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ダバオ通信 ヤン爺のラストライフ・ダバオ
Last Life Shift In Davao Philippines 
フィリピン社会に戸惑う ダバオ隠居物語
「団塊 百年の孤独 老いの抗い」
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ダバオでは コロナ規正が
だいぶ緩くなり 日常かな と・・
会いたい人に 自由に 会いたい
日本人は 感染症と 共に 歩んできた
小説家の式亭三馬は 享和3(1803)年 に
江戸を 襲った「はしか」を テーマに
小説『麻疹戯言(ましんきげん) を 書いた
飲むもの 食べるもの 全部 味が しない
ひとりぼっちで 体調が 回復するまで
12日間を 指折って
布団の中で 待つ 以外ない
そう 記述した
文政7(1824)年に
再流行した際に 書かれた
『麻疹(せん)語』には
店などを 営業停止した 江戸の様子や
客が 来ず 生活できない 人々の嘆きも
記されている
200年前の 日本人が 驚くほど
今と 同じ状況に 直面していた
空疎な会見 意味の無い 説明は 要らない
国民が 求めているのは 収束への具体策
一体 私たちは どちらに進むのか
政治家や官僚に たずねても
納得の行く答えは 返ってこない
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意外だったし 驚きもした
セブ在住邦人の 6割が 1人暮らし
セブ日本人会が アンケート結果を 伝えた
コロナ状況の中 無事でしょうか
アンケート対象者 中味は 分からない
セブ単身駐在員も 含まれて いるのか
それとも 移住目的が 分散化 多機能化
しているの だろうか?
6割が 独り暮らしとは
意外な 事だった
人の事は 言えない 自分も 独居
ダバオ在住邦人は 350人程 と 思うが
こうした アンケートに 答えた事は 無い
自分は これまで
日本人コミュニティーに
積極的には 関わって こなかった
ダバオに 移住した頃
隣家の 米国人に
「なぜ 日本人は 固まり たがる」
眉を ひそめ 聞かれた事が 有った
余計なお世話だ だが
それが 心に ひっかかり
「フィリピンに 来たんだから
現地に 溶け込ま なければ・・」
心の どこかで 自分に 言い聞かせた
疎遠は そのせい かも しれない
だが コロナ危機の 今
異国で 手を差し伸べ合う
日本人の行動を 聞いた
セブ木曜会の 活動報告は
ダバオ在住ながら 参考にしてる
隣国 タイでは
3月下旬 バンコクを 中心に
飲食店の店内営業が 全面禁止
多くの 日本人経営の
飲食店も 大打撃を 受けた
そこで 立ち上がった
日本人コミュニティーの 人たち
10年前に
タイで 印刷工場を 立ち上げた方 と
大手人材紹介会社 社長が 中心となり
日本レストランの経営を 助けようと
営業時間や デリバリー情報サイトを
ネット上に 開設
あっという間に 数十店舗が 名を連ねた
お二人の事業も 大きな損害を 受けたが
「右も左も わからず タイに 来たとき
私たちも 同じ日本人に 助けられた」
自分の店を
サイトに 載せてもらった 居酒屋 店主
「タイ人に 喜ばれる店に したい」と
日本人コミュニティーの 助けは
これまで 借りて こなかった
だが 今回は
サイトを 見た 日本人客に
苦しい状況を 支えて もらった
「本当に 困ったとき
日本人の つながりを 感じました」
そう 振り返る
日本人コミュニティー
異国の地で 支え合い 救われる
日本人たちの 姿に よかったネ
異国にいる
日本人の 気風かも しれなかった
かの地で 先輩である と 言う事は
後輩に 対して 一個の教育者
保護者でもある その気持ちが
自然と 持たれて いた
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まだ 20歳 そこ そこ
本来なら 希望が あるべき 若者
なのに 行き場のない さすらい人
だから 暴力を 振るうような
男とも 付き合って しまう
明日の ことは 考えられず
今日 生きられれば いい
そのような 若者は
フィリピンだけで なく
アジアには たくさん いる
他人を 思いやることの できる
