昨日の続きです。
クリスマスから数ヶ月後の夜、出来る男という感じがすっかり板についた尾名荷は、喪黒とバー・魔の巣で飲んでいた。
尾名荷は、着ている服、付けている時計、仕草、表情、顔付き、どれをとっても、色気すら感じさせるイケメンに変貌を遂げていた。
「喪黒さんにはなんてお礼を言っていいやら……。あれ以来、仕事まで上手く行くようになったんです」
「オーッホッホッ、それは結構です。いい女性と付き合うと、エネルギーや運気を与えてくれるものです。
そして何より、あなたが安易な快楽に走らなくなったことで、あなたの持てる力を最大限に発揮できるようなったのです。オナ二一をすると、それがもたらす快楽以上のものを失っていることに気付かない人が多いのですけど」
喪黒は微笑みながら、続けた。
「でも一つだけ忠告しておきます。今後、アダルトビデオでなんかで欲求を発散しないで下さい。でないと、せっかく捕まえた幸運を逃してしまいますよ」
「あんな素敵な彼女がいたら、そんなことする必要がありませんよ」尾名荷は自信たっぷりに答えた。
「それなら良かったです。もう絶対にオナ二一なんかで性欲を満たさないで下さい」
「もちろんです!」再び力強く答えたところで、はたと時計に目にやる尾名荷。
「もうこんな時間か。すみません喪黒さん、積もる話は山ほどあるんですけど、明日も早いので、ここらで失敬します」
財布を取り出しながら、尾名荷は席を立つ。
「おやおや、残念ですな。あ、今夜は私におごらせて下さい。尾名荷さんの昇進祝いということで…」
「何から何まで、すみません。では、またいずれ…」
足早に出て行く尾名荷の後ろ姿を、含みをもたせた微笑みを浮かべて喪黒は見送った。
(つづく)
オナ禁……15日目
工口禁……15日目
短期目標(連続禁欲3週間)達成まで…あと6日
中期目標(今週いっぱい)達成まで…あと3日
長期目標(60日間)達成まで…あと45日