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           ダバオ通信  ヤン爺のラストライフ・ダバオ 

              Last Life Shift In Davao Philippines

   

            フィリピン社会に戸惑う ダバオ隠居物語

                  「団塊 百年の孤独 老いの抗い」  

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んま 苦いか 塩つぱいか」

悲恋の愁嘆と葛藤を 吐露する

 

小津安二郎監督の遺作映画「秋刀魚の味」

本編に 秋刀魚など 影も形も 出てこない

娘を 嫁に出す 父親の心情に

サンマの苦味が 重なるということか

愛する人の 不在を 感じたときに

ふと思う うまさと苦さ

それが 監督の 秋刀魚の味だったの だろうか

 

落語「目黒のさんま」は

殿様の 世間知らずを からかう

庶民の味だからこそ 万人納得の狂言回し

 

 

脂の乗った 安価で おいしい 昼のサンマ定食

漁船から大網でつり上げられた 満杯のサンマ

太陽の光を受けて キラッと銀色を跳ね返す

岸壁に横付けされたトラックに 山盛りに積まれた

トラックが動き出す ぽろぽろとサンマが こぼれた

カモメがついばみ 近所の人が バケツに入れる

誰の顔にも笑顔 活気ある 港の風景が 過去にあった

 

過去4年続く不漁 秋空が曇る

TVに映ったサンマ 痩せて 小ぶりだった

 

温暖化による 近海水温の上昇

サンマは 水温15度以下の海域を 回遊している

中国や台湾による 公海上の先取りも 

一因に挙がる

 

魚屋で 1尾100円で 購入できた

「脂の のったサンマ」

庶民の口には 入らない 高級魚になる

秋刀魚が 食卓から消える

 

 

輸入ものが 主流となり

「サンマは 北京か台北に限る」では 

滑稽話にも 洒落にもならない

 

此処では 韓国食材店で 冷凍サンマが 売られる

 

やぁ! みなさん ごきげんいかがですか

あなたの心と躰 お変わり有りませんか

ヤン爺です 今日も ダバオにいます

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の10年」ーーと 聞いて

いつのことを 思うだろうか

 

列島を 熱狂の渦に巻き込んだ

GSブーム 永遠に続くかと 思われたた

急速に GSブームは しぼみ

わずか 宝の2年の栄華に 終わった

 

過ぎ去った キラキラしていた20代? 

家族のため 懸命に働いていた30代?

それとも まさに「いま」だろうか

それとも これからか・・

 

ロカビリー ビートルズ ミニスカ フリーセックス

全共闘 赤軍 内ゲバ 平凡パンチ 朝日ジャーナル

リードし 扇ぎ捲った 団塊が 老境に入った

今は 静かに舞台下手へ 去りつつあるのに

「元気を 取り戻せ」って・・・

 

15年の後 団塊たちが ほぼ 死滅する 

寿命まで 宝の10年 何も心配することなく

日本が 老齢の者にとって 理想の国

他国に尊敬される 楽園であって 欲しい

 

 

震災が 起きた後

「生きる」に 対する 日本人の捉え方が

バブルから続いた 豊かな時代とは 

変わるのでは と 思った 

でも 変わらなかった

 

それどころか ものすごい勢いで

3.11を 忘却していこうと している

 

平成の30年間で「生きる」ことに対する

日本人の考え方は 大きく変わらなかった

 

人を見るときは それとは 違う

人そのものを 見つめる力

人間が「生きている」と いうこと

そのものに 触れていこうとする 姿勢

 

そういう感覚が あると

高齢化社会などに 対して

日本社会が どうあるべきか という

哲学が 持てるのでは ないかと

 

 

戦後日本を リードした団塊が 元気を 取り戻し 

若い世代が 新たな文化を 創造できれば

日本は やっていけるよ   本当だよ?

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を 大切にしながら 生きてきたのか

自分らしく 生きるために

これから 何を 大事に 生きていくのか・・

 

歳を 重ねなければ 感じ取れないことが

いっぱいあると 知りつつある 今

生きてれば これからも 様々な事が 起こる

けれど 全てを 受け入れて 面白がれば

「今が 一番!!」だと

 

人生 なにごとも

帳尻合わせは あとから来るに 決まってる

だから 今が いいのだと 老賢の恵み

 

これからを 黄金の10年に したい 

 

え! いまから ですか?