単純明快な
日本の老人と 若者が 出会う
彼女は 変わっていく
彼女と 出会った 日本の老人も
明日に向かう 生き方に 踏み出す
彼女に 力を 注入される

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晴れ渡る 日差しが
カーテンから 差し込む 中朝
今日も いつもと 何も 変わらず
鳥の声で 起こされる
「今日も お客さんは 来ないな」
ぽっち かと 呟く自分
一通り 部屋の掃除を 終え
いつも通り 窓から ぼんやりと
庭の一角 花が覆う 南国の色彩
黄や 赤を じっと ただ 眺めていた
「くつろげる 海って いい」
毎日 見ていても 飽きない 不思議
コソリと
誰にも 聞こえや しない声で
発言を するのは
海辺近くの 家の主である 自分
午前中は アルコールを 飲まない
都会の 誰もが 追いかけた
大企業の 雇われ人 だった
あらゆる ストレスから 逃れ
15年前 都会に背を 向けた
「人生って こんな ものでしょうか?」
その 問いには
今なら 自信を 持って お答えする
「・・ そんな もの」と
自分の「人生が 余った・・」
「何も しない うちから
諦めてんじゃ ねーよ!」叱られた
南国と 距離が 縮まり 向かい合った
太陽に溶かされ この地に 定住
「ここは 自分の まんなか」
安心できる「ここ」は
自分の まんなかに ある
果物の種 みたいに
「まんなか」に 自分が いる
自分の視点でしか 見えない 海
自分にしか 聞こえない 風の音
その 時点で
自分が 自分であることを 肯定できた
・・と 南国に住み よく考える
他人に 理解や 共感を 求めない
存在として まんなかに いる
「自分」を 否定して いない
歯の審美性に こだわった
フィリピンに来て 最初に した事
歯を 全て抜歯 総入れ歯に した
それで 一流の笑顔を 作り上げた
「あーぁ! 今日も 来客は 0か」
つまらない こと 気に するな
正午を 過ぎた
タンブラーに 金色の液体を
ゆっくり そそぎ
氷が とけ 金色が うごめく
対流の科学を ながめている
生きることの 楽しさが
やっと この頃 わかって きて
70代に なってからも 楽しい
すこし 視野も 広がった
「スマホは まだ 持たない」
日本に 有った 人生
葛藤が あって 世間にも 媚びていた
社会に 寄せる 生き方に 縛られる
世間と言うものは 迷信の服を 着て
やっと 寒気を 凌いでいる
真理とか 本当の事とか いうのは
寒いもの なのだ
凝ったな〜
茶化すな ほんと だよ
昼間だから 見えないんだけど
星は 空に ずっと いる
その 瞬間
そうだった 本当のことで いいん だった
本当の ことだけど まだ 気づいて いなくて
気づくと 世界が 更新されて 見える
子供のように
本当とは そういう ものだ
大人は 嘘を つく
「そういう ものだから」の 言葉だけで
社会の全てを なんなく 片付けてしまう
「わかる」に 守られてきた 日本人
「わからない(本当)」に 対する
構えが「わからない」
あまりにも 人の精神は 嘘の社会に 脆弱
異国の中で 暮らす ことは
「わからない(本当)」と 向き合い
付き合う ことだった
「そういう ものだから・・」その 嘘を
すっぱり やめてみた
『さらに やめたみた』
やめてみた ことで 見えた「本当」
自分自身が 滑稽で 笑っていた
誰もいない 居間で
動く標的に ピストルを むけて
悪意のみちた 神さまや
可愛い悪魔と ささやき交わす
「人間なんかに 言葉は 通じないな」
それから
グラスを 持ったまま テラスに 出た
陽は まだ 頭上
人の影が いちばん短くなる 瞬間
今日 訪ねて こなかった 娘 サラは
黄金の麦のボトルの中で 眠った まま
サラは
「好きな人の 好物を 憶えている」
サラ あなたの 得意な料理は・・
食パンです
ボケてるのか
せめて フレンチトースト
空には 積乱の雲
南国は 微風に はこばれて
手の とどくところまで 近づいていた
「年齢に合った 暮らし方」
そんなもの あったら 教えて欲しい
たくさんの時間では なく
濃い時間 それなら 歓迎
南国の「想う 暮らし」は
濃い時間の上に 乗っかってる
人は 人と 認め合う
互いに 濃い時間を 得る
豊かな時間に 遊ぶ
豊かな人生とは
