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ダバオ通信 ヤン爺のラストライフ・ダバオ
Last Life Shift In Davao Philippines
フィリピン社会に戸惑う ダバオ隠居物語
「団塊 百年の孤独 老いの抗い」
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アイスクリームや かき氷
急いで食べた時に 頭が キーンと痛くなる
医学的な名称も「アイスクリーム頭痛」
年を取って 食べ物が 喉を通らなくなった とき
ハーゲンダッツの バニラだけは すいすい 食べられる
「溶けない記憶」が 呼び起こす ひと夏の恋
どうして 恋に落ちたのか 分からない まま・・
アイスクリーム食べて キーン
「あの人 今頃 どうしてるか」
日本での 出稼ぎ終了
色白になって ダバオに戻った「マリー」32歳
働いた 工場の近く とある かき氷との出会い
自分が 本当にやりたいことに 気づき 決断
通年売れる ふる里で かき氷屋を 始めた
バンケロハン市場の 端っこ
屋台の権利を 運良く買えた
人々が ちらっと 店を横目に 通り過ぎていく
じわっと 汗をかく暑さの中
外の風を 感じるカウンターで かき氷は うれしい
小振りで 高さのある ガラスの器が 並ぶ
そんな中 母親が 親友の娘「ローズ」を
ひと夏 あずかると 言い出し
開店した かき氷屋を 手伝ってもらうことに
日本で 一日三杯もの かき氷を 食べたり
かき氷が 異常に好きになった マリー
かき氷の上に かかっている
どぎついシロップに 疑問を 持っていた
あの甘さは 行きすぎている
マリーの かき氷屋の メニューは
きび砂糖のシロップだけを かけた「氷すい」
マンゴーの濃縮ジュースを 加えた「氷マンゴー」
かき氷屋を やる 自信となった ハロハロ
南の島の 果物を使った「氷パッションフルーツ」
それだけの ラインナップ
日本の抹茶とあずきの「氷宇治金時」を 開発中
あずきの 甘さを引き出す 塩のいいかげんが まだ まだ
東京は 合羽橋で 手に入れたという
手動の レトロな かき氷機で
『いとしのエリー』を 口ずさみ
氷を シャリ シャリ削っていく 力のいる作業
氷が削れていく様は 見ていて 涼しい
ほどよい高さの 氷の山が できたら
濃縮還元ジュースを 使った シロップを
たっぷり回しかけ フレッシュミントを乗せる
ひと口 ふくめば
フルーツの ほどよい甘さと
氷のひんやり感が 口の中に広がる
ダバオで 涼をとる ピッタリの一品
昔なつかしの 荒くガリ ガリ削った
かき氷を食べると まさに「冷たいー!」
頭の芯 キーン きてます きました
やぁ! みなさん ごきげんいかがですか
あなたの心と躰 お変わり有りませんか
ヤン爺です 今日も ダバオにいます
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懸命に 真面目に 生きてしまえば
とんでもない女だと 腹が たち
汗 びっしょり それも そのはず
この話のモデルは 自分自身だから
いや こんな話し やめておくべき かな
男も女も 身に覚えが ある
震えがきて さーっと 血の気がひき
怖いもの見たさに 突入する
全身 汗で ずぶぬれとなり
頭が ひんやり 覚醒した
男らに 共通するのは 愛を求めて 彷徨し
精神的な傷を 負う 半矢
「サンパ・ギータ」ホテルの 指定された部屋には
鍵が かかっていなかった
軽くノックして ドアを押してみると すっと開いた
旅疲れしている男は 五分刈りの頭髪が 相当にのび
顎や鼻の下の無精髭も のびていた
空港に近い町のホテルは 垢ぬけせず 野暮ったい
こんな町で 女と過ごす男に 幸福な男なんて
いるはずが ない
男は 盆休みにかけて
情を通じた女と 旅に出ていた
女とフィリピンの夏を 過ごす
家族より 女に自分が 愛されていると 思うのか
常より 情熱的だった
その瞬間の 行為の中にしか 目的は ない
文章でも 絵でも 音楽でも 一緒だと思う
宇宙の喜び 飛び散る汗と悲鳴「Ride On Time」
ベッドで 女と寝ている さなか
真夜中だというのに 電話が かかってきた
男は 女の首を 左手で巻いた肘で 体を ささえ
枕の端に 突っこんだ ケータイを とりあげる
時刻は 23時54分
男は「腰を引きつけようとする女」の 口を ふさぎ
右手のケータイを 耳に押し当てる
「別れて下さい・・」
旅さきのホテルに 妻からの電話
「男が できたのか」
「・・ はい」
「どこの どいつだ」
妻とできた 男の正体が あかされ
あっ!と あやうく 声が 出そうになる
かろうじて 声を のみこんでいた
隠されてきた 真実
妻の言葉が もつ
「呼吸」や「テンポ」や「波長」が
「ともぶれ(共振)」を 起こす
自分の頭のなかで
膠(にかわ)の塊のように なっていた 思考のだま
ゆっくりと とろけて 押しだされた
人は 安易に 良い 悪いと 線を引く
現実は そうでは ない
自分に「ダメ人間」と 線を 引こうとする
しかし だんだん 線を引けなくなっていく
騙し 騙され 揚げ句の果ては トホホに
誰が それを 裁ける?
