う 他人
気持ちを 想像 し合って
つきあえる ところで つきあう

偏見のない 瞳にうつる 男女の世界
新鮮に 感じられる
近くに住む 知らない人を
もう一度 そんな目で 見てみたい

人と 人とは 理解しあえない
やっぱり 理解したい し
わかり あいたい
その双方を 心に もって
生きて いくことを 諦めない

老いの情熱や 欲望
持て 余さなく ても 
いいんじゃ ないか

老いは 
明るい幸せ だけでは ない
病気を することも あった
親しい人の 訃報も 聞いた
現在は すでに その先を
生きているの だから
そこに 大きな 意義が ある

「もう 終わりだ」と 
決めつけて しまわ ない
「もう 歳だ」なんて 
愚痴ってる 暇は ない

道は 先に 続いている
明るい気分に 
自分を 引っ張っていく

老いを 消すんじゃ なくて

老いの活かし方 心得
実践できてる ような 気分
そのこと 変化と いうの かな

変化 し続ければ
気持ちが すごく 楽になる
どんな 束縛からも 解放された
自由な 老いの おいしい生活
◇◆◇ ─────────────────────
女と 部屋で 時を過ごす
入り口を つくる
そこから ちょっと 入って
飛んで いく ような
ふっと 軽くなる ような
『浮遊感』を 感じ取る

タブーや モラルを 壊し
その女なりで あって くれれば 
それだけで 他には 望まない

品のある 
控えめな 表情が 好きだった 
切なさと いじらしさ が
滲みでて いて 忘れ がたい女
自分の傍から 去って いる

愛する人を
掛け値なく 推す 生活は
多くの場合 終わりが くる

女が 離れるに まかせる
新たな 意味を 探る

女と 離れることを 受け入れ
あまたの経験が 自分を 高める

男と女 距離が 近まる ほど
煩わしさも わき出て くる

日常を かき回す 女の存在
ときに 荒々しく 
ときに 穏やかに
それを 嘆いては いない

女を 攻撃して
うっぷんを 晴らすことも しない

恋愛に 湿っぽさ は いらない
女に 去られた ばかり
ダバオの街の上 愛が なんだ!

イソップ寓話の『すっぱい葡萄』

おなかを すかせた キツネが
おいしそうな 葡萄を 見つけた
何度も 取ろうと ジャンプ
トライするが 届かず

「どうせ こんな 葡萄は 
   すっぱく てマズい」
そう キツネが 言い放って
悔しい気持ちを 収める

自分に 言い訳力が 高い人は
気持ちの 切り替えが うまい

思い通りに いかない
なんとか 言い訳 しながら
自分を 保っている

誰かに とっての自分は 変態ジジイ
若い時って 肝が 据わって いない
ジジイのように 自信が ないから 

頑張りすぎず 気楽に
自分は 自分の ままで 生きる しか 
やっぱり できない ようだ

自分を 納得させ 先に進む
◇◆◇ ─────────────────────
怒りを 育む速度 自分は 遅い
咄嗟に 怒りを 顕に できる
その人の こと ずっと 見ていた

怒るは 自分の感情を
深く信頼して いないと 
できようも ない 

怒り  歳を 重ねるごと
ゆるやかに 殺める ように
自分が 手放してきた 機能

やっぱり
理不尽だったん じゃ ないか? 
あれって 怒って も
よかった こと じゃ ない?

怒り 思い至る 頃には
感情が 旬を 過ぎてしまう
疲れるし 効率が 悪い

夕方に なれば 
西に太陽が 沈んで ますか
りんごが 赤い ように
爪が 伸びる ように
砂糖が 甘い ように
自分は 自分は 正常です か

すべては 音なき言葉に して
確かめないと 収まら ない

怒れる
つよい人が 羨まし かった
過敏に 生きていける 人が

自分を 許せる人が
心の底から 羨まし かった

そして 自分は 凡人 だった
何人にも なれない
中途半端な 生きざまのジジイ

そんな 自分でも
生きて いけば いくほどに
好きなものが 増える

失いたくない 人も
手放せない 感情も
よりどころの ような
ひかりも 増えて

それら すべてを
やんわり束ねて みた とき
いつの まにか 
信念みたいな ものが
かすかに 芽吹いて いる

輪郭も おぼつかない
不確かな違和感を 覚えたとき
思いきって 言って みた

それって おかしく ないです か?

