思いつくまま勝手気ままに(27-192)北国の女の
恋物語 その後の北国の女 2015-09-07 11:30:08
ねぇ~あなた・・
今日の空は海の色と同じよ あなたと毎晩眺めていた
天空の山も夜空の星も 夕べはとってもキレイ
あなたと同じで 煌いていたわ
ここへ来るとき あなたと指を絡ませながら歩いた
連絡船の見える坂を登ってきたの・・
そう あの時……
雪が積もってた坂の途中で私が転んだとき 後ろから
伸びてきた あなたの腕と大きな掌のあたたかさが
素肌までしのびこんできて パイプから揺らめく煙草の煙が
首筋にからみついてきたわ・・
そう あの時……
しっかりと あなたにしがみついたのよね
あなたも なにもいわずに抱きしめてくれてた
あなたの 匂いが好きよ・・今でも・・
どんな時でも あなたが側にいてくれる・・だから私
ちっともさびしいなんて思わない でも……
時が解決してくれるなんて言うけど・・ウソばっかり
だって今でも 長い夜を過ごすときはパイプ煙草の香りが
私の素肌にまとわりついて 身体の中にまで偲びこんで
くるのよ
私 いつの間にか あなたのパイプをしっかりと
握りしめながら眠ってしまうこともあるのよ
今日はね あなたにお知らせすることがあるの
ゆうべ お仕事の帰りにご実家へ伺ったのよ
しばらくお会いしないうちに お二人とも気のせいか
白いものが増えてきたみたい・・
『ありがたいことだが もしも気遣いだったら無用だ
まだ若い 先のことを考えてほしい』・・
あなたも・・そう思っているんでしよう
だけど私 あなたの思い通りにはならないわよ
あなたっていつも勝手な男だったわ 頑固で思い通りに
ならない時は返事もしないんだから・・
私を勝手に抛りだして 自分だけで旅にでるなんて・・
だけど そんなあなたのワナにかかったままでいたいの
これからもよ・・あなたのところへ行くまで・・
あなたとご両親の お気持ちはありがたいわ
でも私 いつまでも あなたから抱きしめられていたい
あなたを抱きしめていたいのよ わかるでしょ・・
私ね あなたが残してくれたお金で小さな花屋さんを
はじめてみたいの・・ねぇいいでしょ
お義父さんからも お義母さんを手伝いにって
おっしゃっていただいたわよ
あなたが反対しても決めたの私 ねぇ~花屋さんなら
ラベンダ-・ききょうとか千日草とかルピナス・・
まだまだあるわ
毎日あなたと会うときに あなたの好きな紫色の
お花といっしょに あなたを抱きしめたいのよ……。
(北国の女の恋物語・その後の北国の女)おわり。