なんでもない 日常生活の中に 潜む魔界
半分 老衰のせいか
頭が かすみかけていたのが ピリッと 冴えてきて
生きているのが また 愉しくなった
すべて 人間修行だろ あきらめろ
人に おもねすぎたよな
長寿の秘訣も 男と女との関係も
いいかげんさに あるのでは ないでしょうか
品行方正が 正しく 正解? 誰かが 決めた
世の中 面白く なくなっていた
いいかげん とは 塩梅であり
いい湯かげんの ことで ほどほどが よい
生真面目に 余裕もなく 生きてる男というのは
虚像を愚直に信じてる 見ていて シンドイ
「正しさ」だけを 追えば 息苦しい
肩の力が 抜け
何かのためという 大義名分など ない
目的のないための絵 努力の跡が見えない作品
その作品となれる男 いいかげんが描く男
「キャンバスの裏には 何もない 表が全て」
世の中なんて 気まぐれで 移り気で 浮気
生きることは たえず わき道に それていく
無理矢理 前を向くことも ないだろう
人 誰しもが 真っすぐ 立ってる わけでは ない
誰の目も 気にせず 生きてるほうが カッコいい
世の中には VIPルームに入ることが カッコいいとか
お金を持ってることが 幸せだと 考える人も いる
男が 何かに 夢中になって「狂えてる」様
自分が やってることを どれだけ 信じられる か
自分の人生を 守ること
ゆっくり そばにいて せかさずに
寄り添ってあげたい女(ひと)に
しみじみした時間を 使う
セックスは 相手を知ること
時間をかけて 互いに 耳を傾け 語り合う行為
セックスが すべてでは ない
関係性について 話し合うことも 重要
二人の関係について 語り合えることは 大事
お互いに とって いかにしたら
良いパートナーに なれるのか
それは 単に セックスに ついてだけ
言えることでは ないから
セックスだけでは なく
パートナーが やることに
ちゃんと 興味を持って あげられるか
非常に大事なことだと 思う
愛される努力 大切なのは 常の 男の笑顔
努力の仕方を 間違えると 不幸は 確定する
ユーモアを 大切に 楽しいひと時を 続ける
楽しいひと時の連続は 最高の人生
「イイカゲン」で「しなやか」
「狂気」狂えてる男の カッコよさ
男と女の関係は それだけで つづいていく
「天国と地獄を 同列に見せる性」そういう 人間認識
いい人も ゲス男も どれも みんな自分の顔
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自分の力で 生きている などと
おこがましいことを 考えません
考えていない 考えている ふりをしてる だけ
毎朝 目をさましたとき
生きていることを 感じ それを 喜ぶ
抱擁し じっと していれば
心と身体が 繋がる 本能に逆らわず 生きる
生きていくことは エロスだけ じゃない
自分が どう 生きたいのか・・ それだ
自分は 一人
選んだ女(ひと)が 自分を 此処で 正解に導く
自分を 大切に思ってくれる人との 関係
将来への短い道程 選べる自由など
自分の生活は フィリピンで 大いに 揺さぶられた
行動しない理由は いくらでも 作れるが
自分が 人生の主人公 目をそらさずに 生きる
フィリピンは 自尊感情を 培養しても くれた
自分が いま 異国にいること事態が そうだ
人生には 思いもしないことが 起きる
だから 誰かの マネをしたり
アドバイスを 間に受けて しまえば
他人の人生の 脇役に なってしまう
自分の人生の 主人公は 自分自身
人生は 偶然とはいえ やり方は ある
良い偶然が 起こりやすい状況を 増やす
悪い偶然を 起こりにくくし 試行回数を 増やす
自分の人生を もう少し 自分で
コントロールできるように なりたい
生き延びてさえ 居れば なんとかなる
「死ぬから」でなく「生きてたら 何しようか・・」
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自宅に ただ 一人 自由に出入りしてる女性が いる
