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ダバオ通信 ヤン爺のラストライフ・ダバオ
Last Life Shift In Davao Philippines
フィリピン社会に戸惑う ダバオ隠居物語
「団塊 百年の孤独 老いの抗い」
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昭和に なったころ
カウンターの客を 相手に
目の前で 料理する方式が 創案された
板前割烹が 京都に はじめて登場
「割」は 包丁方
「烹」は 煮炊き・味付けの煮方
食べたことない 料理を 味わう 割烹
座敷で 庭を愛でながら では なく
板前と客 料理だけを 対面で 味わう
綺麗に整頓された台所と 客席が一体
合理性と包丁さばきの 美技
京都で魅せた 料理人
料理には 季節の空気が 大きく含まれる
南極に 季節は あるか ウイルスは いるか
もうすぐ ダバオは 都市封鎖解除
心が軽くなる コメディー映画を 手にした
南極基地で働く 隊員の暮らし
究極の 巣ごもり達人
料理番の目を 通して
地の果て 氷の大陸
そこで 働く男たちを 描く
「南極料理人」を 観る
舞台は「ドーム ふじ基地」
標高 3800メートルの 場所にある
平均気温は マイナス54度
高地だから ペンギンやアザラシ
ハエもゴキブリ ネズミは おろか
ウイルスも 生息できない 極寒の地
料理番の西村 30半ば 一見 頼りない
隊員たちに 工夫を こらした
料理に 腕を ふるう
氷雪学者の 本山
気象学者の 金田
医師の 福田ら・・ 他 総員8名
それぞれの仕事を 毎日 こなして いる
南極で 大事件が 起きるわけでは ない
夜は カクテルバーを開き 麻雀に没頭
昼は 氷の上で 野球と オフを 楽しむ
我々が 知らない 越冬隊員の
サバイバル生活を 覗かせて くれる
「同じ地球上の ことなのだろうか?」
そう 思うほど 想像を超える 氷の地
南国で 南極ブルブルに 浸る
「生きること」は「食べること」
生きるための 栄養補給だけでは ない
極地で 繰り返えされる
白一色 刺激の無い 単調な 毎日
生活を 豊かにする喜び・楽しみ
隊員の 人と 人とを つなぐ
つながりを つくる「南極料理」
厳しい 寒さのせいか
彼らは 貪るように
熱々の おにぎりや 中華料理を 頬張る
その 食べっぷりの 良さを 見つめてる
西村の おっとりした 笑顔
食べることが 一番の 楽しみ ながら
閉ざされた 暮らしへの とらえ方も
人 それぞれ
海上保安庁所属の 西村は
交通事故で負傷した 先輩の代役として
急遽 派遣メンバーに 選ばれた
車両担当の 御子柴は
大手自動車メーカーの 技術社員で
「俺は 南極に 左遷されたんだ
日本に 帰りたい」と 悲嘆に くれる
福田は
「ここに あと2〜3年 いたい」と
南極暮らしが 気に入っている
同じ人間でも 閉鎖生活への 耐久性が 違う
それは 現在の地球人も 同様で
家に こもって 気が滅入る人も いれば
楽しんでいる人も いるらしい
隊員たちには ドラマも ある
若い川村は 日本に残した 恋人と
極地遠距離恋愛中
1分710円の 電話を かけるが
会話が しっくり こない
金田は 夜な 夜な 食堂に 忍び込んで
インスタントラーメンを 盗み食い
食い尽くして しまう
在庫切れ と 知るや ショックを 受け
西村に 手作りラーメンを せがむ
「ボクの体は ラーメンで できてるんだよ」
ラーメンが ないと 死んじゃう
かつての 川島なお美のような 台詞
彼のおかげで 見終わった あと
無性に ラーメンが 食べたくなった
こわもての 本山は
電話で 妻に敬遠され
他のメンバーたちに からかわれる
その姿は いかりや長介に 絡む
加藤茶&志村けん さながら
基地の中 緩やかな時間が 流れる
隊員の顔色を 見ながら 献立を考える 西村
誕生日会 サプライズ料理で 盛り上げる
陽気な人が 作っている料理は おいしい
シューマイ 肉団子 おいしい香りが 漂い
そんな時 料理人の表情を 見る
西村が 作った 南極ギョーザ 最高!