 

フィリピンに移り 暮らしを 立て 15年超

生まれた場所が 最高の居心地で あれば

日本から異国に 旅立つことは なかった

 

 

「生き延びるために 異国に逃げる」

「理想の場所を 求めた」前向きな活動

犯罪者も フィリピンに紛れる だから誤解される

 

望んだ結果に ならなかったと しても

自分の選択を 引き受けなければ ならない

選んだことが 今の現実を 構成することを 自覚

これが「選んだことを 引き受ける」と 言うこと

 

選んだ異国で 生きるしかないことに

諦めではなく 勇気と愛をもって 取り組む

選んだことを 正面から 引き受けるとき

その心の別名が 愛であり 勇気

 

共通の正解は ない 自分は 一人であり

選んだものを 自分で 正解にしていくしかない

 

フィリピンに対して 他人事では ないから

既に 肩書きや 年齢も関係なく 素の自分の存在

それで これまで 此処で 生き延びて こられた

満足など 求めていない 安全に 住み続けたい だけ

 

他人事で 別のフィリピンを 楽しんでる人も いる

いろんな観点で 宝の10年を それぞれが 希求する

 

 

多くの 同輩が 既に 死んでいる事を 思えば

「よくぞ ここまで 生き延びて きた!」

ありがたい気持ちが こみ上げてくる

 

情報や知識は 学校で教わる

「生きるための知恵」は 学校で 教えていない

「人が 生きるって なに!」 

生きる上で  一番 大事な 哲学!

本質を 知りたいという気持ち

自分で 学ぶしかない

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の海に入るようで 怖じ気づいていた 自分

日本と違う異国へ  頭の栓を抜き 閉塞の外に出た

『何が 自分を 勇気づけたのか』

 

世には まだ愛すべきものが 無数にある

美しいものも 無数にある

自分の住む世界も 日本ばかりとは 限らない

世界は 広い ここしかない はずが ないし

この道しか ないわけが ない

栓を締め回したら 脳は 酸欠になる

 

日常 いつ 何が 起こるかなんて 誰も知らない

非日常に 何かを 見に行ったりした時の刺激が 

自分と掛け算されていく

そこには「こうなったら いいな」が 

組み合わされ 面白さが ポロポロ 出てくる

 

そんなこと言うんなら タヒチのほうが いいじゃん

「なんとかじゃん」みたいな 批判的な 自分がいる

 

その批判的な 自分を

フィリピン生活者の自分が 説得してる

 

 

19世紀後半から 20世紀にかけ

画家やシンガーなど アートに 心捧げた人々は

失われた楽園を求め タヒチを 目指した

 

彼らを 惹きつけて やまなかったもの

何を探しに 何を求めて タヒチに 渡ったか

 

タヒチの ファカラバの海と空の色は

マティスの記憶に 刻まれた

晩年の作品『ブルー・ヌード』のような

明るく深いブルーの空と海に 包まれていた

 

大切な人の裸を 初めて見た時

浴室で 体を洗ってもらっていた

女の人の裸は こんなに美しく 柔らかく

たっぷりと 温かいもの だったか

 

赤ん坊は 服を着て生まれては 来ません

命の象徴としての 裸を見つめる

 

 

日本じゃなく なぜ フィリピンなのか?

 

と あなたは 自分に 再び問うた 

 

できるだけ わかりやすく説明していたら

話しを遮られ なるほど あなたが 移住したのは

新たな ご縁を 此処で つくることだったのね と 

この人は 勝手に 決めつけた

 

日本の近親と縁切りしたくて 此処に 逃げたのに

「縁」という 忘れたい言葉を あなたは 使った

 

あなたって 自分を 誤摩化してるだけよね

じくじく 真理を突いてきて ドキマギした

フィリピン暮らしと 日々の現実的な生活と 

ご縁の言葉が 繋がった 膝が 抜けた

 

膝が 抜けた?

 

カクンと 体が 反応しちゃって 立ってられない

膝が曲がり スクワットみたいな 姿勢になった

 

自分の内側を 突かれたのは 事実 

逃れた縁 無意識に此処で 手を出そうとしたのか

そんな自意識 手放し捨てたものなのに・・

 

 

自分の やってる暮らしは

フィリピンと 縁をつくること だったのか

いや違う  特別なことなど 何も していない

ただ 自分を 平等に扱い 居させてくれる国

 

 

フィリピンが 好き だけじゃなくて

この国と 出会えてよかった 安堵だけが ある

 

人間の根源にある 残酷さや 可笑しさを

引きずり出すかのような フィリピン

本物より 本物らしい圧倒的なリアリティ

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ぬには いい朝だ

 

 

息をひきとる間際

背中をさする 大切な人に むかって

多生の縁だねって 言った

 

教会で 生前葬を することにした

 

バカな事 しないでよ!