人のために 時間を費やすのを 制御してる
外で 一緒に 楽しむのは 好きだけど
家で「おもてなし」と いうのが 苦手
独り身だから 手が廻らない
自分のために 誰かが
何か してくれるということは
子供のころから 諦めていた
親にも 相手にされず
存在しなかったような 男 それが 自分
自分で 生きていくしか なかった
早いとこ 家族から 離れ
自分の居場所を 見つけ 家を 出て行こう
そのために 早く仕事に 就きたかった
長い時間を経て ようやく
「これまでの自分」と「新しい役割」を 一致させた
自分も 自分の周りの人も ダバオで 輝かせる
ひとりぼっちの自分が ダバオで 出会った人
唯一 声を掛けてくれた 女性への思い
自分は ダバオで ジジイに なった
だが まだ 底を見せては いない
もっと 面白いジジイ
もっと 危ないジジイ
もっと 不可思議なジジイ
自分にも分からない まだ 見えていない
何かを 秘めて いそうだし・・
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好きだの 嫌いだのって 言ってられなく なった
必要に迫られて 台所に立っている
と言いながら 広くて 明るい 快適な 台所で
多様な調味料が あちこちから 出てくる
おもいきって 買った 中華風鉄鍋は
熱伝導と深さを調べぬき やっと 手に入れた
高かった けれど 炒め 焼く 蒸す 煮るも いける
毎日使う 手首を痛めるくらい 分厚く 重い
料理なんて 恋人の ひとりも 現れたら
誰だって きっと すぐ とりかかりたくなる
塩ゆでの茸入り雑炊に 鶏肉や ザーサイが
足されていくのは 時間の問題
自分は しばらく 引っ越しを しないだろうし
15年かけて やっと 快適な住まいを 見つけて
料理を しない理由が もう 何も 残っていない
料理するようになれば 気付く
食べ手のことを 考えながら作ると おいしくなる
自分が 食べるものを 作るのとは どこか 味が違う
ダバオの台所 知人の女性 ランチ作りますけど
「一緒に いかがですか・・」
オッケー じゃあ 料理始めるわよ
幅の狭いコの字型の キッチンに立ち
小さな手で 玉ねぎを つかむと
アマドゥさんは すばらしい手際の良さで
皮を むき始めた
「さあ 始めましょうか ワインにする?」
ほぼ 初対面に近い 自分を 自宅に 招いてくれた
Amadou Ly(アマドゥ・リ)さんは
朗らかに そう言って
自分の緊張を するっと ほどいてくれた
はじめて 逢ったのに 気が楽で
話が いくらでも つづきそうだった
先日 『「カッコいい」とは 何か
そんな本を 読んでいたら
「カッコいい人」60年代は 三島由紀夫さんが
カッコいい男性 No.1
三島さんは 礼節に関して 厳しかった人
自らは 天に属する者であると 自認していた
天才の条件も 色々あるが 短命も? 天才の条件
三島さんは「時間がない」と 言いながら
早いこと 死んじゃいましたね
さぁ できたわよ
差し出された トマトソースパスタが
しびれるほど おいしかった
トマトのコクと甘み アルデンテの ゆで具合
爽やかなバジル 隠し味が ありそうだ
「一体 何が 入っているのだろう」
「特別なことは していません
トマトも 缶詰を煮詰めた だけ だし
あッ! にんにくは 入ってます」
トマトソースのパスタは 子どもたちの 大好物
昔から よく作った 我が家の味みたいなもの
たまに 作らないと 味が 鈍るので
いつでも おいしいのを 作れるようにね
一年中 手に入るとはいえ
夏のトマトのおいしさは 格別
水煮のトマト缶に 生のトマトを加えて
太陽の香りが 漂ってきそうな
この季節ならではの トマトソースを 味わった
音や色 香りが
おいしく作れるポイントを 教えてくれるの
ニンニクを じっくり温め 香りが たったら
タマネギを 炒め始める 頃合い
ジュージューという音が しなくなったら
水分が抜けた 合図