おいしいものを 食べるから 陽気なのか
陽気だから 料理が おいしく なるのか
全員の無事帰国で 映画は 幕を閉じる
成田空港 出迎えの風景が とても いい
コロナ解除 晴れ晴れとした 気分のよう
フィリピン人の
幸福のバロメーターは「家族とマイホーム」
家での生活が 金は なくても 心豊か だから
家族が 24時間 一緒にいられることを 喜ぶ
「食べ物」
「安心して 眠れる場所」
それさえ 満たされれば
フィリピン人は 不幸を 感じない
医療体制の不備も 余分な金も ないが
家族と家に こもる ライフスタイルは
防疫の フィリピン南国基地
世界が 一変するような 経験
酒なしでは やっていけない 日本人が
手が 震えながらも 酒を 我慢し
一晩の読書に 勤しむ
その強さを 持って いたことを
自分が 初めて知り
内側への視線を 改める
自分と 向き合い 誰かを 思い
古い習慣を 変えて
新しい常識を 生み出す
「ご飯食べてる?」
「水分とってる?」大切な人から 電話
ネットで 拾った 笑えるニュースを シェア
どおって ことない 会話でも
自分を 気にして くれている事が 伝わってくる
心強かった
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日々 食べて 生きている
生きるためには 作って 食べる
寿司 そば うどんに カレーライス
オムライスまで
なんでもそろう コンビニ弁当
きんぴら ごぼうに
かぼちゃの 煮たのや
お芋の 煮っころがし
ひじきの 煮たのまで
小さなプラスチック容器に 入った
お袋の味も どっさり
お煎餅 ピーナツ
ビスケットにクッキーなどの
一人用の 食べきり おやつ
それだけを 見れば どれも
100円前後で 高くは ない
心のどこかに 芽生えてしまった
コンビニ依存症の せいで
日常の中に あった 緊張感が
そがれて しまうだろう か
深夜 ポツンと 冷たい蛍光灯の光
オアシスを 目指せば
空腹を しのぐだけの
食べ物 飲み物は ある
現代の暮らしは 手を かけなくても
簡単に 食べ物が 手に入る
日本で 独り暮らす 老い人は
それで 救われて いるだろう
フィリピンにも セブンは ある が
まるで別物 そう 都合良くは いかない
浦島太郎で 日本に帰れば
まばゆい食材に 目が 回る
人間の 食べる 楽しみを
大切にするなら 作って 食べる
――お〜い どうしてる
今日 16日から 封鎖レベルは
一般的な防疫へ 少し 自由になったぞ
制限付きだが モールも 再開される
庶民の足 ジープも 走り始める
酒の販売は まだ だって
でも どうだい ダバオの この熱さ!
夏真っ盛り 溶けちゃいそう
新年を 迎えた様な 気分だ
♪ Yeah, Hold me tight!
なんだ それ 下村
――南国 夏本番 食べて モリモリ
けさ 引き売りの オバさんから
アジ 買ったんだ
夏でも 食欲が 進む
ショウガを 効かせた
煮魚を 作ろうと 思ったん だけど
おまえと 昼から キューっと
ビールでも 飲みたくなってな
・・ コロナ騒ぎ もう 飽きたし
え〜 一体 全体 何が 本当なんだ!
世界の本当とは 何なんだよ コノヤロウ
下村よ
コロナ 本当に 存在するのか!?
おまえには 見えたか
――キョロキョロせず には
いられないけど
キョロキョロした ところで
俺たち ジジイの日々は
ほとんど 何も 変わっちゃ いない
春休み 2週間だった のが
夏休みみたいに 長いんだけど
おまえは ナニしてたんだよ
好きな シンガーソングライター
その人が めちゃくちゃな
ギターを 弾くんですよ
それを 今 コピーしてる
勝手に いつか 人に聴かせるって
なんとなく 壁の向こうにいる
誰かに 向かって 練習して
「ほら こんなにうまくなった」って
いも しない他人を 設定して
そいつに 聴かせるために 練習してる
――憶えてるよな 時代の週刊誌
「週刊プレイボーイ」「GORO」とか
「ホットドッグ・プレス」
新人類とか 言われて 常識なんか ぶち壊せ
なんて 意気がった けど 時代を 変えたよな
今は 更生して つまんない まじめ
背筋が伸びた 立派な爺に 私は なりたい なんて
いいか 下村
ブーゲンビリアも 人も
反省など しては いけない
たかだか 百年にも 満たない 人生
他人を 傷つけなければ 殺めなければ
あとは 好きに 生きていけば いい
そう言ってた ブーゲンビリアがよ
剪定していた 自分の指先を ブス
鋭く固いトゲで 傷つけた
なにすんだよ テメ〜
案外に 流れ出た血を 見ていた
――男って 血に 弱いよね
バラも 反省しない
他色との 比較も しない
ただ 咲くだけ
―― ・・
より良く 見せようとして
身の丈を越える理想に 縛られた時
咲き誇ろうとしていた 花は
