いや。ちょっと冷静に考えてみよう。どうして私は、あの人が好きなの
か。そもそも、繕って笑っている彼しか私は知らない。それ以前に、素
性の知れない相手だし。何の仕事をしていて、何を目指しているのか、
そんな誰もが知っている、外側の彼しか分からない。天の邪鬼らしいと
か、何を考えているのか実は分からないとか、とっても気分屋さんだと
か、友人伝てにしか、内側の情報は入って来ない。じゃあ、どうして?
どうして私はこんなにも彼に惹かれるのだろうか?第一印象は、「何か
が足りない」だった。顔も、声も、何でだか、「あとちょっとなのに…
」と言うカンジ。チラッと映像を観て、「あぁ二番煎じだなぁ」って思
ったのも覚えている。なのに気付けば、気になって気になってしょうが
なくなっていた。あの曲も、気付けば何度も聴いて、あの映像もしょっ
ちゅう何度も何度も繰り返し観ていた。そしてあの日も、彼(等)は目
的外だったはずなのに、オマケくらいの予定だったのに、正直なところ
、あの時には1番の目的になっていた。平静を装っていたけれど、多分
あの会場で私は、とても驚いていたし釘付け状態だった。その後も、ど
うしてか気になって、行きたくて、すごく苦手な場所なのに、突然1人
で駆けつけてしまったり、積極的に声をかけたり。紡ぐ言葉に魔力が潜
んでいるのかもしれない。紡ぐ言葉って、その人の本心から出て来た、
本当の言葉だと思う。だけど、作品として成立させるためには、装飾品
も必要となってくるから、全てが全て、本当ではないかもしれない。だ
けどキレイゴトだけの言葉たちではないは確か。というか、本心から削
っているイメージ。だけど、どうしても私は、彼の言葉たちの中に、「
寂しい、1人はイヤだ」そんな“本当の気持ち”が潜んでいる気がして
しょうがない。そういうのが、私が持っているココロと共鳴してしまう
。だから涙が止まらなくなるし、どうしても目が離せなくなる。そして
本人に、「ちゃんと伝わってるよ」って伝えてあげたくなる。「ちゃん
とここに、あなたを想っている人間がいるよ」「皆にもちゃんと届いて
いるよ」って側にいて、1人じゃないことを教えてあげたくなる。「い
つもの笑顔の下にある、涙もちゃんと見せてよ」とか。そして、色んな
痛みや悲しみさえも分け合えたら良いのに、支えてあげれたら良いのに
なんて、傲慢なことさえ思ってしまう。そういうのって、私だけじゃな
く、誰もが思うことなのかな。ファンの人たちとか。あぁ、これってた
だの母性本能かしら?でも、たとえそうでも、気付けばもうこんなに気
になってしょうがない人になっているのは確か。「どうして?」とか「
どこが?」が、通用しなくなってきている。もうこれって、止めるのは
私には難しいと思う。こういう感情って制御不可能だし、言葉にできる
理由なんて持ち合わせていない。立場上、迷惑だけは誰にもかけられな
いから、どうしても危険な1歩は踏み出せないけれど。何か良い変化が
起こるのであれば、少しは動きたい。こんなことを思っているなんて、
あの人や、友達に言ったらきっと「おかしいんじゃない?」って笑われ
るんだろうな。だけど、これが私の本音。本当に思っていること。