甦って フィリピン人にでも なるつもり

 

違う!

 

きれいさっぱり 生まれ変わる

その上で 命の限り 自然に生きる

老残の 日々を思えば 束の間の宴 

人生に 鮮やかな色を つける

これから 宝の10年に な・・

 

イエス様 気取りなの 不遜でしょ 止めてよ

 

愛を捧げられる存在

大切な人と 自分を もっと狭めるために

自分を初期化する そのほうが 面白い!

まっさらの自分 宝の10年を慈しめる

 

新しい 何かに出会うことと

それを 失うこととは 裏表一体

いちばん大切な人を 明日 失うかもしれない

そういう怖さを 抱えているか いないかで

人生を 大事にする方法が 全然 違ってくる

 

どんなに いろいろな人が 死のうが

自分にとって 大切な人が 死ななければ いい

本当のことって そういうことでしょう

命って そういうことだと 思いますね

 

母が 106歳で 亡くなった時

やっと 解放されることに 安堵する自分が いた

自由を得た あの気持ちは 何だったのだろう

 

血縁を 重視したがりますけど 血の繋がりより

大切な人と どんな 濃密な時間を 共有してきたか

そこにこそ 縁と言う価値がある そう思う

死を 左右するのは その価値にしか ない

 

「大切な人に 世話されるに値する 人になる」

 

白く輝くシャツを まとい

大切な女(ひと)に エスコートしてもらう

自分の姿は まるで 結婚式のよう

 

この生前葬で 自分は 初めて

大切な人の 親戚を 目の前に 見て

「うわーすごい ファミリー家系図!」 

 

ヒトガタ家系ツリーを 全員で並び 作った 

目の前に 生きる者の家系図が 広がる

この浮世を ぞんざいに生き切る群 

パチンと 音が鳴るように 合致していった

 

飛行機が 日本を離陸する瞬間に 決意したこと

忘れていない  独立しよう 名前は「goen」

 

年老いた者の 独立記念日

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ょっと前まで 自分が「待つ」という行為に 

集中できないと 痛感させられていたんだよね

 

それで ふッ と 思い出した

 

以前 エジプトのピラミッドを 見に行った時

たくさんある ピラミッドの中で

まったく 無名なところに行った 

まるで 人が いない

でも チケットをもぎる おっちゃんが 

そこにも ポツンと いた

いつ 誰が 来るか わからないのに

おっちゃんは 水筒だけ持って 

ただ 待っていた

 

自分だったら 時間が 勿体無いから

本読んだり してしまう

 

ただ「待つ」という行為に 集中してる 

おっちゃんに あきれた

 

それで 戻ってから

自分も「待つ」ことに 集中してみよう と

でも カップラーメンに お湯を入れて

出来上がるまでの時間すら 集中できない

じりじり してまうんです 待てない

そんな自分に ちょっと ゾッとした

そこから 訓練して 

5分は 待てるように なったかな

 

 

フィリピンで ひとつ 何かの価値を 得る

ご縁や ただ待つ その言葉に スッキリした

 

 

『体の中は 水が 7割』と いうくらい

必要最小限な生活を ここで 全うしたい

でも そんな自分の姿を 見るというのは

どこか おぞましいというのが 先に立つ

 

恥ずかしいし

でも その恥ずかしさと 向き合う

みんなが いるところで 泣いたり

叫んだり するんだもの

恥ずかしく ないわけ ないですよ

 

人間としての評価 自分では できない 

わかんない と言うのが 正直

 

フィリピンよ 自分の何かを 勝手に 変えたのか

 

南国拠点生活 フィリピンの歳月は

自分の角をとり まるい男にした

なんだか 誰のことも 愛おしくなるときが ある

ぎゅっと 抱きしめたくなったり

急に感動が 湧き起こり 目頭が 熱くなったり する

「うれしい」を 言い換える「悦楽」だと

 

 

苦しさ 恥ずかしさ 惨めさ 隠された凶暴

この世を 生き切る醍醐味

ちょっとした希望に 思い巡らせた 一日

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分が 自分でなくなるような 瞬間

 

南の島の夕刻

一日が 終わった後に飲む 

酒の 最初の一口

この一瞬で 自分は 解放される

 

一口目だけ?

 

まあ その後も おいしいんだけど

一口目を 飲んだ時の悦楽 何にも 代えがたい

あの 一瞬の快感には なにも勝てない

 

 

飲酒は 自分を なくすための儀式

ありのままの自分では 絶対ない

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