先日、ある人とこんな会話をしました。
私は、仕事のときは常に相手の懐に入ってしまうことを第一に考えているんですよ。
そうすると、ビジネスがうまくいったときには、信頼関係がより強くなりますし、反対にミスや失敗があっても「⚪︎⚪︎さんなら仕方ないなぁ…」って妥協してくれる。
クレームもクレームにしないようにするのは、相手に自分が「仲間なんだ」と思わせることが一番良いと思うんですよ。
ずるいやり方ですけどね
それは、相手の心をつかみ、信頼を獲得するというテクニックのひとつとしてはアリなんでしょうね。
自分なりの攻略法をお持ちなのは、素晴らしいことですね。
でもね、部下や後輩は、私と同じようにできないんですよ。
なかなか高度なテクニックですからね…
すぐにはできないかもしれませんが、少しずつでも教えて差し上げたらいかがですか?
こういうことは口で説明できないです。
感覚の問題だし。
見ていたらわかるはずなんですよね。
私の背中を見て育ってくれないと…
この何気ない会話から、いろんな苦労を乗り越えるため、ご自分なりに試行錯誤しながら前に進んで来られた、この方の確たる自信を感じました
ですが、それと同時に、
口では説明できないけど、私の背中を見ていればわかるはずなのに…
という部分に、
いやぁ…上司の立場の意見として、それはどうかな?
と思ってしまいました…
ものづくりの職人の世界などであれば、師匠や先輩方がどのように作っているのかを目で見て学んでいくことができるでしょう
親子関係であれば、日々仕事に励み、家庭を守る両親を見て、心に感じ取り学ぶこともあるでしょう
ですが、ビジネスの現場ではなかなかむずかしいのが現状のように思うのです
どんなビジネスの現場でも、そのビジネスの背景や、なぜそれをすべきかの目的があり、それが伝わっていなければより良いパフォーマンスは上げられません
“自分の背中を見ていればわかる”という気持ちもわからないわけではないですが…
ビジネスの背景や目的をきちんと伝えていなければ、背中を見ても“やり方”しかわからず、必ず同じことができるようになるわけがないんですよね…
つまり、厳しいようですが、
口では説明できない
と言っている時点で、残念ながら上司としての役割が担えていない気がするのです…
“背中を見て育って欲しい”と思うなら、それに必要な言葉や情報を伝えることは、とても大切です
やはり人は、見せるだけではなく話さないと、思いや目的は伝えられないと思うんですよね…
それに…
私は、“背中を見て育って欲しい”って、見られる側の本人が思うことではない気もしています…
←第三者が言うのならわかるんですけどね
日本では、“察する”という言葉がありますが、これは時と場合によると思います。
育って欲しいと思うなら、言葉で伝えないと。
背中を見せて育てている“つもり”のままだと、ただの自己満足…
ときおり、この“つもり”になっていないか、人として自分を振り返るようにしたいですね
←私自身に対しての戒めにもなりました
皆さん、一緒に“はんなり美女”を目指しましょう