薄闇の空を 見上げ
自分は 自分に しか 
なれないん だなぁ

愛想も 虚勢も
どうしようも ない 欠落も 
全部自分 

標準値にも 過激にも なれない
中途半端な 自分でも
いくつかの ものを よすが に
騙し 騙し 今日まで 生きて きて

ちいさな世界を 積み上げて
結局 自分は 自分以外の
なん人にも なれ なかった

他人の目から見た 自分も
自分が 知る 自分も
愛想も 虚勢も 
どうしようもない 欠落も 全部自分
前向きな 気付きというより 諦観

知りたくも なかった こと
たくさん 知って しまったし

自分の ずるい ところや
汚いところも たくさん 知った

取り返しの つかない
喧嘩が あることを 知ったし

ごめんでは 済まされない ことが 
あることも 知った

人生は 苦いものだと 分かった

それでも 今 人生で 一番幸せ

どうして だって?

目覚めてしまった 深夜
酒を 飲める 大人に なった から

腹が 空いた 時
好きなものを 好きな だけ
食べられる 大人に なった

大好きな人と 一緒に
笑い合って 酒を 飲んでいる
好きなものを 食べて いる

酒と美味しいものと
大好きな人が
「愛しい今日」に してくれた

人生 苦しいこと ばかりで
いつも 悩みが 絶えなくて
小さな幸せを 探すのに 精一杯

美味しいものを 食べると
笑顔に なって いる
そこに 大人だから 味わえる
とびっきり 冷えた ビールが ある

最高って 叫ぶ

子どもの頃は 嫌っていた 煙
煙草を ゆっくり 灰にする
ビールを 口に はこび
熱い 揚げ物に 手を つける
くちん中を ビールで 洗う

隣を 見れば 大好きな人が
美味しい顔を して いる
ただ それ だけが
こんなにも 愛しい 今日に

 

大人に なって よかった

大人に なれば
好きなことが できる・・

でも それは 多分 嘘

大人が したいこと
すぐに できる環境は 
なか なか 作れない

好きなことが できる ように
頑張ることは できる

大切な人を 笑顔に する 魔法
美味しいものが 食べられる 魔法
魔法の 使い方 きっと 覚えられる

自分が 笑顔に なるために
どうすれば いいかを 知っている
それが 大人に なったって こと

たっぷりの油を 使って
揚げ物を あげる
片付けだって めんど くさいし
脂っこくて 明日に なったら
後悔するかも しれない けど

笑顔を つくりたくて
チーズ・ステイックを 揚げた

自分は 怒りを育む速度が 遅い
今日も 言いたいこと が
言えな かった

だけど 朝ごはんを
おいしいって 思いながら 食べたし
映画を見て 感情移入して たし
大好きな人の 笑顔が 届いたし
写真を 見て 安心したり も した

間違って ても 何かを 思う
咀嚼する 咀嚼する 咀嚼する

明日も 自分は 
自分のままで 生きる
その結果が どうなるの か
自分が どんな人間だったの か は
死んだ後 神さまに 聞いて みる

まあ それでも
きっと 納得できないん だろうな

夜 眠る時 には
だれかの 孤独に 寄り添う
好きな 河島英五の曲
『生きてりゃ いいさ』を 流して
心に 絆創膏を 貼って あげる

すべてが ちょうど いい
流れに任せて 頑張ろ な

調和が とれている
ちょうど いい状態

女の事
美しい と きっぱり そう言える
いつも 背中を さすって くれて
ありがとう

人生旅的途上
明日も バッチ 向かって こいって
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