そこで 散ってしまう もんだ
そうだよな 下村
反省から 学べば 人は 小さくなる
植木鉢の中で 生きるなら それも いい
人生で 大切なことは 泥酔に 学ぶことだ
それが だよ 今 防疫で 酒 師匠が いない
しらふで 生きる 酒飲みなんて 情けなくて
酒を飲んでいる 自分が 正気で
飲めない 現在の 自分は 狂ってる
酒を断たれた ことによって 生まれた
精神的症状で 訳分かんない事
喋ってる まあ 聞け
酒が 切れてるって 躰は な
いろいろと 嗅ぎ 分ける
“鼻が きく”と 女に 言うと
“えっ!”と 警戒された
人は 香りに 平気では いられない
香りを 嗅ぐと 一瞬にして
脳が 動きだし 記憶が よみがえる
思い出したくない ことですら 思い出す
「女には お金で 解決できない
悩みなんて ないんですよ」
女は 手足の指を
うやうやしく 手入れして もらう
心は 少しだけ 確実に 上向いて いた
足浴を したら
専用の器具で 丁寧に 爪を 切ってもらう
自分では できない 甘皮の処理を 任せ
かかとは 肥厚した角質を 削って すべすべに
この時点で
硬くなった 心も だいぶ
柔らかく 変化している
足の爪は 普段の生活で
人目に 付かない部分で
大胆に 色で遊ぶ
10本の指 すべての爪を
違う色に したり
黒や紺など 手の爪に 施すには
少し勇気のいる色を 選んだり
カラーチャートを 見ながら
好みの配色を 選ぶ 楽しさ!
心が 明るく泡立って くる
ネイルが 乾くまでは
ふくらはぎを オイルマッサージしてもらう
これ以上の 贅沢は ない
これ以上 人に 優しく扱ってもらえることも
そうそう ない
たっぷり 2時間
女の心は 確実に上向きになったの だから
すべてとは 言わない
女には お金で解決できる 悩みが ある
男の台詞は いつも こうだ
一緒に いれば いるほど
長い時間を 過ごせば 過ごすほど
お互いを 愛せる関係
そんなものは 幻想だと 思うかい
わたしが もっと 歳を とって
髪も 薄くなって
これから 長い月日が 経った あとも
バレンタインや 誕生日には
ワインを プレゼントしてくれる?
男と女も
旨い酒と旨い肴も
対に なっている
酒を飲む人生 と 飲まない人生
死んでから ゆっくり 考えるから
今は 酒を 浴びるくらい 飲ませろ
これから 見えにくかった
格差みたいな ものの なかで
生きなきゃならない人が 多くでるよ
今度 話を 書いてやる
『ソウリは わるの チャンピオン』
コロナ・ニュースなんて うんざり
もう いらない だろ!やめような
下村は 何言ってるか わかんない
狂ってるな あんた そんな顔 してた
自分の 長い話を 口を挟まず 聞いてくれた
――メディアは ノウタリンだもん
死者数で 恐れを あおる ばかり
回復した人の 普段の食生活とか
亡くなった方々の 生活習慣の
実態だとかを 報道できない ものか
不謹慎なのか だけど・・
亡くなった方も 残る者のために
それは 本望なのでは?
毎年の インフルエンザでの
死亡者数との 比較なんかも
前向きに 伝えて もらわないと
風邪か コロナか 分かんないだろ
笑っちやうん だけど
買い物に出る 回数 減っただろ
財布の中のお札が 減らない
増えも しない(これ皮肉?)
みるみる澄んできた 空気と水
野生が 洗われてるよ

――そう それで いいのだ
下村の家には
まだ 酒の在庫が あるらしいのを
知ってて 自分は 言っている
ビールに合う アジフライ どお?
――アジフライって 家で 作ると
衣が べたっと なって マズくないか
俺 アジを さばくの 苦手
三枚おろしに すると
食べるところが なくなっちゃう
下村 笑いながら そんな謙遜を
彼は かなり包丁を 使う
――お店で食べる アジフライって
衣が バリッと 立ってて
すごく おいしい じゃない
アジは ぷっくり おおぶりだった
家で作っても 旨いよ
衣をつけて 揚げるだけ
腹開きして フライに
乾燥バジルを 混ぜて 揚げる
爽やか風味に なる
――武士は 腹開き 嫌うらしいぞ
俺たち 町民だから 関係無い
♪ダバオ バージョン・アジフライ
卵と水 小麦粉を 混ぜ合わせたのを
「バッター液」って 言うんだけど
これだと しっかり パン粉が 付く
手間も かからない
「バッター液」に くぐらせ
アジに パン粉を つける
あまりぎゅっと 押すと
衣が ペタッと なってしまう
優しく押して パン粉を まとわせる
――えっ! 揚げ物って
小麦粉→卵→パン粉の 順番だと・・
中温の油で 揚げるんだけど
一度に たくさん揚げない
一度に 入れると 温度が 下がり
衣が ベタっと なっちゃう
おいしくなるかの 分かれ目
火加減 最後まで 焦らず
ゆっくり油に入れたら いじらず
火が 通ったなと いうところで
優しく ひっくり返す!