「贅沢を する人生」でも
「人に 羨まれる人生」でも なく
「選択肢のある人生」なのかも 知れない
人生は「お伽噺」では ない
「幸せに 暮らしました とさ・・」
それでは 終われません
「めでたし めでたし」の 翌日から
また 人生が 続いていく
続く以上は 失敗も 後悔も 盛り沢山
「切ない」なら
ちょっと 笑っても 良いか
「切ないこと」は
なければ ないほど 良い
子どもの時に 大人から
「苦労は 買ってでも しろ」とか
「人生 甘くない」とか 言われた
うん 頷いただけで 納得して なかった
苦労を 買ってでも 経験したいのなら
「自分のぶんの 苦労を
格安で お譲りします」
そう 思うぐらい 懐疑的
――周囲の大人や 先生たちが そう 言ってきた
自分は
「ラクできるなら ラクしたほうが 良い
無駄に 苦労する 必要は ない」と 思った
「切ない出来事が あったから 不幸なのか?」
まったく そうでは ありません
一度「切ないこと」を 経験すると
耐性が つくから
似たようなことが 起こっても
苦しむことが ない
「耐性を 付けるために 苦労しろ」
それは 本末転倒 腑に落ちない
気長に 生きていきましょう
「切ない」出来事の 後には
いつだって ワクワクする
出来事が 起きる
グラスの氷が すっかり 溶け
薄まった 水割りに なっていた
濃い時間を 取り戻そう
ロックを 作り直した

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7月前半の 2週間で
ダバオ市内の 1万人以上が 職を失い
500の事業所が 閉業した
若者は 職を失い
3カ月近く 家に ずっと いて
家族とイワシ缶 一つを
分け合って 食べていた
国民全体に 無力感が 漂う
経済復活 どころか
国民の飢餓が 迫っていた
フィリピンの コロナ対策は
収束に 向かわず 感染は 拡大一途
政権は 最大の試練に 直面した
国は 対策を 進める カネも つきていた
自分も ツナ缶で しのぐ
少しの野菜と あえたり
サンドイッチの 具材に したり
オムレツに 加えたりと 工夫
昼メシは 炊き込みごはん
一人用の 小さな鉄鍋で 炊く
ごはんに ツナの味や 香りを 移す
出汁を あえて 加えなくても できる
ツナ缶は 安くて 万能
油漬け
油入り水煮
水煮が ある
油漬けは 調味液の半分以上が 油
油入り水煮は 油が 半分未満
水煮は 水や野菜スープで 仕上げた
使ったのは 水煮缶で
ツナの味を そのまま 楽しめる
コク深く したいなら 油漬けを 使う
10分で 炊き上がった
細ネギや 刻み海苔を のせれば
見た目も 涼やかで 飽きが こない
味わいは さっぱりしている
困難な時に 重宝する 炊き込み御飯

『サラを 空腹に しないほうが いい』
炊き込み御飯を 教えたが
頑固に やりたがら ない
白い米は そのまま
ツナ缶も そのままの方を 好む
フィリピン家庭 食の流儀か・・
おかずの 一菜
作り置き ナスの土佐漬け
ナスは へたを 切り落とし
しま目に 皮をむく 縦半分に切り
皮目に 細かく 切り込みを 入れる
揚げ油を 170~180度に 熱し
ナスを こんがりと 色づくまで 揚げる
ショウガは 針千本
小ネギは 小口切り
小鍋に
酢 酒 しょうゆ 砂糖を 合わせ
中火にかけ 煮立ったら
ショウガ 削りカツオを 加え 火を 止める
熱々の汁を ナスにかけ
小ネギを 散らす
熱くても 冷たくても いける
サラ ナスには 箸が 進んだ
酢と醤油の味に 子供の頃から
馴染んでる から だろう
一汁一菜 これだけでも 今は 贅沢
団塊は 幼童の頃の 貧しさを 知ってる
フィリピンの 憐憫に 心を 寄せる
少ないが サラに 缶詰を 持たせて やった
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それから 数日した 今日
天気を 推し 量ったのか
溜まった 衣類や シーツを 洗濯に
サラが 来てくれた
慰労して やろうと
サラのために カレーを 作った
彼女の前なら 気取らず こびず
自然体で 作れる そう 思った
「料理は 得意じゃ ないけど
なにか 食べたいもの ある?」
その問いの 答えが カレーだった
恐る 恐る 作った チキンカレー
彼女は 満面の笑みで 言った
「おいしい!
