4エンジンは大破.粉砕し原型を留めず


日本航空123便は、墜落の最終局面では+3Gの斜め垂直旋回で機首を上げながら地上との衝突を避けようとした。

しかし右バンクの姿勢で右主翼を一本から松などの木々に接触させて、右主翼と第4エンジンが破損。 

続くU字溝では機体後部胴体を地面に打ち付けて垂直尾翼や水平尾翼などが脱落し、弾みで反転して舞いながら約600m先の御巣鷹の尾根に背面から叩きつけられた


⚫︎事故調によれば、左主翼の1.2.エンジンU字溝での接触で外れ、500700m飛び、墜落地点(御巣鷹の尾根)を飛び越えてスゲノ沢第3支流に到達したと考えられるが確証はない としている。(付録.P111)   事故調は修復したDFDREPR(エンジン出力)CVRの衝撃音の時刻(東京管制の時報信号と擦り合わせたもの)との比較からこの様に推察した。

しかしこの区間のDFDRは損傷した部分を修復したものであり、またCVR音声とDFDRの時刻には最大1秒程度の誤差があるので解析結果は信用に足るものではない。


しかも、砲弾型で揚力を得られない形状のエンジンが脱落して飛んだなら、U字溝(標高1600m)から約640m先の御巣鷹の尾根(標高1580m)を越えて、スゲノ沢第3支流に到達することは自然の法則(水平投射における自由落下の現象)の元では有り得ないことである。方向も、右へカーブして行く機体の軌跡に対して分離した後は慣性の法則で接線方向に飛び、墜落現場の中心地より左側(西側)に落ちていなくてはならない。報告内容は誤っている。


よって1.2エンジンはU字溝では外れず、墜落地点(御巣鷹の尾根)で左主翼ごと地面に叩き付けられて脱落し、弾みで更に先のスゲノ沢第3支流に転がり落ちたとすべきである。実際に尾根の稜線手前の左主翼の残骸に沿ってエンジンの部品が幾つか発見されている

しかし、その強い衝撃の割にはエンジンの破損は少なめで、エンジンの形を留めていた


()紫:左主翼はヘリポートから西へ伸びている

⇧ 1.2エンジン本体

⇧ 3エンジン本体


⚫︎右主翼の3エンジンU字溝以降は右主翼とともに下側となるため叩き付けられ引きずりながら破損したと考えられるが、墜落地点すぐ手前左(西)のスゲノ沢第4支流にて発見され、ほぼ原型を留めていた(事故調.P11)

早くに脱落したとすれば方向もやや(西)で合っている。

一方右主翼は破損が酷く、一本から松からU字溝、そして墜落地点にかけて細長く帯状に破片が散在していた。


◉問題の4エンジンは、1.2.3エンジンとは比較にならない程大破して、殆どのパーツは離断破断して、原型もなにも部品の破片が散乱した状態で全く形を成していなかった。いわゆる木っ端微塵の状態だったのである。 

そして付図18のように一本から松からU字溝にかけて広範囲に散乱していた


かたや、第1.2.3エンジンは硬い地面に叩き付けられたり引きずったものが原型を留めているのに対し、4エンジンだけが一本から松など木々への接触で大破粉砕したとは考えにくい

よって第4エンジンは、一本から松に接触する以前に、既に強力な破壊力を受けて脆弱化していたか半壊していたと推測する。


()4エンジンの残骸.散乱の図(付図18)