始発電車
昨日の夕方、リッフェルベルク駅から下り電車に乗ったゴルナーグラート鉄道。今日はツェルマット駅から上り電車の始発に乗る。ゴルナーグラート鉄道のツェルマット駅はホテルバーンホフから僅か30mの距離。
8時発のこの電車の前にも、ゴルナーグラート鉄道ツェルマット駅を出発する電車はある。それでもこの電車が始発なのには理由がある。
ツェルマットスキーエリアを滑るスキーヤーの移動手段は8時が開始時間と決められている。ゴルナーグラート鉄道も例外ではない、スキー、スノボの道具を持って午前8時より前に発車する電車に乗ることは禁じられている。
日本のスキー場のリフトでも、朝最初に乗るのはリフト降り場の係員とゲレンデの上にあるレストランの従業員、ゴルナーグラート鉄道も同じで、8時以前の電車に乗るのはスキーエリアの中で働く人たち。
と言うことで始発(スキーヤー始発)電車の車内は優雅な外観とは裏腹に物々しい雰囲気に満ちている。車内は気合を秘めたスキーヤーと道具が満載されている。
町を抜けて
電車のボックス席の窓際には小テーブルが設置され、ツェルマットスキーエリアのイラストが描かれている。
その中を走る、太い赤線がゴルナーグラート鉄道。ツェルマットから終点のゴルナーグラートまで、距離は9.24㎞、標高差は1,469m、勾配は最大で200‰(200パーミル、1000m当り200メートル登る)に達する。日本にはない急勾配を登るため電車にはピニオン(ギア)、線路にはラック板(ギアが嚙む板)を設置した本格的なアプト式登山電車になっている。
8時、電車はツェルマット駅を発車、数分はオシャレな、カフェやホテルの間を走って行く。この辺りはまだ平坦だ。
次第に傾斜が始まり、山小屋風の建物が多くなる。右側の車窓には、ツェルマットの町が広がり、その向こうにマッターホルンが見える。山頂はモルゲンロート(朝焼け)に染まっている。
進むにつれ傾斜は大きくなる。ゴッゴッゴッとアプトギアの唸りが大きくなる。
森林限界が近づく
電車は更に登り、スネガとゴルナーグラートを隔てる谷を跨ぐフィンデルバッハ鉄橋を差し掛かった。左側の車窓の先では、氷河と4,000m超級の名峰たちが朝焼けに染まっている。
車窓に広がるアルプスの朝の絶景と電車の中の暖かさに、乗客はスキーウェアを解き、秘めた気合もしばし忘れる。車窓からアルプスの朝焼けを見て寛いでいる。至福の時。
雪と岩と空の世界
森林限界を超えると、遮るものがなくなりマッタ―ホルンが全容を現した。
マッターホルンの下に昨日の午後滑ったエリアが見えた。
昨日は、左からマッターホルン直下の谷へ滑り降り、谷沿いから林間コース、フーリへ降りた。マッターホルンの左直下の谷に一の字にマッタ―ホルンエクスプレスのフルク駅が見えている。
森林限界を超えたゴルナーグラート鉄道は、リッフェルボーデンとリッフェルベルクの間のくぼ地のぞき込みながら、右に大きく回り込み、ゴルナーグラートのメインエリアの台地へと登る。
瀟洒な駅、時計はオメガ
リッフェルベルク駅に着いた。時刻は8時25分、気温-5℃、天気は昨日に続いて快晴、今日も最高のコンデイション。
ゲレンデ?を登る鉄道
終点のゴルナーグラート駅からここまで、なだらかな傾斜が約4キロにわたって広がっている。子供でも滑れるエリアで、快適なクルージングが出来る。
スキーエリアを、電車は登る。
天空の駅はもうすぐ
ゴルナーグラート駅の一つ手前、ローテンボーデン駅
遠くに、クラインマッタ―ホルンが見えている、始発のゴンドラ・マッターホルンエキスプレスに乗ったスキーヤーでも、まだあそこまでは行けていない。
最後の急こう配を登る、車窓から見える空が大きくなってきた。
クルムホテルが見える。終点ゴルナーグラート駅はすぐそこだ。
最後のカーブ
登山電車はゴルナーグラート駅の直前で大きくカーブする。
ゴルナーグラート駅(標高3,089m)に到着
ゴルナーグラート駅に降り立つ、スイス最高峰のモンテローザに遮られ、ゴルナーグラートには朝日は届いていない。
3,000mを超す高さでも、ゴルナーグラートはペンニネアルプス山脈の尾根で、山として数えるならば、4,000mを超す名峰が居並ぶペンニネアルプス山脈の中では最も低い。
ゴルナーグラートに建つクルムホテル、銀色のドームは天体観測所。
ゴルナーグラート駅の駅舎は、クルムホテルに合わせているのか、古城ののような佇まいをしている。
古城にドームの組み合わせは、「ハウルの動く城」を思い出させる。





























