ほかの 女の人に 作らないでね」
こんな 自分を パートナー扱い してる
タッパーに カレーを 入れている
少し 持って帰って いいですか? と サラ
カレーは 私も 好物なん だけど
弟が 一番大好きな 食べ物が カレー
豚キムチ コロッケ かき揚げご飯
掃除や洗濯に 働いて くれた あと
昼ご飯を 一緒に 食べるように なった
料理が 心を もっと太く 強く むすぶ
或る日 突然
「チリコンカン」を 食べたいって
サラが 騒ぎ出して
『刑事コロンボ』知ってる でしょ
コロンボが よく食べていた あれ
自分は チリコンカン そのもの
見たことも 食べたことも なく
どんな 味かも 知らない
さっそく ネットで
栗原はるみさんの レシピを 検索
鍋いっぱいに 作った
ひとくち食べて 彼女は 叫んだ
あー すごい! これ これ
クミンシードのきいた チリコンカン!
ハズレて ないよ この味だょ~~~
あのときの気持ちを 彼女に 聞いてみた
えーっと どうだった かな と 言いながら
ぽつり ぽつりと 遠い記憶を 掘り起こす
レストランでは
皿に ちょっとしか 入ってなくて 高いの
それを
こんなに いっぱい 食べられる
そう思ったら すっごく 嬉しくて
本当に おいしいし
鍋いっぱいの それを 見てる だけで
今でも 豊かな気持ちに なる
あれから 今日まで 飽きずに
数え切れない くらい
チリコンカンを 作ってきた
金が無く 肉が 手に入りにくい時
挽肉に 豆や トマトを 入れて
ボリュームのある 汁物仕立てに する
香辛料の使い方も 自由
最初は レシピ通り だった
だん だん 自分の味に なって いった
料理で 余った 赤ワインを 飲みながら
鍋の中で 煮こまれる チリカンコン
ゆるく かき回し つづける
自分は とうに 気づいている
好きな人に 作る 料理は
楽しいと いうことを・・
今まで サラと 向き合っても
何か 楽しませて あげなくちゃ
そう 思っては うまく いかない
サラは「楽しむ」ことに 関して
自分より ずっと うまくて 天才的
当たり前だと 思ったり
見逃したり して しまって いることを
一つ 一つ発見しては
自分を 面白しろがらせる
一方通行では なく
サラの そういう部分を 一緒に楽しみ
濃い時間に 遊ぶ
自分の手から 生まれる料理は
今日も しっかり
サラの 心と腹を 満たす
「あんたは 何が したいねん」
忌まわしい記憶は 放り投げて
おいしいものを 生み出す 男
堂々と 料理愛を ひけらかす
怒ったあとは 食事を しては いけない
食後に 怒っては いけない
心配事を しながら 食べては いけない
食べてから あと 心配しては いけない
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自分の 人生の ピークって 何歳?