オイ 下村 今 何か違う事 想像したろ
――おお 衣が 立ってるな

濃厚ソースとカラシでも いいし
玉ねぎ効かした タルタルソース でも
さっぱりレモンと塩で いただくのも あり
キャベツの千切りも 用意できた
――では 俺は ビールの準備! と
下村 自宅に 酒を 取りにいってくれた
――白ワインも 開けよう 昼だけど
そうだな まず 吞もう
昼時の テラスに 出た
拙宅のテーブルは 8人掛け デカい
風が 東から西に うごいている
――え! なに それ?
「アジの酢じめ」冷やして おいた
アジを 塩と酢で しめる
魚を おいしく食べたいという
先人の知恵 たいしたもんだ
アジやイワシが 身を太らせている 夏
刺し身用に 三枚おろしにして「酢じめ」
青魚は 身が軟らかく 傷みやすい
それを カバー したんだね
塩で水分を 抜き
酢が菌の繁殖を 抑える
味を つけつつ 保存性を 持たせた
食べた時に がっかりしないよう
小骨を取っておく ひと手間
酢じめ どお・・
・・ 旨いと 人は 無言
ダバオの空を テラス越しに 眺めた
全身を 投げ出して くつろげる
居心地の いい場所
コロナの夏 もう 終わるな
今 政府を 信じない
みんなが そう 言い始めた
――うん
なあなあで 中途半端だから
コロナの失政も
みんな 頑張ったで
曖昧に 済まされちゃう
痛みも 何も 気にしてないって 顔
誰かが してる
下村 怒ってる
――怒ってない 情けないだけ
政府の決断が 脆弱で
責任を 持つのか はっきりしない
だから 国民が 迷って 不安になる
いつも 何か あったとき
国も地方も「お前のせい」
そう言われることを 恐れ 動けない
決断能力と素早い意思決定に 欠けた
自分は 無言で頷き 話しを 促す
――今 政治家の 多くは
市民生活感覚や 想像力に 欠ける
うん
――フィリピンの 政治の事は
よく分かん ないけど
大統領が 常に 国民に語りかけてる
国民を 豊かにする ために
やりたい事が 一杯 あるんだろう
だが いかんせん 国に 金が無い
それが 悔しいのか
会見では 時々 涙を 堪えきれない
娘の ダバオ市長も 信頼されている
国民と 一体に なっている
その事 だけは ハッキリ分かる
世界では 誰を 信じる かって
難しい問題が 出てきてる
――そうだな
今 誰を 信じればいいのか
俺には 分からない 難しい問題 だ
下村 額に 縦じわを つくっていた
安倍総理も 国民を 思うなら
自分のクビが 飛んでも
いいくらいの 覚悟で
大胆な政策を 実行して ほしい
プロンプターて いうの あれを 使い
誰かが 書いた 原稿を 読むだけ
自分の言葉で 国民に語りかける
ドイツの メルケル首相や
台湾の 蔡英文総統
日本の首相に 同じ次元を 求めるのは
無理な 相談なのか
専門家会議を 開きま〜す
千手観音は まだ 来ないのか?
彼女は まだ 手を 洗っています・・・
ソウリ:四面仏も いないようだが?
マスクが 届いてなくて 参加できません・・・
今日の専門家会議は 中止と しま〜す
――これを機会に 日本人も
フィリピン人の ように
他人が やってくれないことを 前提に
個人や 家族の能力を 上げ
自分自身で やる覚悟を 決めて
人と連帯感を 持つしかない と
そこに 気づけば
心に傷を 負わずに 済む
躰の中で
何が 起こっているか なんて
分かんないん だから
さぁ 今は 吞んで 食べて
コロナは 自然の事だから
ジタバタしない
日常は 一瞬で 変わる
不安や不信感を バーンと 跳ね飛ばす
強くて潔い存在を 示している 丼?
いわし丼 その前で
「参った!おまえ 最高!」と
両手を挙げて 笑顔で 降参した 下村
10年後の躰を 作るために
今日の料理を 作って 食べる
命 ギリギリ セーフかな
未来の自分が 笑っていて ほしいから
今の自分が この先の自分を つくる 料理
大病せず みんな 元気な ジジイで いたい
未来の みんなのためにって いう 食事
健康を保つ 心を 消極的に させない
不安が スッと 整った


























