【文様の種類】植物文様その4
着物や帯に使われる植物文様は世界中のいずれの国、いつの時代にも非常に多いものです。とくに四季の変化に富んだ日本にはさまざまな植物が身近にあり、美しいな形や生命力を愛で、文様化してきました。桜や椿、藤、紅葉などは季節感のある文様ですが、それぞれを組み合わせて四季の美を表現するのにもよく使われています。また、特定の花ではなく自由に図案化した草花紋様や、ある決まった植物や動物、器物などを取り合わせて吉祥性や文学的・詩的情緒を表現するものもあるなど、植物文様は着物や帯に最も多く使用され、多種多様な展開を見せています。近年は洋花も加わり、さらに種類が増えました。
蘭花文(らんかもん)
蘭は松、竹、梅と構成して四友(しゆう)、竹、梅、菊とで四君子(しくんし)、梅、菊、蓮とで四愛(しあい)とよばれ、瑞花(縁起の良い花)として文様に用いられてきました。現代も、写実的なもののほか蘭の花丸、蘭枝丸なども見られます。近年はカトレアなどの洋蘭も多くなり、多彩に表現されます。
蕨文(わらびもん)
蕨は、早春に早蕨(さわらび)という、こぶし状に巻いた新芽を出します。その姿は万葉集にも詠まれ、紋章にも図案化されています。わらびとともに、開いた羊歯状(しだじょう)の葉は、春の草花と一緒に描いて、野の様を写すこともあります、中年向きの帯の文様などになっています。
羊歯文(しだもん)
正月飾りに使う、羊歯類(しだるい)の中の裏白(うらじろ)は、長寿や一家繁栄を表すおめでたいものとされ、形の面白さから平安時代に文様化されました。甲冑や刀剣などに用いられ、家紋にも見られますが、現代の訪問着や小紋、帯などにも使われています。
薔薇文(ばらもん)
バラは西洋では美と愛の象徴として、様々な装飾に用いられてきました。日本ではすでに『古今集』に詠まれていますが、文様としては、あまり使われていませんでした。近年さまざまに図案化したバラが振袖、訪問着、付下げなどに使われています。
西王母(せいおうぼ)
桃は西王母という異名があり、中国の不老不死の仙薬を持った仙女の伝説と結びついて尊ばれてきました。またモモは鬼や邪を制圧する仙木として考えられたので、三月の節句でもおなじみです。一般にはあまり多用されませんが、能装束や留袖などに見られます。
桜文(さくらもん)
桜は古くから、どの時代にも愛されてきましたが、文様に表わされるようになったのは、平安時代頃です。代表的な春の花ですが、近年では、写実的な文様の着物や帯以外は、季節を問わず着るようになりました。大胆に図案化された桜の着物や帯は春に限らず年中着られます。
牡丹文(ぼたんもん)
奈良時代に中国から伝えられ、鎌倉時代には摂関家専用のように使われました。大牡丹、蝶牡丹などがあり、百花の王、瑞花として様々に文様化されてきました。室町時代に渡来した名物裂(めいぶつぎれ)の金襴や錦にも見られ、牡丹唐草(からくさぼたん)はとくに有名です。
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