その頃には タマネギが 色づき始めるので
生トマトを入れ トマトが 汗をかいてきたら
水煮トマトを 加える
煮詰めている間も じっくり観察
縁の部分が 煮詰まらないよう
時々かき混ぜて ソースを 凝縮させていく
パスタとソースの分量は 1対1
1人分が 手軽に作れて
コンロが 一つでも できるのも うれしいですね
オムレツにかけても おいしい
おいしいものを 生み出す達人として
堂々と料理愛を ひけらかして ほしい
アマドゥさんは 「カッコいい」ウイドウ そう未亡人
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南国で 自分が 勝手に決めた 夏の終わりが 近づく
ちょっと 寂しい気持ち
他の季節の谷間には 何も 思わないのに
お祭り にぎやかなカダヤワンが 終わった
その 喪失感のせいも ある
その寂しさは
この夏に やり残したことへの後悔を 募らせる
小さな 後悔が 残された
「冷やし中華を アレンジできなかった」
南国では 通年メニューの 冷やしそば
ダバオにある1店 南方中華料理店 アファット
歴史ある お店の外観から
料理を 食べずとも おいしさが 伝わってくる
そんな 老舗中華料理店は どの国にも 在るもの
日本の町中華なら こだわり満載の店
毎朝 欠かさずギョーザや シューマイの皮を 手作り
麺は大きく太い「孟宗竹」を 使って
手打ち麺を 仕込む 昔し ながら
夏の間は その麺を 使った
冷やし中華が 抜群に 旨いと
カウンターに 着席
ビールに「焼きぎょうざ」半分
そして「冷やしそば」を 注文
すぐに 瓶ビールの栓が 抜かれ
お通しのザーサイと ともに きた
暑さで乾いた喉を刺激する 快感
次いで 焼きギョーザ
多めの油で 揚げるように 焼いてある
表面は カリッと 皮は モチモチ
豚と白菜の ジューシーな あん
「焼きぎょうざ」1度 ゆでてから 焼き上げる
しっかり火を通し 独特な食感に 仕上げられた
冷やしそば 具材は 千切りのキュウリ
肩ロースを 使った ホロホロで 厚めの焼き豚
太めのクラゲ それだけの シンプル
麺だけを すすると ムチムチ つるつる!
太さに 少しばらつきが あるのと 独特のコシ
三つの異なる具材との 食感や味のバランス
タレは 独自に調合 甘すぎず 酸っぱ すぎない
さっぱりした後味が 夏の終わりに ぴったり
この夏の 小さな 後悔
「冷やし中華を アレンジできなかった」
老舗町中華店の味 その大切な 味の記憶は
暑い夏が やってくる度に よみがえる
今年も 試作したが 再現できなかった
大切な人と 一緒に 歳を取ってきた
今しか味わえない 夏を味わわせ
自作 老舗中華店の再現 冷やし中華
食べさせ 旨いの 笑顔 ひきだしたかった
ダバオで 作る 冷やし中華
通年のメニューに なって マンネリ 怠慢
味の記憶が 薄められてしまった から なのか
夏の記憶を ふと思い出す瞬間が 失われていく
冷やしそばに そんな 夏の寂しさを・・
日本にいると いろんな情報に 振り回される
大切なことと 大切じゃないこと
よほど 目を凝らしていないと なにが 正しいのか
区別が つけられないほど 情報が 多い
フィリピンに いると
自分が 大切にしたいことだけが シンプルに見える
人間は どんなに つまらないことでも
「役目」というのを 持っている
自分が 存在することで 大切な人を
ちょっと ウキウキさせることが できる
人間という仕事を 70年以上 続けてこられた
自分を 必要としてくれる人が 見つかった
自分より はるかに 若いけれど
人生で 大事なことを 自分より ずっと知っている
歳をとれば ガンとか脳卒中とか
死ぬ理由は いっぱい あるから
無理して いま 死ななくて いいじゃない
だからさ それまで ずっとそばに居るよ フラフラとさ
「もう 人生短いしなーって 思って」笑っちゃった
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