『日本人に謝罪要求したら逆効果だ』と
韓国専門家が”日本の態度”に恐怖。日韓は真の隣人にならねば


イ・ドクボン同徳女子大学名誉教授:元韓国日本学会会長


 去る19日の午前0時10分に再開された日本の国会参議院本会議で、安保法案、すなわち集団的自衛権法が148対90で可決された。戦争を放棄した憲法9条に背くという野党と市民の根強い反対にもかかわらず、安倍政権の意図どおりに法案が成立されたのである。安保法案の核心は、集団的自衛権の行使が可能になった点である。集団的自衛権の発動によって同盟国が危険な時、日本の自衛隊が国際戦争に参加できるようになった。日本のこのような歩みは北朝鮮の核弾道ミサイルの開発、中国の軍事力増強および領土紛争、アメリカのアジア・太平洋地域の防衛に対する協力要求などが主な原因として作用した。日本は周辺の国際情勢が大きく変化した事により、対外戦争遂行能力を確保したわけである。

日本人に日本を侵略する可能性が高い国を問えば北朝鮮、韓国、中国の順番に答える。隣接国家に対する不信が安保戦略の樹立、すなわち右傾化に力を注いだ訳である。当分は日本の野党と市民の抵抗が続くが安倍政権はついでに憲法改正まで試みるはずで、既に成立された法制は間もなく機能を発揮する事になるだろう。 韓国はこれまで日本の右傾化の動きに対して非常に敏感に反応してきた。しかし我々の感情的な反応は逆に彼らを刺激して嫌韓ムードが広がり、一方で右傾化の口実を提供してしまった。

去る5月に韓国と日本のメディアが共同調査した結果によれば、韓国人の85%、日本人の73%が相対国を信頼する事ができない国と評価した。これまで我々は日本政府に向けて、歴史に対する謝罪を要求し続けてきた。日本の謝罪が十分であると思う韓国人は4%なのに対し、日本人は76%が十分であると思っている。このような差をもたらした背景には、今の日本人は歴史責任世代の2~3代の子孫の関係で、自分たちは歴史と直接的な関連がないという認識が敷かれている。その結果8月に安倍晋三総理は談話で、「これ以上、謝罪責任を子孫には譲る事はできない」と表明するまでに至った。

不幸だった歴史の再発を防ぐために執拗に努力してきた韓国の平和戦略が逆効果になったとすれば、これから取らなければならない戦略は何カ。 今までは歴史に焦点を合わせて反省と責任を促してきた。我々が日本の一挙手一投足に対して条件反射的に応じる受動的戦略で一貫して来た間、日本は逆方向の歩みを見せたのである。

我々を取り囲む対外情勢は急変している。周辺強大国の軍備拡張が著しい。平和維持のための対日戦略の修正が不可避な時点に至ったのである。これからは過去ではなく、未来に焦点を合わせた対日平和戦略を立てなければならない。我が国の地政学的位置から見ると外交は安保に直結される。政府は対北戦略以外に独自的で持続的な汎政府次元の対外安保戦略を樹立しなければならない。国際情勢が緊迫していた旧韓末、強大国の変化に従って右往左往してから無気力に国を失ったいわゆる『海老外交』の二の舞を演じてはいけない。

今まで韓国は政府を飛び越えて国民が先に日本政府を攻撃して、日本国民の反目を招いた。国民の考えが政府を動かす時代に必要な事は、隣接国の国民との平和意識を共有する事であり相互信頼を積む事である。 そういう活動を展開するために対内的には派閥利己主義と違った見解に対する誹謗を止めて、我が民族と文化の多様性を合わせて包容する成熟した社会にならなければいけない。そういう変化が韓国社会のデモクラシー水準を高め、対外信頼度とイメージ改善につながるからである。何よりも日本政府に向けた歴史事関連窓口は、政府に任せなければならない。国民が先に立たなければならない事は日本に向けた政治的叫びではなく、日本国民との様々な交流を通じて理解と絆を強化する事で、それぞれの政府を構成できる平和的基盤を固める事でなければならない。

ソース:NAVER/世界日報(韓国語)
http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=shm&sid1=110&oid=022&aid=0002918051