もしか したら また 来るかも しれない
午前7時
カラッと晴れた 火曜日
気持ちが いい 朝から青空は 数日ぶり
空は高く ときどき いい風が 吹く
去年と 同じだ けれど 違う
肌の色も違う 種類も違う 人間が
ひとつ 部屋の中で じゃれ あって
その中で 服を着ない と いうことは
必要不可欠だと 思った
高揚感を 味わった 濃い時間は
自分の中で 貴重な 瞬間
安らぎの部屋? ですか
バカ それ 老人ホームの事 だろが
午後3時
洗濯して パリパリに 乾いた Tシャツ
自分の たたみ方が おかしくても
『すごい じゃん! よくできたね』
笑顔で サラは 言い ながら
見えない所で たたみ直して いる
演技しながら 自分と 接する
いつも 機嫌良く いたい から・・か
自分で 変化を 起こすまで 何も 変わらない
自分の 生き方を 変えられるのは 自分だけ
その責任を 持つのも 自分だけ
何も残さない 自分 一代限りで 終わる
午後6時
冷やして おいた
白ワインの コルク栓
シュポ 小気味良く 抜く
グラスに そそぐ 香りを 頂く
海鮮や野菜の オリーブ油煮
あちち やっぱり 声が 出る
いつもは フランスパンを
オイルに 浸しながら 食べる けれど
パンに 具材を のせて かじってみる
おつまみとは 違って
オープンサンド みたいな 感じ
この食べ方も 悪くない
今日は ちっとも 寂しく なくて
次は あれを 作ろう これを 食べよう
楽しみな想像が 膨らんでくる
縁を 大事にする 不可思議な 引力
誰かと 最初に 会ったとき
縁を 感じるか 感じない かって
とても 大きい
縁が あるって 直感的に 感じると
自分の中で いろんな 気づきや
発見が 生まれていた

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だいじょ〜ぶ って
心から こぼれ 落ちた
「自分は もう 若者では ない」
背の低い 禿げ頭の 老人
自身の人生の ピークって 何歳?
今の ところ 年中さん かな
男に とって 生きる 目的は
若い頃には 何を しようか と いうこと
老いては 何を なしたか と いうこと
そうで あれば 自分は 何も なして ない
だから 老人でなく 年中さんか
フィリピンの 刺激的な 日々から
少し 学び 取った
それは 大雑把さ と 胆力
日本人は 事前に リスクを 把握
綿密な計画を 立て 物事を 始める
フィリピンでは
「とりあえず やってみる」
日本人の目には
無計画で 場当たり的と 映る
だが 計画しても
なかなか その通りに
進まないので あれば
まず やってみるのが
近道だったり する
フィリピン人の 知人が
「ここに来た 意味は 何だ?
閉じこもって どうする」
外に 引っぱり出して くれた
フィリピンは
刺激や 活気に あふれてる だけで なく
困っていると 助けてくれる
人の温かさや 懐の深さも あった
いろんな トラブルに 遭遇する
うめくか 叫ぶか 泣くか
または 黙って こらえて いるか
黙って こらえているのが 一番 苦しい
盛んにうめき 盛んに叫び 盛んに泣くと
少し 怒りが 減ずる
感情豊かな人に
手を 握って もらったり
ひたいを なでて もらったり すると
もう それだけで 神経が 休まる
この国と 自分
五分五分で 引き分けだったら よし
困難を 乗り越えて いける
子どもに 手招きされて 向かった路地
奥に進むと いい香りが してきて
土間の台所が 見えてきた
母親が 春巻きのような ものを
何本も 包んでいた
周りでは 子どもたちが 駆けまわり
「気を つけなさい!」と 怒られている
子どもは 何かを つまんで
どこかへ 逃げて しまった
自分は 一歩歩くのに
次の一歩が なかなか でない
子供の軽快に 走り廻る姿が
なんとも 自分には うらやましかった
人間とは ああも 機敏な ものか
別世界の生き物を 見る様な 心地がした
のぞくつもりは なかったのだが
台所を 見るのは 楽しい
その土地の生活が 見える
懐かしい光景に 思えて ほほ笑ましかった
この国に
魅了されずには いられな かった
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