前回ちらっと風俗について触れたのでその話を。

きっかけは本当に軽い気持ちだった。

バイトないかな→稼ぎたいな→ピンサロくらいなら
的な思考回路で。

恥ずかしながら援交経験があったため抵抗はあまりなかった。

で、1日終わってみたら3万弱もらえる。

場所は芸人が風俗ネタでよく出すあの駅です。家が近かったので通うのは楽でした。

欲しいものは買える、貯金も貯まる。独り身だし実家暮らしだし、それはもう、ウハウハでした。

人間恐ろしいもので、慣れれば仕事と割り切れる。

心身衛生面に気を使ってくれる老舗の優良店だったので、おかしなプレイや店外など一切なかった。当たりの店でした。
客足も途絶えないので、指名が入らない日も確実に万単位でもらえる。
よく考えると初めてでそんな店だったので、ネットで嬢の愚痴を見るとなんだか申し訳なかった。

で、人間欲が出ると次のステップに踏み出したくなるわけで。

わたしは実家が嫌いだった。だからある日書き置きを残し家を出た。

寮完備の店だったので、寮に入る相談をした。

そしたらまぁ着信とメールの嵐。

結局根負けしてわたしは実家に戻ることになったが、一人暮らしが諦めきれず、実家の隣のアパートに引っ越した。

おかしな話だ。住所は変わらずアパート名だけ変わった。

でも、嬉しかった。一人になれる。それだけで幸せだった。

しばらくはそれで楽しんでいたが、ある事件が起こり借金をすることになった。
ギャンブルではない。
男に狂ったわけでもない。

騙された。

そこから今の彼氏と出会ったり自殺未遂したり紆余曲折あった。


ある意味、お金を持ちすぎておかしくなったのかもしれない。

ただ根幹には、わたしには何事も相談できる人がいなかったという事実があり、それが大きかった。


騙された話や家庭の話はまたそのうち。


それにしても風俗で働いている人達が、皆さん真面目でそれぞれ精一杯生きてるってことを知った。

テレビのようにただギャンブルや男に突っ込んでいる人はいなかった。

もしかしたらわたしの動機が一番不純だったかも。
できるのかなぁと考えてしまう。

今同棲している彼氏は、わたしが今まで出会った人の中でわたしを一番良く知っている。

彼の前ではわたしはわたしでいられる。


付き合い始めは正直なんとなくだった。

数ヵ月し、風俗で働いていることがばれた。

でも、彼は見捨てず、わたしをその世界から抜け出させてくれた。


わたしはうつをカミングアウトした。彼はよく分かっていないようだった。

しばらくし、わたしは自殺未遂を起こした。

彼はまた、見捨てないでくれた。


付き合い始めて一年、一緒に住むようになった。

彼はうつについて調べたり、一緒に病院に行ってくれた。

最初はうまくいかない時もあった。わたしの無気力さが、彼を苛つかせたのだろう。

それなのに彼はわたしを離さなかった。

だんだん、わたしはそれに少しでも応えようと思うようになった。


今、仕事ができるようになったのも、休みの日に布団にこもらなくなったのも彼のおかげだ。


彼が好きだ。
多分彼もわたしが好きだ。


ふいに彼が結婚しような、と言う時がある。

わたしはまだ、結婚していいのか分からない。
結婚のためには、わたしがもっと安定しなければ。

彼がわたしの心の帰る場所になっているように、わたしが彼の心の帰る場所にならなければ。


一緒にいたい。

だからもっともっと、強くなりたい。

いっそのことわたしからプロポーズできるくらいに。
自分で言うのもなんだが、わたしは好かれるタイプだ。

反面、嫌われ易くもある。

自分が中心にいたいタイプの女に滅法嫌われる。
よく分からないけど、気にくわないのかな。
最終的にリーダータイプに嫌われるので、それに従う普通の子にも距離をとられる。


小学生の時の林間学校でこんなことがあった。

大部屋で、わたしともう一人の子がハブにされた。

わたしは怖くて怖くて、もう一人の子を裏切った。仲間外れが嫌で、多数の言うことを聞いた。

首謀者はわたしを嫌っていたリーダータイプだ。他の子たちもハブられるのが怖くて言うことを聞いていた。

わたしは馬にならされた。
パシりもさせられた。
でもハブられたくなくて、受け入れた。

次の日、ひとりぼっちになった子の様子がおかしいと、先生が話を聞いた。そこでハブが発覚した。

叱られたのはわたしだった。
なぜか知らない。わたしだけが叱られた。
ひとりぼっちになった子は、後からごめんねと謝ってきた。


わたしはまず、首謀者を憎んだ。
次に、それに従った大数を憎んだ。
そして、先生の前で違うと言ってくれなかった子を憎んだ。

最後に、自分を憎んだ。



誰も信じられなくなったのは、その頃からだった。




10年後、自動車教習所で首謀者を見かけた。

きっとその子はあの時の出来事など忘れているだろう。
そう思いながら、わたしは虚しさを覚えた。

誰もが悪かったのだろうし、誰も悪くなかったのだろう。


子供の頃の出来事など、そんなものだ。